山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

梅雨前線がなくなった

2021-07-16 | めぐる季節と自然

今日は降水予想10%だけど、どんよりしていつ降り出してもおかしくない空模様。ほっとする。毎日ドキドキしながら天気予報サイトを開いて見ている。明日は晴れだが当分雨が降りやすいようだ。しかし、天気図を見たら、昨日から前線がなくなっていた。やはりもはや梅雨ではないのだろうか。

曇りやしとしと雨の日にホトトギスが鳴くのは本当にうれしいものだ。それにヒグラシが混じるとなお嬉しい。ホトトギスとヒグラシの鳴かないところで暮らしたくない。ホトトギスは南の国から渡ってくるらしいのだが、南の国でその声を聞いたことはない。もしや南の国にいるときは繁殖期ではなく鳴く必要がないのだろうか。鳥のことはよく分からない。


◆梅雨明けの恐怖&ムラサキツメクサをガーデンに取り入れれば

2021-07-15 | 植物

ムラサキツメクサ 7月上旬 岐阜県

朝目が覚めたら青空が広がっていた。

恐怖。もしや、早々に梅雨明けしてしまったか? 天気予報では週末晴れるものの来週は結構雨マークが続いているのだが、もし梅雨前線が早く引き上げることにしたら、明けてしまうと覚悟していたのである。

できればこのまま明けない梅雨であってほしい。明けない夜はないし終わらない冬もない(と思う)が、明けない梅雨というのは私の体験上1回だけあった。もう30年ぐらい前のことだ。梅雨が明けないままお盆休みに突入し、8日間ほど海外旅行に行って帰ってきたらまだ梅雨だった。それはそのまま秋雨前線と名前を変えた。だからそういう可能性もないわけではないのだ。

梅雨が明けなければ稲がうまく育たず凶作になって野菜は値上がりし困ったことになることは分かっている。また、雨降りすぎで大変な災害になっている地方もあり被災された方々を思うと心が痛む。なので梅雨は明けた方がいい。けど、体感としては酷暑がつらい。夏の強烈な暑さは本当に恐ろしい。暑さで被災する人もある。ちなみに寒さもつらいのであるが、暖房すればまだ何とかなる気がする。夏を涼しくするには梅雨を続けるしかない。しかし、標高千メートルぐらいの高原とか北海道とか沖縄に移住するという手がまだ残されている。このごろ夏が一番涼しいのは沖縄地方である。海に囲まれていると涼しいのだと思う。

幸い10時ぐらいになったら曇ってきた。何とか今日はまだ梅雨であるらしい。ひょっとすると今日が梅雨最後の日になるかもしれないので、このしっとり感を満喫したい。

 

梅雨時の花々はみんなやさしい色をしている。木の花はほとんどすべて白なのだが、草花は、白いドクダミ、薄赤紫のヤマホタルブクロ、薄ーい黄色のキバナノヤマオダマキ、ちょっと遅れてギボウシなど。そして、ムラサキツメクサ。

ムサラキツメクサはシロツメクサに対して薄紫なのでこの名になったと思われる。どっちかというと桃色ツメクサぐらいにしてほしかった。シロツメクサに似ているかというと、確かに花の形は似ている。葉の形も似ているな。けど、姿はかなり違う。シロツメクサが地面を這いつくばってグランドカバー状になるのに対して、ムラサキツメクサは立ち上がって咲く、普通に姿の良い(!)草花である。草丈は30㎝から大きいものでは60~70㎝になるだろう。何より切り花にもできる。上手にアレンジして生けたら素敵だ。咲き出す時期はシロツメクサ3月頃に対してムラサキツメクサはせいぜい5月、大体6月で、6~7月が最盛期。8月にも咲いていると思う。田んぼの土手や畑の横の道端にやさしいピンク色の花を咲かせている。紫とはちょっと言い難い。

立ち姿が結構端正で色がやさしくよく咲くので、花壇にはぴったりだと思うが、なぜか道端に生えてる草は花壇用として植えられないのである。種苗店が品種改良して売り出したポット苗をホームセンターで買うのが多くのガーデナーの楽しみなのでそういうことになるのだろう。種苗店のカタログでもこの花を見たことがある。それは鑑賞用でもあるが、牧草というか、土を肥やすための緑肥としての扱いであることもある。都会に住んでいたら道端でこの花を見つけようとしても困難だろう。だから、園芸店が売り出さない限りは花壇に植えることはできない。

