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“1秒で歴史好きかどうか分かる歴男・歴女診断”にツッコミ

2020年08月01日 | 日常
「イラストから読み取る“1秒で歴史好きかどうか分かる歴男・歴女診断”」というのがあった。
自称歴史好きの僕は早速やってみたのだが、1秒ではぜんぜんわからなかった。
たぶん1秒でわかる人間なんていないと思う。
それどころか問題によっては、歴史とまるで関係のないものだった。

ではそのイラストと回答を考えてみよう。



中央の古代ギリシャ軍かローマ軍のヘルメットをかぶった人から、アレキサンダーかシーザーかと思ったけど、隣の「Are Brutus」のセリフからシーザーか?
だとすると、中央上の三角はピラミッドでその上の女性はクレオパトラだろう。
中央下のヨーロッパ地図、兵士、投石機はヨーロッパ全土で戦争をしたことと思われる。
そして「ブルータスお前もか」の名台詞と元老院の前で刺されて死んだ。
というわけで、答えはシーザー(ユリウス・カエサル)。
正解!



一番右に十字架に磔された人。
ここから思い浮かぶ人ってイエス・キリストしか知らない。
子供の頃イエス・キリストの伝記は読んだことあるけどもう忘れた。
あとのイラストは何を表してるのかよくわからない。
たぶん、イエス・キリスト。
正解!



中央の人は姫か女王のようだ。
その人は首をはねられたらしい。
首をはねられた姫か女王というと、マリー・アントワネットしか知らない。
だとすると、中央上のイラストはフェルゼン伯との不倫、靴やドレスは贅沢な暮らし、仮面みたいなのは舞踏会か?
中央右のクロワッサンみたいなのは、『パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」の名台詞かもしれない。
そしてフランス革命でギロチンで処刑される。
というわけでマリー・アントワネット。
正解!



中央の人はナポレオンみたいな帽子を被っている。
ここから連想する人ってナポレオン一択だ。
コルシカ島で生まれ、軍のトップとなり、右のイラストは皇帝となった姿だろう。
でも一番右側の数々のイラストは何を示してるのかわからない。
たぶんナポレオン・ボナパルト。
正解!



中央下にナチスのマークがあるので、ヒットラーか?
たしかナチス党に入る前は画家を志していた気がする。
ナチスの党首となり、ミサイル、戦車、兵士、つまり軍備を整え、下のイラストは強制収容所だろう。
そして世界を相手に戦い、世界に負けた。
というわけでアドルフ・ヒットラー。
正解!



これは格闘家?
ヌンチャクみたいなのがあること、撮影カメラみたいなのがあることからブルース・リー?
ヌンチャクを用いた格闘の映画で世界的に有名になり名声を得たけど、志半ばで命を落とす。
ということで、ブルース・リー。
正解!
でも、歴史?じゃないでしょ?



こげ茶色の人がどんどん色が薄くなって亡くなる。
なにこれ?
これだけではわかりません。

答えはマイケル・ジャクソン。
言われてみたらわかる気がするけど、まだマイケルは歴史じゃないでしょ。
あと100年くらいしたら音楽の教科書には載るかもしれないけど。



次もわかりめせん。
まさかダース・ベイダーじゃないでしょうね?

答えはダース・ベイダー。
ぜんぜん歴史じゃないし、実在の人物ですらない。
映画史には載るだろうけど。
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ディスカバー・ビートルズ その7

2020年08月01日 | ビートルズ


7月26日のディスカバー・ビートルズは、「なぜビートルズは売れたのか」の考察だった。
解説はトライセラトップスの和田唱氏。

氏によるとまずは、自分たちで作詞作曲も歌も演奏も自分たちでやった新しさだという。
当時は日本の歌謡曲がそうだったように、分業制が当たり前で、今現在のバンドみたいに全部自分たちでやる人たちってすごく珍しかったという。

次に、最初のシングルがあまりパッとしない「Love Me Do」だったこと。
最初はちょっと地味なのから始まって、以降どんどんキャッチーで派手な曲がシングルとして売り出された戦略。

