黎明の東の空にほの白くとおぼろの月の浮かぶこの朝
<おぼろ月夜>
早朝、眠れぬままに窓を開けた。冷たい夜気が頭にも心にもここちよい。
東の山の上に薄ぼんやりと月が見える。
形もさだかでないおぼろ月にひどく情緒的な気分にしばし浸る。
春の朝の文字通りの美形のおぼろ月。
黎明の東の空にほの白くとおぼろの月の浮かぶこの朝
<おぼろ月夜>
早朝、眠れぬままに窓を開けた。冷たい夜気が頭にも心にもここちよい。
東の山の上に薄ぼんやりと月が見える。
形もさだかでないおぼろ月にひどく情緒的な気分にしばし浸る。
春の朝の文字通りの美形のおぼろ月。
<春の風>
春の風になって・・・
木立の間を縫って
春の風になって・・・
まだ固いくぬぎの芽を
つついたり
れんげの花を
覗き込んだり
たゆたゆと漂いながら
この冬で
すっかり冷え切った
あなたの体を
包んであげましょう
水ぬるむ川面にゆれる桜影高瀬の川のながれもゆるく
<高瀬川の桜>
森鴎外の小説「高瀬川」の舞台になったこの川は鴨川との間に先斗町を
はさんで平行に流れている。その昔、罪人を乗せた平底の船がこの川を
下り大阪へ運んだそうな。今はこんな浅い川に人を乗せた船が良く浮い
たものだと思うくらい浅い。
川の両岸からそんな歴史も知らぬ気に枝ぶりの良い桜が川面に
花影を写している。