さて、話を戻すと、この時期の花壇の花は、オミナエシ、キキョウ、オカトラノオ(注)、ノカンゾウ、ギボウシ、アガパンサス、アジサイ、最近咲き出したミソハギなどであるから、その合間や片隅にこの花が群れ咲いていたりしたらとてもきれいだと思う。上に挙げた花は私の趣味であって、普通のガーデナーはもっと違う花を植えているかもしれない。色鮮やかなバーベナとかなんとか(何にも花を思いつかない……)。そういうのじゃなくて、色の優しい花群の一員として、このムラサキツメクサを加えたらとてもいいと思うのだ。さらに、日本では聞かないが、原産地の方では薬用にされているようである。

田舎の道端のムラサキツメクサ

ただし、道端に生えているのを見ると、灰色カビ病にかかっているらしいのがたくさんある。梅雨に咲くけれど、意外と湿気に弱いかもしれない。ヨーロッパの方が原産らしく、日本よりは乾燥したところで育ちやすいのかもしれない。また、分布域ということでは、シロツメクサに比べると少し涼しいところで多く見ることが多い。

(注)オカトラノオというのは、日本では野草で、庭に植える人はほとんど見ないが、北米では日本から輸入した園芸種としてガーデニングに大人気だと聞く。

 

雨が激しくなってきた。


◆ヤブカンゾウは一旦刈って丈を低くするとかわいい

2021-07-14 | 植物

ヤブカンゾウはこんなに咲くものだったかと驚いている。去年までの散歩道はヤブカンゾウではなくカンゾウ(ノカンゾウとも言う)が多く咲くエリアだったのだが、今年歩いているところはヤブカンゾウだらけ。次から次へと咲いてきている。昨日行ったオンラインカフェでも、岡山でも長野県伊那地方でもヤブカンゾウがたくさん咲いているという話が出た。

正直、ノカンゾウの方が優し気でちょっと好きだったのだけど、ヤブカンゾウは花が八重なだけあってよく目立ち、群れ咲いているとそれは見事な景色になり、これも悪くないなと見直した。

ちょうど半月前の去年、佐渡でトビシマカンゾウの群生を見たことが思い出される。

トビシマカンゾウとアサツキの花畑

 

ヤブカンゾウは田んぼの畦や道端のいたるところに生えているので、雑草として容赦なく草刈りされる。3月末頃に、ほかの草に先駆けて生えてくるので、放置すればすごく伸びてしまうから、当然刈られるわけだ。そういう草刈りをする時期は、1回目は大体4月末、2回目は6月初めである場合が多い。1回目は田植え前に田んぼのまわりをきれいにしておこうということであり、2回目は6月第1週あたりである。6月第2日曜日に市内一斉清掃があるのでたいていはその前に刈っておいて胸を張って一斉清掃の草刈り日を迎えたいのである(田舎あるある)。

ヤブカンゾウを放置、または大切に育てると、下の写真のようになる。

アガパンサスの向こうに咲いている。とても立派でカンナ並みのインパクト。1本の花茎に花がいくつもついている。おそらく10個ぐらいはある。そして次々咲いてくる。そして葉も見事に茂っている。まあ、これはこれで良しとするとして。

下は農村地帯の草原のヤブカンゾウ。

花は少ないが、楚々としている。刈られるからこそのかわいい山里風景である。

 

こういう多年草の場合、地上部を刈ると、それからまた葉を伸ばして花を咲かせるに当たって、地下に蓄えた養分を消費するので、そのたびに根がやせる。十分に葉を伸ばすと今度は葉が光合成をしてまた養分を根に蓄える。花壇で大切に育てている(わが庭の)ヤブカンゾウは、刈ったりしないので株は1年で相当大きくなり、今では密密に生い茂っている。なので、庭じゅうをヤブカンゾウにしたいのでなければ、刈って根が肥大し過ぎないようにした方が、バランスが保てる。それに、花の丈が高くなりすぎなくて、かわいい感じに咲かせることができる。まあ高くするか低くするかは花壇のデザインに合わせればいいことであるけど。少なくとも、地上部を刈ることを恐れる必要はないということだ。

 

動画で紹介しています。霧の中に咲く光景もとてもきれいです。

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梅雨の山里賛歌*ヤブカンゾウが霧の中に咲き乱れてる

#Hemerocallis #wild flower #countryside ヤブカンゾウ  ワスレグサ科 花は一日花ですが次々に咲きます...

