熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。送料込み5000円。
残部僅少、注文受付中。

目次

作品 文章 写真 販売品

半月盆

2012-05-06 05:18:47 | 写真
5月6日(日)、晴れ。

昨日は晴れているのに強風。
近畿各府県に竜巻警報。
おかしな天気です。
とは言え、季節通り間もなく菖蒲が咲きはじめます。

残っていた「古水無瀬」も盛上げが一段落.
頼まれていた趣味の鎌倉彫お盆に漆を塗り始めました。
その半月盆5枚とと長手盆が1枚。
漆の前に、先ずは入念にペーパーがけ。

漆塗りにはこの研磨が大切。
これを手抜きすると綺麗に仕上がりません。
本来は彫る人がやらなければいけませんが、足らざるは塗る者としての立場でもあります。
重点は廻りのカーブと裏側、それに彫っていない平らなところ。

彫った絵の部分は触らないのがポイント。
普通の鎌倉彫は「朱」一色が普通なのですが、塗りは小生に一任。
どんなお盆になるかです。
まあ、出来上がってみないと分かりません。
何回も塗り重ねる中で、考えることにします。

研磨が終わって、下地塗り。
裏表は3回に分けて乾かしながら塗ることにします。

写真は、今日の工程。
下地漆は普通、「生漆」のところを、少し朱を混ぜてみました。
本当は意実の無いことです。
しかし、色の組み合わせをどうするか、この段階から考えるためです。
まだまだ先が永いですネ。





明日は午後から3人のお客様。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

極小駒書き

2012-05-05 05:23:41 | 写真
5月5日(土)、快晴。

「立夏」。
澄み切った空。
黄砂もありません。
今年の大型連休もあと1日。
明日限りです。

過日の「駒サロン」の写真が届きました。
送ってくれたのは、初めて参加のオガタさん。
愛知県からです。
駒サロンでは漆で文字を書くところなどを皆さんにご覧頂きました。
チョッとピントが甘いですが、写真はその中から2枚。

写真左は、「極小の駒」に文字を書いているところ。
まさに「香車」の文字が書きあがろうとしています。
左手には「台」。
普段の盛り上げに使っているものです。
その上に、ちょこっと載せているのが、不釣り合いな小さな駒。
例の象牙の駒。
左手には漆筆。
これは普段盛り上げに使っている漆筆です。

写真右半分は、大きさ比較の模様。
分かりますかね。
一番左側が、書いたばかりの「極小の駒」。
大きさは、高さ6ミリ。

中央は、象牙の水無瀬駒レプリカ。
厚いものですが、大きさはほぼ普通サイズ。
一番右は、金具を付けた根付け駒。
これも皆さんの前で書くところを披露したばかり、漆が濡れています。
高さ23ミリ。

と言う訳で、今日は届いた写真をご覧いただきました。

ーーーー
これは以前に書いた時の参考映像。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ネギ坊主

2012-05-04 05:30:01 | 写真
5月4日(金)、曇り。

夏が近づく今日この頃。
葉が伸び出したドクダミが気になっていました。
薬草で、花はそれなりに良いのですが、匂いがどうも・・。
それに、どんどん勢力を伸ばして広がる。
地下茎でどんどん増えるのですね。
ドクダミには申し訳ないのですが、引っこ抜くことにしました。

しかし、これが大変な作業。
1センチほどの小さな根っこの切れっ端でも残すと、数ヶ月で復活。
ですから出来るだけ深く掘って根を残さないようにします。
道具は、60センチほどのバール。
根に沿って、掘り下げる訳です。
しかし、結構深いところまで伸びていて、最後まで取り去ることはできません。

よって、多少は根が残ります。
またそこから成長。
芽が出てくれば、その時にまた引っこ抜けばよく、これが現実的。
と言うことで、草引きを始めて、他の雑草も伸び放題なのでついでに小1時間。
狭い庭ですが、それでもごみ袋に3袋。
お陰さまで、茂っていた雑草が綺麗になりました。

写真は雑草ではありませんが、その途中に撮った「ネギ坊主」。
ネギ坊主は花の塊。
先の方に、小さな花がいっぱい咲いています。

駒づくりの方はどうか、ですって。
勿論やりましたよ。
ただ、湿度が高いので、心配しながらの盛り上げでした。

では、また。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

静岡での展示品

2012-05-03 05:09:23 | 文章
5月3日(水)、曇り。

雨がちな曇天が続きます。
昨日と一昨日の2日がかりでの原稿作成。
展示品は8つ。
展観者へのキャプション原案。
学芸員の方へは「余分なところはカットしていただいて良いですよ」と。

