Music Mania

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狐狼の血

2020年08月11日 | 読書


柚月裕子「狐狼の血」を読んだ。
柚月裕子作品を読んだのは初めてだけど、女性とは思えないほどハードボイルドな仕上がりで驚いた。
まるで北方謙三みたいな暴力と血の臭いが漂う作風である。

昭和63年の広島が舞台で、章ごとにこれから始まる内容が日誌形式で紹介される。
登場人物が多いけど、本の最初に人物相関図が書いてあるので混乱せずに済む。
ネタバレになるけど、この物語は最悪の結末で終わる。
普通は、最悪が想定されるシチュエーションの中、主人公たちが活躍してそれを阻止するものだ。
この小説みたいに、主人公たちの努力が無駄に終わるというのはなかなか斬新なストーリーだと思う。

結局、この話には続編があるのだが、それは後から決まったことで、元々は最悪の結末で終わることになってたらしい。
というわけで、早速続編「狂犬の眼」を注文したのだった。

ディスカバー・ビートルズ その9

2020年08月11日 | ビートルズ

8月9日放送のディスカバー・ビートルズは夏休み特別企画ということで、なんと4時間生放送スペシャルだった。
4時間か、いくらビートルズでも4時間もラジオを聴くほどヒマじゃないんだけどな。
夜の9時から始まって終わるのは夜中の1時。
いくらなんでも長すぎるよ。

といいながらも、結局全部聴いてしまった。

企画1:ビートルズのアルバム1曲目ランキング。
ただの人気投票ではなく、アルバムの1曲目のみから好きな曲のランク発表。
1位 カムトゥゲザー
2位 ハードデイズナイト
3位 ノーリプライ
4位 アイソーハースタンディングゼア
5位 ドライブマイカー
6位 タックスマン
7位 サージェントべバー
8位 ヘルプ
9位 バックインザUSSR
10位 イットウォントビーロング

企画2:アルバムエンディング曲ランキング
今度は先ほどの逆で、アルバム最後の曲のランク。
オープニング以上にマニアックな曲が並ぶ。
1位 アディインザライフ
2位 トゥモローネバーノウズ
3位 ツイストアンドシャウト
4位 アイルビーバック
5位 グッドナイト
6位 ランフォーユアライフ
7位 ハーマジェスティ
8位 みんないい娘
9位 ディジーミスリジイ
10位 マネー

企画3 あなたが好きな11人目のビートルズ
5人目とか6人目のビートルズと言われる人は何人かいるけど(ジョージマーチンとかブライアンエプスタインとか)そうではなく、もう少しマニア向けな人々のランキング。
1位 エリック・クラプトン 
2位 ジェフ・リン 
3位 ビリー・プレストン
4位 バッド・フィンガー 
5位 フィル・スペクター 
6位 アラン・パーソン
7位 ジェフ・エメリック
8位 ジェームス・テイラー
9位 ハリー・二ルソン
10位 ノーマン・スミス

企画4 ずばり、あなたの好きなメンバーは?
1位 ジョージ・ハリスン
2位 ジョン・レノン
3位 ポール・マッカートニー
4位 リンゴ・スター

そのほか、知る人ぞ知る、ビートルズと日本の架け橋となった伝説のジャーナリストである星加ルミ子さんとの対談があり、これがとても面白かった。
当時のエピソードが語られるんだけど、すごい体験をされたようだ。
いろいろ本も出されてるようなので読んでみたいと思う。


カーデガンと周杰倫

2020年08月11日 | 音楽
今週のアメリカンヒットチャートは、ついに王者ダベイビー「ロックスター」が2位にランクダウンし、テイラー・スウィフトの新作から「カーデガン」が初登場1位になっている。
テイラーの新作はかなり完成度が高く僕も毎日に聴いている。
自分の好みの曲が1位になれて嬉しい。

Taylor Swift - cardigan “cabin in candlelight” version (Official Video)


Apple Musicにはデイリートップ100という機能があり、世界の国々のトップ100を聴くことが出来る。
このランキングはApple Musicでの再生回数が基準となっており、CD売り上げやラジオ曲へのリクエストなどは含まれない。
なので日本だと、CD売り上げを主力とするジャニーズや秋元系のアイドルはほとんどランクインしてこない。

世界で最も聴かれ最も需要のある音楽はヒップホップだと言われるが、世界各国のヒットチャートをザッと聴いてみると、本当にそれが真実であることが痛いほどわかってしまう。
心のどこかにそれを認めたくない僕の目の前に、ズドーンと突きつけられる。
かつてビートルズを生み、メタル、プログレ、パンクを生んだイギリスも、メロディアスなジャーマンメタルを生んだドイツも、多くのクラシック音楽家を生んだオーストリアも、あろうことかメタル王国のフィンランドでさえヒップホップの天下である。
かつてソビエト連邦としてアメリカと争ったロシアも、アメリカとガチの戦争をやったベトナムも、今や完全にアメリカナイズされ、ヒットチャートはその国の言葉によるヒップホップが主流だ。
これはアフリカ諸国や南米諸国においても同じで、世界で聴かれてる音楽はビックリするくらい似通っている。

この世界の状況に対して、例外の国が二つだけ確認出来た。
日本と中国である。
日本と中国だけが、ヒップホップ中心のチャートではないのである。
それも、この2国は聴かれ方も非常に似通っている。