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◆薬草オトギリソウの仲間は多数ある マムシ酒に入れると

2021-07-13 | 植物利用

サワオトギリ 2021年7月中旬 岐阜県の山地帯

用水のふちにたくさんサワオトギリが咲いてきた。今、野山は春~初夏の花から、夏~秋の花へと、ちょうど切り替え時期にあり、これからの時期を最盛期とする花がどんどん咲き出している。春~初夏の花は暖かい地方から順に咲いてくるのだが、夏~秋の花は涼しい地方から先に咲き出し暖かい地方の方が遅くなるのが面白いところだ。夏至あたりを境に守備する植物がチェンジするのだろうか。

オトギリソウの仲間は葉が水をはじくのが顕著で、このサワオトギリだけでなく普通のオトギリソウも葉の上にコロコロと水滴を載せているのをよく見る。サワオトギリのほかに、オトギリソウ、コケオトギリ、シナノオトギリなどいろいろある。

この写真はサワオトギリだと思う。葉を取ってルーペで見たりして確かめたわけではないが。見た目ではサワオトギリである。オトギリソウの仲間は地域変種が多くて見分けが難しい。が、サワオトギリの地域変種の話は聞いたことがない。見分けの難しさについてはいつか書こうと思う。

オトギリソウ(サワオトギリではない)は日本でも西洋でも薬草として有名で、それはググればたくさん出てくるのでここには多くは書かないが、さまざまな薬効を持っているらしい。誰も書いていなさそうなことをここに書くと(以前にも記事にしたが)、マムシ酒に1本入れるとマムシの臭さが消えるらしい。これは、故村上光太郎先生という薬草の大家がおっしゃっていた。村上先生は全て自分で試しておっしゃっておられる。自分で確認したことだけを口にするという、研究者の鏡である。ほかの記事の寄せ集め・パクリばかりで自分で確認したことは何一つ書いてない最近の多くの(あえて言えばほとんどの)ネット上のまとめサイトとはえらい違いである。ネット上にある「〇〇図鑑」的なサイトや「〇〇おすすめ7選」などのほぼ全てといっていいぐらいのものが実は寄せ集めまとめサイトであり、「~だそうだ」という伝聞体も用いず断定的で、引用元も記しておらず、そのため多くのデタラメがあり、ゆえに書いているのは植物のことなどこれまで全然勉強してないライターであると推定され、これらの目に余る行いについてはいずれ記事にしたいと思っている(今してるな)。私もそういったおすすめ記事をいつか書いてみんなに読んでもらいたいが、自分の体験で知ってるものや、あるいは本で読んだり誰かに聞いたとしてもしっかり自分の中に落ちて消化しているものに自分の意見を加えて書きたいものだ。それでなければ書く意味がない。

と、苦々しさのあまり話が暴走した。もうネット上は無法地帯であり、パクリはデフォルトで行われて悪いとはされていない世界なのだ。これを悪いと思うのは老人なのだろう多分。(話が終わらないくどい老人……)

 

で、オトギリソウが薬草であればサワオトギリも薬草かというと、今手元に薬草図鑑がないのでよく分からない。それこそ自分で服用して体験してみれば分かるというものだ……けど。西洋にはセイヨウオトギリソウというのがあり、これはセントジョーンズワートというハーブとして日本でもよく売られている。京都大原のベニシアさんが大好きなハーブだ。しかしこのセントジョーンズワートは西洋では毒草として扱われるという。毒も薬も表裏一体で、多くの人にいい効果があるものも、人によっては悪い影響が出る。食養生とか健康法とかの流行りのものをむやみに真似しない方がいい。やるときはほんの少し試してみて、良かったら量を増やすことである。

話を戻すと、種が近縁であれば効果は全部同じかというと、そうでもない場合もよくあるので、注意しないといけない。

で、以上の話をまとめると、沢に咲くサワオトギリが水滴を載せてきれいだったということでした。

 

動画で紹介しています

OGPイメージ

水の流れる音が心地よい&サワオトギリの花 水滴がきれい

#wild flower #countryside #sound of stream #Hypericum 撮影 Japan 中部地方太...

