僕はあまりベタな恋愛小説というのは読まないのだが、最近読んだ山本文緒の「恋愛中毒」はとても面白かった。
けっこう古い作品だが、吉川英治文学新人賞を受賞してドラマ化もされたそうなので、読まれた方も多いと思う。
山本文緒作品を読んだのは初めてだったが、もっと他の作品も読んでみたい。
というわけで、中古でまとめて4冊ほど買ったのだが、さっそくその中からの一冊「あなたには帰る家がある」を読んだ。
やはり面白かった。
この物語は、家族とか夫婦のあり方のようなものを考えさせられるもので、二つの対照的な家族が登場する。
佐藤家
夫、秀明は住宅メーカーの営業マン。家事はしない。モテるタイプ。
妻、真弓は家事、育児が嫌いで、子供を預けて生命保険の営業を始める。都会的で仕事の出来る女性。
茄子田家
夫、太郎は学校の教師。自分より弱い立場の人間には横暴な態度、女性にはセクハラ、学校では子供からもバカにされる。
妻、綾子は家事を完璧にこなすけど社交性ゼロ。外で働いたことはない。元いじめられっこ、意外に美人。
話は茄子田が家を建て替えようと、佐藤秀明のモデルハウスを訪れるところから始まる。
秀明は美人で家事をきちんとこなす綾子にほれる。
綾子は夫と違い若くてかっこいい秀明にほれる。
二人はダブル不倫の関係になる。
で、お約束どおり、ドロドロの展開になっていく。
この物語でもっともヒール役をやってるのが、茄子田太郎だ。
作者も、かなり太郎をイヤな男として書いている。
店員や営業マンにはすごく偉そうで、若い女の体をベタベタさわり、センスの悪い服を着て、年齢よりも老けて見えて、おまけに酒癖も悪い。
しかし、この物語の面白いところは、典型的に女から嫌われるタイプの太郎が、もっとも家族愛にあふれ、妻を愛していて、
広い心の持ち主という設定になっていることだ。
徹底的にイヤな男なのに、後半になると、どこかかわいらしくて、同情してしまうのは大したものだと思う。
すごく日常的で、普通の人が普通に暮らしているなかの、ありがちな内容だ。
そんな普通の話をここまで面白く書けるというのは、大した文章力だと思う。
おそらく山本文緒の読者は女性が多いと思うが、男性がこれを読むと、妻の苦労とか、
そういった女性の心理が理解しやすいかもしれない。
けっこう古い作品だが、吉川英治文学新人賞を受賞してドラマ化もされたそうなので、読まれた方も多いと思う。
山本文緒作品を読んだのは初めてだったが、もっと他の作品も読んでみたい。
というわけで、中古でまとめて4冊ほど買ったのだが、さっそくその中からの一冊「あなたには帰る家がある」を読んだ。
やはり面白かった。
この物語は、家族とか夫婦のあり方のようなものを考えさせられるもので、二つの対照的な家族が登場する。
佐藤家
夫、秀明は住宅メーカーの営業マン。家事はしない。モテるタイプ。
妻、真弓は家事、育児が嫌いで、子供を預けて生命保険の営業を始める。都会的で仕事の出来る女性。
茄子田家
夫、太郎は学校の教師。自分より弱い立場の人間には横暴な態度、女性にはセクハラ、学校では子供からもバカにされる。
妻、綾子は家事を完璧にこなすけど社交性ゼロ。外で働いたことはない。元いじめられっこ、意外に美人。
話は茄子田が家を建て替えようと、佐藤秀明のモデルハウスを訪れるところから始まる。
秀明は美人で家事をきちんとこなす綾子にほれる。
綾子は夫と違い若くてかっこいい秀明にほれる。
二人はダブル不倫の関係になる。
で、お約束どおり、ドロドロの展開になっていく。
この物語でもっともヒール役をやってるのが、茄子田太郎だ。
作者も、かなり太郎をイヤな男として書いている。
店員や営業マンにはすごく偉そうで、若い女の体をベタベタさわり、センスの悪い服を着て、年齢よりも老けて見えて、おまけに酒癖も悪い。
しかし、この物語の面白いところは、典型的に女から嫌われるタイプの太郎が、もっとも家族愛にあふれ、妻を愛していて、
広い心の持ち主という設定になっていることだ。
徹底的にイヤな男なのに、後半になると、どこかかわいらしくて、同情してしまうのは大したものだと思う。
すごく日常的で、普通の人が普通に暮らしているなかの、ありがちな内容だ。
そんな普通の話をここまで面白く書けるというのは、大した文章力だと思う。
おそらく山本文緒の読者は女性が多いと思うが、男性がこれを読むと、妻の苦労とか、
そういった女性の心理が理解しやすいかもしれない。