フロアに聞き慣れない音の電話が鳴り続けている。なんだろうと捜していくとFAXだった。
「電源が入らなくて受信できないみたいなんです。」と近くに居る女性社員。
確かにディスプレイが真っ暗で何も表示されてない。
「電源が入らなくても電話は鳴るんだね~。」結構、不思議。
保守を頼んだんだけど、来るまで数時間はかかる。それまで電話ケーブルを抜いとくようにと言われたと言う。
段々人が集まってきてみんな「なんだ?なんだ?」って感じになってきた。四苦八苦して隅っこのケーブルを引き抜く僕ら。
「しかし、抜いても電話してる側では解らないよね~。WEBの掲示板に通知出す?」
「そーですね。私、通知作って掲載しときます。」
「んじゃ。悪いけど、お願いね。」
なんてやり取り。面倒だけど誰かがやらないといけない仕事が結構大変だったりするんだよね。
周囲の人達には「あの、FAXが故障してますので使用できません。別途内部には通知しますので....」なんて言っていると再びFAXの電話が鳴り出す。
「あれっ?なんで?」
「あ、すいません。なんかまた僕、ケーブル差しちゃいました。」
「お前な~。何予想外な事してんだ~。」
「わはは。」
「とにかく、ケーブル抜いて通知出しといてね。」と僕。
しばらくして保守員の方がきて何かしていたら、突然呼び出された。
「何でしょう?」
「あの、このFAX。電源取ってる壁のコンセントに電気来てませんけど。」
「は?」
「コンセント。電源が来てませんよ。同じ壁から取っているコピー機も動いてないようだし。」見ると隣にあるコピー機のディスプレイも真っ暗であった。
「い~。マジで。」
人を呼ぶ前にもう少しちゃんと確認してくれよという雰囲気を全身から醸し出す保守員。うーむ確かに。仰るとおりなのだが。気付かなかった自分がマジ悔しい。
「ちくしょ~」
なんか納得しにくいが、とりあえず「すみません。お手数かけて」なんて詫びつつ、ビルの電源は管轄が総務なので、総務へ相談に行く。
「先週末までちゃんと動いてたのに、なんで突然電気が来なくなったりすんでしょうね。何かありましたっけ?」と僕。
相手は何故か口が重い。
「もしかしてなんか工事しました?」
「....してました。確かに。」
「ふーん。そーなんだ~。工事してたんだ~。」
どうやら総務が土日ビルに工事を入れて、その際に何か不手際があったらしい。そしてその工事会社はなんと保守員と同じ会社だったりした。
あのな~。
「あの~。ちょっと想像で言いますけど、ケーブル抜けって言ったの総務でしょ。」
ギクッ。
さて、この根本原因とは何だろうか。