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◆紫陽花の両性花の淡い色合いがきれいなこと

2021-07-12 | 植物

額紫陽花(がくあじさい)は回りの装飾花がゴージャスなのでそちらばかり見てしまい、真ん中は添え物みたいな感じで認識してしまうが、よく見ると真ん中の部分もとてもきれいなのである。これはおしべとめしべがある両性花であるが、ときどき両性でないものがあるらしい。

これだけ豪華だと装飾花がなくても十分鑑賞に耐える。そもそも元々装飾花がないのがコアジサイで、それも本当にきれいなものだ。

こちらのお宅は何本かアジサイを植えている。よその家のアジサイを見て回るのも楽しいものである。

 

◆コアジサイ 動画 https://youtu.be/oIafgIke-v8

 


◆キュウリグサはまだ咲いているけどワスレナグサとは違う

2021-07-11 | 植物

キュウリグサ Trigonotis pedunculares ムラサキ科

先日の記事→自然の中に逸出したワスレナグサをキュウリグサと見間違ったこと - 山里ひぐらしの小径

太ったキュウリグサかもと思ってしまったのだが、見比べると全然違う。家の前にちゃんと咲いていた。この様子では、どれだけ太ってもワスレナグサのようにはならない。すごくほっそりしているし、花をつけた茎のところに毛が全くなく、色も赤みがなく、黄色みが強い。ワスレナグサとキュウリグサは属からして違う。

やはりキュウリグサは見たら絶対キュウリグサと分かるものなのだと思う。

とにかくかわいい花だ。

しかし、4月に咲くこの花がこの時期(7月初め)にまだ咲いていたのは驚きだ。キュウリのにおいがすると言うが、そんなにおいを感じたことはない。

 

 


◆株分けしたアガパンサスが咲きそろう

2021-07-10 | 植物

昨年株分けして植え替えたアガパンサスが咲いてきた。薄紫色が本当にきれい。梅雨空によく似合う。こういう淡い色は直射日光には映えないと思う。その向こうにあるのはヤブカンゾウで、これも小さな株を1株植えただけなのに増えて増えて仕方ない。オレンジと水色は補色でなかなか良い。

アガパンサスの前々回の株分けは前回のさらに2、3年前だが、その2、3年の間に根がすごく大きくなっていて、1株から6、7株に分けることができた。根がきつく絡み合っているので、水で土を流しながら、刃物なども使って分けた気がする。

アガパンサスは比較的水気を好むと思う。というか、乾燥にはあまり耐えないだろう。日陰が好きというわけではないと思うが、半日陰でも良い。植物は基本的には日が当たる方が望ましいのだが(光合成をするため)、日当たりが良いと土が乾燥するために、水を多く必要とするものはおのずと半日陰に逃げ込むことになる。

もちろん植物に「好き」とか「嫌い」とかいう感情はなく、「そういう条件下で生きやすい」というのがあるだけだ。

アガパンサスは比較的暖地を好むのか、屋久島では大量に植えられて元気に咲き誇っていた。

屋久島のアガパンサス

公園的なところの植栽に多く使われていた。アガパンサスと同様にアジサイもとても多くて、屋久島、口永良部島、種子島というあのあたり一帯の島ではいたるところに多種多様なアジサイが植えられていた。アジサイは和風なイメージがあるが、東南アジアでも結構庭木として栽培されていたりする。

 

長い間アガパンサスはネギの仲間だと決めつけていたのだが、違っていて、ヒガンバナ科だった。確かに葉はナツズイセンなどとよく似ているし、花も結構違う。大きなポンポンした球状になるアリウム・ギガンチウムと混同していたのだった。


◆グラジオラスは必ず倒れるので切り花用と割り切る

2021-07-09 | 植物

毎年この時期にグラジオラスを切っては写真に撮っている。私の買ったグラジオラスは、なぜか紫の方が白よりも10日ぐらい遅れて咲き出す。

グラジオラスはいろいろな花色のものが作られていてとてもきれいだ。種苗会社のカタログを見ているだけで楽しくなるが、楽しくなるだけでなく買いたくなる。そういうわけでおそらく10年以上前に大和農園で買った「紫と白の混合」、球根が15ぐらいずつ入っていたと思う。

今では花が少し小さくなった気がするが、とにかくものすごく見事に毎年咲く。グラジオラスは連作できず放っておくと減ることになっているのだが、私が買ったものは、3、4年放置しても減る気配はない。それでも2回植え替えている。

球根を植えっぱなしにした場合、咲くのはこの時期、つまり梅雨も後半に入った頃だ。どこの畑でもそうだ。この時期に電車に乗って車窓を眺めていると、あちこちの畑の隅でグラジオラスが咲き誇っているのが見られる。