ブログにはそれぞれの品物のタイトルは敢えて伏せてアップします。
どんな品か、タイトルを当ててください。
このほかに「大局将棋駒と盤」も展示される予定とのことです。

1、文字は第1期名入位を獲得した木村義雄名人の筆跡。
  作者は実弟の木村文俊師。材は御蔵島産黄楊(つげ)。
  この駒は盤とともに、十三世名人間根金次郎から実力制
  名人戦実現に大きく役割を担った東京日々新聞社学芸部
  長・阿部真之助氏(戦後はNHK会長)に贈られたもの。
  後に平成7年、駒と盤は第52期名人戦(米長名人一羽生
  棋王)第6局で実力名人戦ゆかりの品として使用された。
  なお今日の高級駒とされる漆盛上駒は文字を彫ったとこ
  ろを漆で埋め戻し、その上を「塗り絵的手法」で漆を盛
  上げて、昔の能筆家が書いた如くに仕上げてある。これ
  は明治の職人技で作り出された手法で、現今のタイトル
  戦には専ら盛上駒が用いられる。   

2、江戸時代初期に始まった将棋所。その頂点である名人は
  三百数十年の間、世襲として引き継がれてきた。しかし
  時代に合わず、昭和10年、関根金次郎名人は実力で名
  人を決める制度改革を断行。これが名人戦である。
  第1期名人戦は土居・大崎・金・木見・花田・木村・金
  子の7人の八段で戦われて木村義雄八段が優勝。第1期
  実力制名人となった。
  展示品はその棋譜と観戦記であり、冒頭一頁目には当時
  の経緯が綴られている。
  第一輯には金子ー花田戦、木見ー金戦、大崎ー木村戦、
  土居ー金子戦、金ー花田戦の5局を収録。観戦記は樋口
  金信・倉島竹二郎・南部修太郎各氏の執筆。
             
3、天正18(1590)年から慶長7(1602)年に至る水無瀬家
  での737組に及ぶ駒作りの記録。
  原本は大阪府島本町の水無瀬神宮に残されている。
  展示品はそのイメージを再現したレプリカ。
  駒の譲り渡し先は、後陽成天皇・足利義昭・関白秀次・
  徳川家康・豊臣秀頼のほか多くの公卿や歴史上の名だた
  る武将など。当時の将棋と駒の文化や歴史を知るうえで
  の貴重な史料である。
  特に徳川家康公は、関ケ原の戦い前後に合計53組もの
  水無瀬駒を入手しているところが興味深い。
  なお、当時は漆の書き駒で、材は黄楊のほか、稀に白檀
  ・桑・楠・象牙でも作られた。     

4、将棋(象戯)の由来と、大々将棋などの古将棋6種類の
  駒立(配置)図が記されている。
  原本は水無瀬神宮に遺され、ほぼ同一のものが「将棊簒
  図」の名で東京都図書館に遺る。
  奥付きには天正19(1591)年、水無瀬兼成の署名があり、
  これより約150年前の嘉吉3年に書かれた曼殊院宮が
  所持する古い写本を写したとある。
  最尾には「この巻子ともに大将棋・大々将棋・摩詞大々
  将棋・中将棋など七面(組)の駒を関白秀次に献上」し
  たとあり「将棊馬日記」の記述と一致する。
  なお、江戸時代の「将棋六種之図式」はこれが原本。
  展示品は、書家・増市東陽氏の筆写。
                    
5、十七世名人有資格・谷川浩司九段36歳の筆跡駒。
  材は御蔵島黄楊。
  そもそも「谷川浩司書の駒」は、平成8年に王将位タイト
  ルを失って無冠となった時、自分の将棋を取り戻そうと、
  日頃の研究用に自分の字で作った駒を使うことを思い立つ
  て生まれたエピソード(自著「復活」)がある。
  その後、同一書体の姉妹駒として数組が追加製作。それら
  全ては九段の意によるものに限られている。
  展示品は、九段と親交ある大阪商業大学・谷岡一郎学長の
  為に作られた一組。      

6、双玉(2枚ともが玉将)の駒。作者は不明。
  紫檀の駒は比較的珍しい。文字は朱漆書き。
  「双玉」「漆で書いた駒」は、江戸時代以前の手法であり
  古い駒の特徴である。
  玉将尻に記された銘には「兼成卿写・八十二才」とあり、
  文字の形からも水無瀬駒を手本にしたものと分かる。
  展示品は長年の使用により、玉将や金将など僅かな駒以外
  は文字が消えたり消えかかったりしている。
  消えたりしている文字の上を、後世の所有者か誰かが稚拙
  ながら書き足して使っていた形跡が残る。
                    
