Hさん
2012-01-09 | 日常
去年12月の初めころ、職場の後輩だったHさんから、「太鼓と民舞の演奏会があるの。わたしも出るの、観に来てくれる?」と連絡が入り、昨日、「踊りと和太鼓の集い〝絆〟 」に行ってきた。
地元の3つの和太鼓サークルと「花法師」という民舞の中村正公・多恵子さん、それと作曲家・ピアノ奏者でもある久保比呂誌さんの津軽三味線という組み合わせだった。
オープニングの中村正公さんの朗々とした「秩父音頭」につづいて、腹にドドーンと響く「秩父屋台囃子」の和太鼓。そして、豪快なバチさばきの久保比呂誌さんの津軽三味線。
休憩をはさんで福島県の相馬甚句「壁塗り甚句」、地元大阪に伝わる「地車ばやし」、花法師さんの「佐渡おけさ」の踊り、最後に全員の手拍子で舞台いっぱいの「阿波踊り」で締めくくられた。16演目、すばらしい2時間を堪能した。
太鼓、踊り、三味線・・・眠っていた日本人としての血が久しぶりに騒ぎ出した感じだ。10年ほどつづけ、3年前にやめた和太鼓。消えかかっていた俺の魂に再び火をつけられそうになった。
Hさんが和太鼓を始めたのは俺より少し後でサークルも違ったが、在職中は昼休み時間に古タイヤを叩いていっしょに練習したこともあった。センスのよかった彼女は太鼓だけでなく、笛や踊りにも挑戦してぐんぐん上達していった。
彼女、2年前に大そうな病気をした。でも元気になり、また太鼓を叩き踊れるようになった。ほんとうによかった。
そんな彼女の職場で去年年末に「事業所閉鎖」というリストラがあった。「遠いところへ異動されたら、体力的にこれ以上仕事をつづけていく自信がない」と早期退職を選んだ。
終了後、ロビーで会った。「腕あげたなー すばらしかったよ!」いったら、「よう来てくれたね。ありがとう」と彼女。
帰り際に、「これからも体に気をつけてがんばりや」と握手したときに彼女の目に光るもが。俺もぐっと堪えた。
俺のことを忘れずに声をかけてくれたHさん、ありがとう。