しかしながら、こうして自然な時期に芽を出して咲いた全てのグラジオラスは、花が梅雨の雨を含んで必ず倒れる宿命にある。品種改良により花が大きく豪華になったために倒れることになってしまったのだ。

本当の自然の花であればこのような倒れ方をするのは植物として不自然なので、原産地を調べてみたら、アフリカだった。そして、原種は当然のことながらもっとほっそりした花なので、茎が花を支えられなくなることはなさそうだった。おそらくアフリカの、日本の梅雨よりは乾燥した気候で咲くものだろうと思う(勝手な推察)。花が小さくてさらに雨を含まなければ倒れなくて済むということだ。

グラジオラスはアヤメ科の花で、花はアヤメとは似ても似つかない気がするが、葉を見ると確かにアヤメらしさがある。日本ではアヤメ、カキツバタ、花菖蒲が有名だが、カキツバタと花菖蒲は水辺に生えるが、アヤメはわりと乾燥した草原に生えるものだ。グラジオラスもそんな花のような気がする。ちなみにこの時期に咲き誇っているアヤメ科の花にニワゼキショウという外来種がある。

で、必ず倒れるグラジオラスにどう対処するかと言えば、これはもう切り花として楽しむしかないのである。畑の片隅に植えてその光景を楽しみたいのはやまやまなのだが、倒れている光景はなかなか100%楽しめない。脳内で、倒れている花を立てて、倒れてない光景に修正して楽しもうと試みるが、少々脳にストレスがかかっているのを感じる。

なお、かつては庭の花壇にグラジオラスを植えていたのだが、花後に葉がどんどん大きくなって生い茂り、花壇が草むらみたいになってしまうので(実はそうでなくても草むらだけど)、花壇には植えないことにしている。

 

一つだけグラジオラスを倒さない方法として試す価値があるのは、花期をずらすことだ。グラジオラスは球根植え付けから3カ月ごに咲くそうである。3月頃から植えることができて、熱心な園芸家であれば、6月頃まで時期を少しずつずらして植えるのである。7月末から8月頃に咲くようにすれば、梅雨に咲くよりは雨を避けられる。ただ、夕立に会うとひどいことになることも考えられるが。雨の降らない時期に咲けば、少しは倒れないで済むかもしれない。それでも頭が重いのは同じなので倒れるものもあるかもしれない。


菜園のデザイン 意図しない美をつくる人

2021-07-08 | 山里

夕方の散歩でよく通りがかるところ。この畑の美しさについ見入ってしまう。ここからは遠くの山や、その山腹にある里や、その山のさらに向こうの山や、その山の向こうに日が沈んで夕焼けになる様子や、山あいから湧き出る雲が見られて、それだけでもきれいなのに、この畑ときたら見事に隙間なく整然と野菜が植えられている。

そして通りかかるときにはほぼ毎回腰の曲がったおばあさんがもくもくと仕事をしている。この画像にも向こうの方に写っている。今どきのような天気の悪いときも、ポツリポツリとした雨ぐらいなら、やはり仕事をしている。常に動いているということが身に沁みついているのだろう。あるときは土手の草を刈っているし、あるときは野菜の手入れをしている。おそらくはその人がこの畑の主(主催者)だろうと思う。畝ぐらいは息子さんが耕耘機を使って立てているかもしれないが。

しかしこの畑にはよく見るとハウス的なものは全くない。こういう農家の菜園でトマトを作る人なら、通常はまず間違いなく上にビニールの弓型の屋根をかけているもので、そういったものは息子さんが作ってくれたりして、そこでおばあちゃんがのびのびと菜園をしていることが多いが、ここにはない。

この右手の方には少しの果樹とミョウガがある。

手前の半分は大豆だが、かなり大量にある。味噌なども手造りなのだろうか。

私が通って写真を撮っていてもほとんど気づかれることがないけれど、そのうち気づかれて話をする仲になったら聞いてみたい。

 

動画あります

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山麓夕散歩 夏至の前日、野の花咲く道をたそがれて歩いていたらカラスが帰れと

あぜ道には花、田んぼにはカエル、山にはカラス、空には夕焼け雲 #sound of frogs in ricefields #countrys...