基本的に各国のトップテンには、10人のアーティスト、10の曲が並ぶ。
しかし日本と中国だけは当てはまらない。
日本のトップテンは、米津玄師が8曲をしめる。
あとは、YOASOBIの「夜に駆ける」とNiziUの「Make you happy」が入っている。
おそらく、日本人は基本的に曲単位ではなくアルバムを聴いてるからだろう。
30位まで見てみても、半分の15曲が米津玄師のアルバム「Stray Sheep」からの曲だ。



今もヒップホップに支配されていない中国のチャートも全く同じ傾向である。
こちらはもっと極端で、上位39位まで、テイラー・スウィフトの新作と周杰倫(ジェイ・チョウ)という人だけでしめられている。
40位にようやく米津玄師が入ってくるけど、41位はまたしても周杰倫である。
やはり中国人も日本人と同じく、アルバム単位で音楽を聴いてるようだ。
ちなみに周杰倫の音楽は、言葉の壁さえ越えられれば普通に日本でもヒットしそうなポップ、ロックである。
すごくいい。

Jay Chou 周杰倫【一路向北 All the Way North】-Official Music Video

ダベイビーとテイラー

2020年08月09日 | 音楽
今週のアメリカン・ヒットチャートは、もう何週目になるのかわからないくらいヒットしているダベイビーの「ロックスター」が1位。
この曲、何度も聴いてるとなかなか悪くないとは思うんだけど、PVの世界観についてはぜんぜんいいと思えない。
それは僕がジジイだから、ということだけかもしれないけど、ホントにこういうのがカッコいいの?と疑問に思う。
日本でもヒップホップ好きの人にはすごく評価が高く、アルバムも大傑作だというから聴いてみた。
結論からいうと、好きになれないアルバムだった。
もちろんこういう音楽があっていいと思うし、熱心なファンがいることに疑問はないけど、アメリカだけでなく世界的に大ヒットしてるアルバムにしてはマニアックすぎるように思う。
いちおう洋楽の名盤をたくさん聴いてきた僕からすると、世界的ヒット作というのは聴きやすくポップなものが多い。
というよりほとんどがそうである。
ダベイビーにはポップさはほとんどなく、ヒップホップの通が聴くようなアーティストのように思うんだけど、今じゃこれが普通に聴きやすい音楽なのだろうか?

DaBaby - ROCKSTAR ft. Roddy Ricch (Music Video)


さて、世界で最も聴かれ最も需要のある音楽はヒップホップであることはよくわかった。
しかしヒップホップ以外の音楽であっても、それが優れた作品であれば需要もあるようだ。
そんな作品の一つがテイラー・スウィフトの新作「フォークロア」である。
現在絶賛大ヒット中のアルバムで、僕もかなり気に入っている。
全曲モヤがかかったようなボンヤリした音像で、軽く聞き流すとどれも同じように聴こえるけれど、じっくり聴くと曲の出来がとてもいいことがわかる。
かつてのカントリーテイストやダンスポップテイストはほとんどなくなり、フィービー・ブリジャーズみたいな、スローからミディアムテンポの静かな曲ばかりだ。
癒し系ともまた違う気がするけど、無理してラップ音楽を聴いてたりすると、テイラーの新作はとても落ち着くのだ。

folklore (Full Album)

ディスカバー・ビートルズ その8

2020年08月08日 | ビートルズ


8月2日のディスカバー・ビートルズは、丸ごとIf I Fellという、1時間まるっと「If I Fell」のカバー曲を流すというマニアックなものだった。
邦題「恋に落ちたら」と名付けられたこの曲、シングルでもないしベストアルバムにも入っていない曲でありながら、ビートルズ中級以上の人にとても人気のあるナンバーである。
ビートルズの曲はどれもカバー曲は多いが、有名曲ではないなかだと、If I Fellはけっこう多くの人が歌ってるようだ。
番組では、いろいろなタイプのアーティストによるカバーを聴くことが出来た。
ちなみに、Apple MusicでIf I Fellを検索してみると、世の中にはまだまだ同曲のカバーがたくさんあり、この曲のカバーだけで2枚組アルバムが出来そうである。

この番組の面白いのは、ビートルズに関連するビートルズ以外の曲がたくさんかかることだ。
元々ビートルズ以外の音楽も聴く人なら、新しい発見があっていいと思う。
ただし、もしもビートルズしか聴かない人に対しての提案としてこういうことをしているのであれば、それはムダに終わると思う。
ビートルズしか聴かない人って、絶対にビートルズしか聴かないから。
これはビートルズに限った話ではなく、ある特定の自分の好きなアーティストしか聴かない人はいる。
その人たちにとって大事なのは、いい音楽かどうかではなく、そのアーティストであるかどうかの方である。
どれだけビートルズっぼく、ビートルズのエッセンスが感じられて、世間の評価も高く、音楽的にも優れていたとしても、「でもビートルズじゃないんでしょ?」とそこでふるいにかけられるのだ。
おそらく音楽作品として評価しているのではなく、人間としてのアーティスト本人が好きなんだと思う。
これは例えば、好きな異性がいて、その人のことがすごく好きで、いくらその人に似た人でその人より性格がいい人がいてもそっちには行かない、みたいな感じなのだろう。
そういう感情というのは、音楽を幅広く楽しむには不都合でしかないと思う。
そもそも幅広く聴く気なんてないんだろうけど。
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