そしてアメリカに進出したときのテレビ番組「エド・サリバン・ショー」への出演。
このとき、硬派なジョンではなくあえてポールをフロントマンとして売り出したのも成功への道に繋がったという。
このときの選曲も、若者受けだけでなく、大人向けの「Till There Was You」なんかを取り上げてるセンスもすごい。

さらに4人のスター性。
4人が4人とも独自のキャラを持っていて、それぞれにファンがついたこと。
今のジャニーズなんかもその戦略を受け継いでいる。

そして、意外だったのは、「イエスタデイ」の存在の大きさだという。
世界一カバーされた曲として知られる名曲中の名曲だけど、60年代だけで1000人にカバーされたらしい。
これくらい存在感の大きな楽曲がある、というのは他のアーティストにはないことだ。

話は変わる。

マネージャーだったブライアン・エプスタインが、ビートルズを知ったときの伝説的なエピソードがある。

当時リバプールでレコード店をやってたエプスタインだが、ある日レイモンド・ジョーンズという若者がやってくる。
「ビートルズのレコードが欲しいのですが」
若者のいうビートルズというグループをエプスタインは知らなかった。
若い店員にビートルズを知っているか尋ねると、近くのライブハウスに出演しているという。
エプスタインはビートルズのレコードを取り寄せるよう注文し、ビートルズっていったいどんな音楽なんだ?と見に行ってみる。
そして実際にビートルズのライブを体験し、ものすごい衝撃を受ける。
音楽の良し悪しや売れる売れないに天才的な判断力をもつエプスタインは、まだダイヤの原石みたいなビートルズとマネージャー契約を結ぶ。

この伝説的エピソードは、エプスタインの自伝に書かれている。
これを読んだ読者は、レイモンド・ジョーンズがエプスタインとビートルズのキューピットだったんだなと理解する。
それならレイモンド・ジョーンズ本人にそのときのことを尋ねようと、マスコミが動き出すのだが、それが一向にレイモンド・ジョーンズが見つからないのである。
さらに、エプスタインはもっと早くからビートルズを知っていたはずだという。
というのも、リバプールのバンドシーンの専門誌「マージーピート」では頻繁にビートルズが取り上げられているのだが、その雑誌にエプスタインは音楽コラムを書いているのである。
そのうち、レイモンド・ジョーンズって本当にそんな人いたの?という話になってくる。
やがてエプスタインは若くして亡くなり、レイモンド・ジョーンズはエプスタインが話を盛るためにでっち上げた架空の人物という説がまかり通るようになる。
そして、当時エプスタインの店で働いていた店員の一人が、レイモンド・ジョーンズってのは自分が作りあげた架空の人物で、そんな奴はいないんだよと証言する。
この証言により、レイモンド・ジョーンズは実在しないことが決定的になった。
それが2010年にもなって、なんとレイモンド・ジョーンズ本人がスペインの農場で発見されたのだ。
当時二十歳だったレイモンド・ジョーンズは、キャバーンクラブでビートルズのライブを見て衝撃を受け大ファンになったという。
彼はよく仕事の昼休みにキャバーンクラブのランチショーを見に行ってビートルズのライブを楽しんだという。
なかでも当時のドラマー、ピート・ベストが歌う「マッチボックス」が好みだったらしい。
そしてレイモンド・ジョーンズの兄がバンドマンで、ビートルズがハンブルグで一枚レコードを録音したらしいという情報を得て、エプスタインの店に買いに行ったという。

結局、エプスタインはおそらくビートルズの名前だけは知っていたと思われる。
地元で人気のロックンロールバンドだということも知ってはいたのだろう。
しかしすでに20代後半だったエプスタインは、ライブを見に行くことに躊躇いがあったのだろう。
そこへレイモンド・ジョーンズがレコードを探しに来たことがきっかけで、ビートルズのライブを見に行く決心がついたのだと思う。
そう考えるとレイモンド・ジョーンズの役割は大きかったと思われる。