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伊豆山の土石流の現場を等高線地図で見てみた リニアの残土の行方は

2021-07-07 | なんとなく報告

小説「細雪」の中では「山津波」という言葉で土砂災害が描かれている。山津波とはどのようなものだろうとずっと思っていたのだが、今回の伊豆山の土石流を映像で見て、まさにこういうものなのかと思った。

細雪での災害は昭和13年7月3日から5日に起きた阪神大水害を指しているとのこと(Wikipediaによる)。まさに、今回の伊豆山の災害と同じ日である。六甲山の方から勢いよく水や土砂が下の街に流れ込んだもので、盛り土が崩れたわけではなさそうではある。

今回は、土砂災害で多くの方が被災され、また亡くなったということがまず大変に悲しむべきことなのだが、それに加えて、山奥に大量の土を捨てて放置しているという、おそらく全国各地でそこそこ行われていそうな事案が大問題となって発覚したものであり、日本に激震が走っている感じが私にはしている。

昨日時点のテレビ局発信のニュースで、かなりいろいろなことが分かってきた。

まず、現時点(昨日7月6日19時)で避難している人が562名もいる(熱海市ホームページによる)。

問題の土石流基点に投棄された土は、現場の近く(例えば隣の別荘地とか)を切土して出たものではなく、どこか外の地域から運び込まれたもの。土の中にはかなりの産業廃棄物(タイヤや木の根やさまざまなもの)が混じっていた。運び込まれた時期は2007年からである。(TBSによる)

土を持ってきた業者は、2007年に(おそらく市に)「開発」の届出をしている(ANN)。

おそらく2007年から1、2年でここの土が投棄されたのだと思う。ニュースでは盛り土と言っているが、私の感覚では、盛り土というのは住宅を建てたりするために地面に土を盛って整地するというイメージである。このように目的もなく単に土を置いているのは、確かに表面が平らに整地されてはいるが、残土捨て場と言った方がいいのではないだろうか。そこを別荘地にする予定だったという情報もあるがガセネタかもしれない。

2007年からの投棄土に産廃が混じっていたので、市と県が注意したそうだが、禁止したり罰を与えたりしたわけではなく、そのまま放置された(TBS)。なお、現熱海市長は2006年に市長に就任、現在に至る(熱海市ホームページによる)。

2011年にこの土地は別の人に売られた(現在の土地所有者)。それ以降投棄されていない(ANN)。

ちなみに売られたのはこの辺り40万坪で、約1.32平方km、132㏊(132町歩)という広大な面積である。

 

ニュースの現場のインタビューにはなぜか熱海市長ではなく川勝知事ばかり出てくる。熱海市長の記者会見の様子はちらりと見た。川勝知事は、盛土が流出したため土石流が起こったと(憤懣やるかたない感じで)述べておられるが、県の見解としては「現段階では盛り土に不適正な点はなく、危険な状態だったという認識はない」とのことである(ANN)。

まあ、危険という認識はなかったとしても、安全という認識もなかったんだろう。

問題の投棄した業者の会社は今はなく、別の会社を作って同じような業務(?)をしているらしい。土地所有の問題にしても、いろいろあやしさが漂う。

土地を1000㎡以上など大規模に開発する場合は県への申請や届出(どっちだったかうろ覚え)が必要になると思うが、土砂を投棄することについては県・市町村の条例に基づくもので一定の基準がないらしい。今回、「開発の届出」はされているけど、土砂投棄は野放しだった可能性を感じる。市が注意したのは産廃の不法投棄であることは分かるが、土砂自体を不法投棄として扱って注意したかどうかは今は分からない。

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2021年7月8日追記

盛り土は「林地開発計画なんとか」というもので届出されていたが、届出よりもはるかに多い量が盛られていたとのこと(TV局のニュースで難波副知事が話していた)。

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下の図は、国土地理院の地図に、ニュース報道の地図や空撮を参考に線を入れたもの。(一番上の図と同じものを再掲)

地理院地図に加筆

濃いピンクで囲んだのが土を捨てていた場所。水色が土石流が流れたところ。黄緑色は、山の尾根の木を切って「はげ山」状態にしてソーラーパネルを設置しているところ。

 

Googleマップ

 

現地の隣に本宮社といういい感じのお宮さんがある。Googleマップでこれにリンクしてストリートビューを見ると、このお宮の向こうに谷があるのが分かる。以下の2枚のお宮の写真、Googleマップからリンク&転載(クリックできます)。

