山麓の草原で、いやに遅いキュウリグサがあると思ったのだけど、どうやら一人ぼっちのワスレナグサのようである。
結構やせているので、分からなかった。
ワスレナグサはもちろん元々花壇に植えられていた園芸種なのだが、少し涼しいところでは、小河川の河原に群生しているのを見ることがある。一面の水色で、きれいといえばきれいなのだが、外来種が繁茂しているという目でどうしても見てしまうので、微妙な感情になる。
この株をキュウリグサだと思ったのは、ワスレナグサにしてはやせているし、群れになっていなかったし、水辺ではなかったからだ。野生化しているものはたいてい水辺にあるからだ。
ただ、キュウリグサにしては花の周りがちょっと赤みがかっているし、毛深い感じがする。なので、ワスレナグサということにした。
植物の同定は本当に難しい。どんなに見ても分からないものがある。自然の中には結構雑種があるものだし、大体見たら自分の知っているものに当てはめて決めてしまうのだが、まだまだ思いがけず自分の知らない種もあるし、もしかすると種として認定されてないもの(つまり新種)もあるかもしれないのだ。なので、どんな専門家であっても100%正しいということはないし、専門家であればあるほど、正しくない可能性を考えるものだ。