7、展示品は水無瀬神宮に残されている400年前の水無瀬駒
  を原本としてサイズや文字のみならず当時の駒づくりの技
  法により漆と漆筆で書いて再現した書き駒。
  江戸時代、将軍の面前で行われたお城将棋にはこのような
  水無瀬駒が使用された。
  双玉。素材は薩摩黄楊。
  駒尻は13ミリと暑い。現在の駒と比べて重厚。
  当時は指先でそっと押すようにして動かすところから、
  将棋は「指す」と言われるようになった。
  なお原本の水無瀬駒は、平成22年に大阪府島本町の歴史
  的文化財第1号に指定されている。
                       
8、昭和11年2月、実力制名人戦の首尾よい進行に関根名人
  は謝意を込めて、逸品の「榧製将棋盤」と記念の駒など一
  式を東京日々新聞社学芸部長・阿部真之助氏に贈った。
  阿部は実力制名人を強力に進言しバックアップした一人。
  盤は管理上の制約から非展示。盤の厚みは5寸2分。現今
  の分厚なものに比べると薄いが、密で真っ直ぐ通る柾目は
  超微細800本以上。盤は実力名人戦誕生ゆかりの品とし
  て第52期名人戦(米長名人ー羽生棋王)第6局、第64期
  名人戦(森内名人ー谷川九段)第6局で使用された。
  展示品には関根名人の墨跡で「 贈 阿部真之肋殿 昭和
  十一年二月吉日 十三世名人関根金次郎(印)」。
                         以上

余談ながら、阿部氏は戦前戦後の論客として名高く、後にNHK会長を務められている。

                     
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原田泰夫書の駒

2012-05-02 06:06:26 | 作品
5月2日(水)、曇り。

ハッキリしない日が続きます。
写真は、原田先生筆跡の駒。
手元に残していた駒で、嫁入り前にもう一度一通り磨き直しました。

先生揮毫の箱とともに届けます。

ーーーー
昨日と今日は、予定を変えて静岡のキャプション作りを優先。
それで自分の駒づくりは出来上がりがチョッと後ろへ、です。


ーーーー
最近の検索キーワード 上位20
まだまだ村上さん人気です。

1 村上信夫 退職
2 将棋駒
3 将棋チェスト
4 熊澤良尊将棋駒工房
5 熊澤良尊
6 将棋 大盤 販売
7 九谷焼 チェス駒
8 良尊
9 名人戦 使用駒
10 名駒大鑑
11 彫り駒
12 将棋駒 博物館
13 将棋
14 書き駒
15 室谷由紀
16 根付け 付け方
17 黒虫
18 古美術 根付
19 熊澤りょう
20 熊沢 駒
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5月は名人戦の真っただ中

2012-05-01 05:46:24 | 文章
5月1日(火)、曇り。

4月が終わりました。
確か今日あたりは八十八夜。
歌にも歌われた茶摘みの季節。
和束町でお茶栽培をされているお隣さんは、さぞかし大忙しでしょう。

和束は、宇治田原町と並んでお茶の一大産地。
宇治田原町は、宇治市の南。
宇治茶の中心的産地であり、和束は南に隣接する里山。
山の中腹より上は、茶畑また茶畑。
町並みは、和束川に沿って細長く点在。
細い川沿いの道をやや東に向かって北上すると、タヌキで有名な信楽。

信楽にはひと月か、ふた月に一度、日曜日の昼に好物の蕎麦を食しに出かけます。
この季節、沿道には山ツツジ。
盛りは2週間程度。
急に赤紫の花を付けて、これが誠にキレイ。
今年も一度くらいは、山ツツジを眺めに出かけようと思っています。

ーーーー
名人戦第4局に合わせて、静岡で「名人戦と徳川家康公と将棋展」(仮称)が予定されています。
場所は、静岡市美術館。
会期は、13日から23日。
この展示会に、コレクションの中から10点ほど提供することになりました。

資料は、「第1期名人戦大局譜」(東京日日新聞社)、「将棋図」(卷物)と「将棋馬日記」の写し。
そのほかには、名人戦がらみの盤駒や、江戸時代の水無瀬兼成筆を写した駒など。
連休明けに美術館関係者が受け取りに来られるので、キャプション原稿を付けてお渡しします。
そのほかには「大局将棋の盤駒」、「谷川浩司九段書の駒」など、大阪商業大学からも数点。
小生は21日午後に美術館へ。
夕刻は前夜祭にも参加出来ればと思っています。











コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

駒の写真集

リンク先はこちら」 http://blog.goo.ne.jp/photo/11726