本宮社 · 〒413-0002 静岡県熱海市

★★★★☆ · 神社

本宮社 · 〒413-0002 静岡県熱海市

お宮の敷地から見た風景。この向こう側の右手の方におそらく残土が投棄されている。ここから土が流れ下ったもよう。

それから、土捨て場の上にある別荘地(神社マークのあるところ)は、別の川の最上流にあって、そこの谷間を切り盛りして造成しているのがちょっと気になる。

 

本題はここからなのだが、リニア建設にあたり大量の残土が出る。リニアの路線の大部分がトンネルだからだ。その残土をどこに投棄するのかという問題がある。南アルプスの最奥の大井川源流部でも残土処理をしなければならず、自然保護の観点でいろいろ難題があるだろうし、それらを含め今静岡県も検討しているわけだ。では、それ以外の地域ではどうかというと、意外にもこの残土がひっぱりだこだったりして、その土で造成地をつくって何かしたいために、「おらが地域に残土を」と誘致したいという声をしばしば聞くのである。

けれど今回このようなことがあると、残土をそう簡単には盛れないということに当然なる。国交大臣も「全国の盛り土の点検をしたい」と記者に述べており、今までみたいな地方行政任せではなく国で規制を強めるだろうし、そうでなければならないと思う。

そもそも、土を捨てるにあたって、山の上に盛り上げて捨てようなどという発想はあるわけなくて、やはり凹んだところに捨てたくなるのが人情だろう。けれど今回のようなことが起こることが分かったので、山の谷間には捨てられなくなり、じゃあ平野部の平らなところに盛ればということになるが、平野部には家が建っている。どこに盛ったとしても盛れば崩れるので、そこを崩れないように排水して工事するのが日本の土木技術なんだろうけど、完璧なんかなさそうだしお金もかかるだろう。でもそこをやるのが日本?

大量のリニア残土は一体どこにどのように片づけられるのだろうか。


ハルジオンの花畑

2021-07-05 | 植物

6月27日に再びさいていたことを発見したハルジオン。

ハルジオンはまだ咲いていた ヒメジョオンとの違いvol.2 - 山里ひぐらしの小径

すっかり大きくなって、今を盛りと咲き誇っていた。

原産地は北米とのこと。ターシャの家の周りの野原にも確か咲いていた映像を見た(ヒメジョオンだったかも)。

どうしても雑草という目で見てしまうが、原産地だときれいな花畑だと素直に感じるのだろう。ここでもそれなりにきれいである。

 

 

風に揺れるハルジオンの花畑を動画で紹介しています。https://youtu.be/e6dRqeiigmA


草の葉に付く水滴&蒸し暑くなりそう

2021-07-05 | 植物

7月14日の予想最高気温34度、雨ときどき曇り。

その日だけでなく前後も雨で33度とか30度とかが続いている。

梅雨が明けて天気予報に赤い晴れマークがギラギラつくのが恐怖なので

それよりはずっといいけど、どれだけ蒸し暑いんだろうと思う。

 

パラパラした雨だったけど散歩に出かける。今朝はなぜかだるかったので、いつもよりゆっくり長くだらだら歩く。調子のいいときにはさっさと散歩を済ませて仕事にかかりたいと思うのだけど、ただただだらだらしたい気分であった。

光もなく写真を撮っても冴えないけれど、こんな日でもふと見れば美しいものや嬉しくなるものがあるもので、いろいろ見ているうちについ夢中になってしまう。

上の写真は、アケビの葉につく水滴。葉に載っているのは雨しずくだと思うけれど、葉のへりに少しついているのはおそらく植物が排出した水だろうと思う。

こちらはチガヤか何かの葉の水滴。これもよく見ると葉のへりに小さな水滴が並んでいるのが分かる。

 


6月の田んぼは地球に貼り付いた鏡

2021-07-03 | 山里

水面は鏡面になって空を写す。田植え後の3週間ぐらいは、日本中の田んぼが鏡となって日本上空の空を写していることになる。

田んぼはほかのアジアやオーストラリアやアフリカやヨーロッパにもあるが、田植え時期は日本とずれているので、とりあえず日本だけのことを考えておく。

 

夕暮れの空が青から赤に染まり、そこにふわりとした雲が浮かぶ。そんな様子も田んぼは移す。

そして、田んぼだけではなく、ビニールシートも鏡になっていることに、今まで気づかずにいた。

黒いビニールシートが夕映えに染まっている。

山あいに沈む村が空の色を拾っている。

夏至の前の日、7時半近くなってもまだ光がある。家々には灯りがともる。一年で一番日が長いこの頃、恐らく遅くまで畑仕事をして、今頃ほっとしてテレビ見ながら晩御飯食べてるだろうか……。

 

動画で紹介しています→https://youtu.be/wne-ZgF6XAU

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山麓夕散歩 夏至の前日、ウツボグサ咲く道をたそがれて歩いていたらカラスが帰れと

夏至の前の日、あぜ道には花、田んぼにはカエル、山にはカラス、空には夕焼け雲 #ウツボグサ  #畑 #山里 #夕焼け 撮影地 Japan ...

