風・感じるままに

身の回りの出来事と生いたちを綴っています。

すんません!

2014-04-02 | 日常
昨日、サイクリングの帰り道に人気のある揚げ物店に寄った。
この店は、注文を受けてから揚げるのでちょっと待たなければならないが、その分美味しい。
先客の女性が一人、その後に私、すぐに高校生らしき若者が5人来た。
店のおばさんは、一人一人の注文を聞いて手際よく次々と揚げていく。
コロッケなど、品物によって先に揚がるものがあり、後客の方が先にできることがある。
待つこと5分、それぞれが注文した品が次々と揚がってきた。

このおばさん、出来上がった品を渡すたびに「ごめんね値上げして。今まで消費税を貰ったことがなかったのに今度は値上げして…」といっている。
店の外で待っている若者も「おーッ、上がってるやん」と喋っている。
おばさん、「お客さん、お待たせしました」と店の外いた私の方に顔を向けた。
お金を払おうとしたら、また、先の客と同じように「値上げしてすんません。今までは消費税が上がっても上げないでやってきたんですが…」というのです。
私が「消費税が上がって大変ですね」というと、「すんません、お金の勘定ができないんです。値上げで中途半端な値段になって」といいながら、「これ見てやってますねん」と、後ろの壁に貼ってある縦1㍍、横2㍍ほどの大きな値段表を指さした。
「今までは全部の値段は覚えていたんやが、今日からは、これでカンニングしなかったらわかりませんねん」と笑いながら言った。

この店、揚げ物専門だが、揚げ物に添える野菜サラダなども売っているので品数が多いのです。
改定した値段表を見ると、どれも中途半端の値段ばかりがずらーと並んでいます。
これでは、長年商売していてお金を扱っているおばさんでも、「パニックになるんですわ」は仕方がないこと。
「おおきに。がんばってください」と帰ろうとしたら、また、次の客にも「すんません、値上げして…」といっている。
消費税の引き上げは、今日から何日もの間、このおばさんに「すんません」を言わせつづけることになるのだ。