五十の手習い足払い

五十歳を過ぎて始めたブログももう何年目?
山梨に住む新しモノ好きのオヤジが自分の趣味や日々の暮らしをつづります。

ポルシェ911GT1の軌跡

2012年10月29日 | ミニカー
今回少し長いですぞ。

1995年にル・マン24時間レースの規定が変更になり(細かい規定は毎年変わっていますが)、マクラーレンF1-GTRが優勝したのを受けてポルシェは市販車のカテゴリーであるLMGT1クラスのレースカー製作に着手します。
1996年のル・マンにエントリーされたのはスポーツカーの名車ポルシェ911を改造したポルシェ911GT1でした。

ワークスチームとしては8年ぶりのル・マン参戦になるこのレースで2台の911GT1は総合2位と3位を獲得してその強さを見せ付けました。
上の写真のカーナンバー25が2位、26が3位に入ったクルマです。
モデルは共にミニチャンプス製、1/43スケール。

8年前はシェル石油がスポンサーだったポルシェですがこの年はモービル石油でした。
車体のカラーリングもけっこう派手でアートっぽい色使いです。



実は上の写真の大きい方のミニカー、オークションで間違えて1/18スケールのものを入手してしまいました。
「Anson」という香港のメーカーのものなのですが、実際に手にしてみると予想に反してとても素晴らしい仕上がりのモデルで、1/43スケールのものと見比べてみても遜色がありません。
残念なのは大きすぎて飾る場所の無いことで、仕方なく普段は箱に入れたまま部屋の隅に置いてあります。
今回久しぶりに箱から出して記念撮影をしました。



96年バージョンは、市販車のパーツをたくさん使って急いで作ったものでしたが、構造的には色々な問題点があったようです。
そこで97年バージョンはそれらの問題点を改善することを主眼に開発されました。
外観的にはヘッドライトの形状なども変更し、よりレースカーらしくなったのですが、かんじんのル・マンではエントリーした2台ともリタイヤしてしまい残念な結果に終わりました。

上の写真は1台だけ入手した97年バージョンで、レース終了2時間前までトップを走りながら炎上してしまったカーナンバー26のクルマです。
デザインは前年のものより幾分おとなしめな感じがしますね。
ちなみに1997年の優勝は前年に引き続きプライベート・チームのTWRポルシェWSC95でした。



さて1998年、ポルシェは大幅に改造した98年バージョンの911GT1をル・マンに持ち込んできます。
シャシーはカーボン・モノコックに変更して剛性を高め、デザインも一新してロングテールにして空力特性を向上させたものでした。
エンジンはポルシェ伝統の空冷ではなく水冷式のエンジンを採用、故障に強いものになっていました。

ライバルは久しぶりにル・マンに復帰したトヨタTS020(エントリー名、Toyota GT-One)でした。
スピードに勝るトヨタはトップを独走しますが前年の911GT1と同様、レース終了2時間前になって突然ストップしてしまい、2台の911GT1-98が並んでチェッカーを受けました。

上の写真は、1-2フィニッシュを記念して作られたスペシャルパッケージのモデルで、左のカーナンバー26が優勝したクルマです。
モデルはhpi-Racing製、1/43スケール。

右のカーナンバー25はリアカウルを外した状態でディスプレイされていますので、エンジンやギアボックスの様子を見ることができます。
もちろん、26も同じようになっていますが、正直なところ1/43スケールのモデルでそこまでしなくても、という感じは否めません。



スペシャルパッケージは上記のような箱に入った状態で保管せざるを得ず、結局1998年のこの2台は他のミニカーのように飾ることができないのです。うーん、残念。




ちなみに上の写真、左は2台の911GT1に次いで総合3位に入ったニッサンR390GT1、ドライバーは星野一義/鈴木亜久里/影山正彦の3名。
右側は9位でフィニッシュしたトヨタTS020、ドライバーは土屋圭市/片山右京/鈴木利男の3名(いずれも敬称略)。

モデルはR390GT1がイクソ製、TS020がビテス製、1/43スケール。


実はポルシェはこの1998年以来ル・マンでは総合優勝を飾っていません。というより、ワークスチームとしての参加をしていないのです。
再びル・マンでのポルシェの勇姿を見たいと思っている私ですが、同じフォルクスワーゲン・グループのアウディが世界耐久選手権のタイトルを席巻している現状では無理な夢なのでしょうか?
コメント (2)
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