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自然の中に逸出したワスレナグサをキュウリグサと見間違ったこと

2021-07-02 | 植物

山麓の草原で、いやに遅いキュウリグサがあると思ったのだけど、どうやら一人ぼっちのワスレナグサのようである。

結構やせているので、分からなかった。

ワスレナグサはもちろん元々花壇に植えられていた園芸種なのだが、少し涼しいところでは、小河川の河原に群生しているのを見ることがある。一面の水色で、きれいといえばきれいなのだが、外来種が繁茂しているという目でどうしても見てしまうので、微妙な感情になる。

この株をキュウリグサだと思ったのは、ワスレナグサにしてはやせているし、群れになっていなかったし、水辺ではなかったからだ。野生化しているものはたいてい水辺にあるからだ。

ただ、キュウリグサにしては花の周りがちょっと赤みがかっているし、毛深い感じがする。なので、ワスレナグサということにした。

 

植物の同定は本当に難しい。どんなに見ても分からないものがある。自然の中には結構雑種があるものだし、大体見たら自分の知っているものに当てはめて決めてしまうのだが、まだまだ思いがけず自分の知らない種もあるし、もしかすると種として認定されてないもの(つまり新種)もあるかもしれないのだ。なので、どんな専門家であっても100%正しいということはないし、専門家であればあるほど、正しくない可能性を考えるものだ。


グランドカバーになる紫のウツボグサ 育て方は簡単

2021-07-01 | 植物

ウツボグサ Prunella vulgaris subsp.asiatica ウツボグサ属 シソ科

今、山麓の道にはウツボグサがいっぱい。田んぼの横の道にも、山道のきわにも。

林へ続く道の入り口に咲くウツボグサ。光のあるところで咲いているのが分かる

北龍館の野草大図鑑には、「山地や農道で普通に見られる」とあるが、市街地に近いような農道では見られないので、この花を見ると「山里に来た」感があり嬉しくなる。

田んぼの横のウツボグサ。混じってドライフラワー状になっているのはハルガヤ。

この花については過去に何度か記事にしている。 過去記事→ウツボグサ咲き、ホトトギス騒ぐ 

うちの庭に数年前に1株だけ植えたものもあっという間に広がった。それまで密生していたジシバリはなくなってしまった。ウツボグサに対抗しているのはシロツメクサだけである。もしかすると対抗しているのではなく仲良くしている可能性がある。

紫の花ばかりになっちゃっている庭。左半分がウツボグサ

庭の片隅。こういう石垣の陰なんかに似合う

この草は、花の時期には花が20~30㎝に立ち上がるしそれを踏みたくはないので歩くのにはそれなりに邪魔なのだが、花後に花を刈り取ると、葉は地面に這いつくばって決して邪魔にはならないので、グランドカバーにぴったりである。ほかの草をなくしてしまう効果もある。これがどうしてガーデニングにもっと多用されないか不思議だ。

たった1株を放置していただけでどんどん広がった。「育てる」までもない。地上の送出枝(ランナー)(茎みたいなもの)で四方八方に伸び、おそらく種でも増えているっぽく、手入れ不要である。そして邪魔にならない。ミントやドクダミのように地下茎で伸びていくわけではないので、手に負えなくなることはない。

ただ、簡単に増えたとはいっても、うちの庭の環境が適していたからというのもあるだろう。比較的湿った場所によく生えている。カンカン照りの乾いた土むきだしの場所で見ることはない。日当たりの良いところであっても、畑のあぜ道のような、ほかの草が生えているところに混じって生えるものである。

 

動画で紹介しています 

1 https://youtu.be/wne-ZgF6XAU 山麓夕散歩 0分12秒から

2 山麓夕散歩 5分35秒から

OGPイメージ

山麓夕散歩 いろいろな形の葉が織りなす風景を愛でて徘徊する変人

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