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Yukiの英語学習、読書記録、日常を書いたブログです。

『大漢和辞典』の百年

2024-03-12 14:33:43 | 本-言語関連
図書館から借りた『『大漢和辞典』の百年』を読了。
本書は読み応えが十分あり、写真も豊富で、なかなかの1冊です。諸橋先生ファンの方はもちろん、漢字好きや漢和辞典の歴史を知りたい方にもぴったりです。
『大漢和辞典』は大正~昭和の初めから構想があったそうですが、戦争を挟んで完成までに何十年もかかったそうですから、大修館書店から発行されたものの中では「大作」でしょう。まして当時は手作業でしたし、相当な苦労があったことがひしひしと伝わってきました。
本文だけでなく、本そのものにも工夫が。表紙を開くと実際に使った活版印刷の版の写真が。その活字びっしりの写真を見て、「まさにアート…」と感じました。さらには、借りた本なので一部しか見えませんが、カバーを外すと『大漢和辞典』に収録の漢字がびっしり印刷されているようです。
本書は読むだけでなくインテリアにもなりそうですし、買おうかどうか迷います。ただ、お値段が税抜3,400円と少々張るんですよね…。あれだけの貴重な資料が載っているのであの値段でもしかたないかもしれません。今月誕生月なので、自分への誕生日プレゼントとして買おうかしら。



全く違う話ですが、自宅近くの「カルディ」によく行きます。無料でオリジナルコーヒーの「マイルドカルディ」を店内で飲めるのですが、ついでにお菓子や限定品などつい買ってしまいます。まさに「只より高い物はない」ですね。

国語は好きですか

2024-03-01 12:46:04 | 本-言語関連
図書館から借りた『国語は好きですか』を読了。日本語に纏わる、18の短いエッセイからなる1冊です。
2つ目のエッセイのタイトル「悪魔の言語⁈」から、戦争直後のGHQが「漢字は悪魔の言語」と言って漢字を相当嫌っていたと、阿辻哲次先生がラジオ番組で仰っていたことを思い出しました。実際に「当面の間使う漢字」として当用漢字が制定されましたし、漢字は廃止される予定でした。仮名も廃止して「全てローマ字にする」案さえも出ていましたが、そうならなくてホッとしています。
段落や「、」と「。」が使われるようになったのが最近のことだったのは意外でした。本に載っている古文の写真を再度確認してみると、ホント、段落も句読点もなく文字が一続きです。著者は「他言語の真似をしてけしからん」といったような表現をしていますが、私は段落等に慣れてしまったので、やはりあった方が良いのかと思います。悪いところは排除して良いところは取り入れるべきかなと思うのですが、どうでしょう?
ところで最後のエッセイで、改めて本書のタイトルでもある

「国語は好きですか」

と書かれてあり、果たしてどのくらいの人が日本語を好きなのか疑問になりました。外国語(特に英語)を「かっこいい」と思う人はかなり多いでしょうし、逆に日本語を「ダサい」と思う人も相当いるでしょう。裏返せば、それだけ自国の言葉に自信がないのでしょう。恥ずかしながら私もそう思っていましたが、漢検に再挑戦して漢字のことを詳しく知るようになってからは「日本の漢字ほど素晴らしい文字はない」と感じるようになりました。漢字が使われるようになってから1,000年以上も続いているし、もっと日本語に自信を持っていいと思います。
海外出身のある漢検1級ホルダーさんによると、アニメ「ドラゴンボール」で「亀」の字を見て「漢字はアート」だと感じたそうです。日本語を勉強したい人って案外いるらしいです。英語も大切かもしれませんが、まずは自国語である日本語をしっかり学んで好きになっていきたいなと思います。


教養としての上級語彙

2024-02-28 13:51:55 | 本-言語関連
図書館から借りた『教養としての上級語彙』を読了。本書はX(旧Twitter)のフォロワーさんの紹介で知りました。
読み始める前は単に見出し語と意味の羅列かと思っていたら、実際は読み物感覚に書かれてあって、こういう類の本としては珍しいと思います。漢検や日本語検定に出題されている、または出題されそうな語彙がどんどん出てくるし、語彙力を伸ばすだけでなく試験対策としても良さそうです。あれだけの語彙が自然と使えるようになれば、印象がグンと良くなるかも…。
最も意表を突かれたのが「出来」という語彙。普通は「でき」と読みそうなところ、「完成」という意味では「しゅったい」と読むそうです。新聞広告等では「重版出来」などとよく目にはしますが、ずっと「でき」と読んでいました(汗)。手元の辞書で調べてみると「しゅつらい」から転じて「しゅったい」と読むようになったそうですが、理由などは書かれていませんでした。漢和辞典では「来」を調べても「たい」という読みが出ていませんし、きっと「たい」と読むのはこの語彙だけかもしれません。
「さらば、ボキャ貧!」というキャッチコピーが本書に書かれていますけれど、やはり日本人全体でみると語彙力が落ちているのでしょう。ただ、来日する人も増えているし、誰にでも分かるような易しい日本語を使うことも時には必要だと思いますから、どちらが正しいかは言えないと思うのです。まぁ、語彙力があるだけ表現のしかたが豊かになりますから、私は語彙を増やす方に一票入れます。


日本・日本語・日本人

2024-02-22 14:38:30 | 本-言語関連
図書館から借りた『日本・日本語・日本人』を読了。鈴木孝夫氏ほか2人の鼎談4つと、その間に論文を挟む形の1冊です。
やはり最も興味を引いたのは英語習得に関する話。もし学生時代に戻ってやり直し科目は国語と社会。英語を学ぶ前に国語をみっちりやらないと、英語も母国語である日本語も中途半端に終わりますからね。2000年現在なので古い情報かもしれませんが、1週間当たりの授業時間が国語も英語も週3時間だと知って、一瞬目を疑いました。これは私が小学校~中学校の頃の話ですが、国語の時間は最低でも週4日~5日はあったと思います。
たしかに海外の人と接することが増えていますし、最低限の英語力は必要だと思います。ただ、英語を母国語よりも優先するのもどうかしていますし、国内では英語を使わなくても生きていけます。ネイティブ並みの英語力は通訳者や英語教師など、一部の人だけが必要なのではと思います。
片仮名英語が増えているのも問題ですね。該当する日本語があるのにそれをわざわざ片仮名で表すこと自体がよく分からないし、かえって漢字で書いた方が意味が通りやすいと思います。「これも時代の変化」と片付けてもいいのでしょうが、乱用にも程があります。それに「リストラ」など実際の英語と違う意味の片仮名英語が多いので、英語学習の妨げにもなります。


語学で身を立てる

2024-02-15 14:31:34 | 本-言語関連
図書館から借りた『語学で身を立てる』を読了。X(旧Twitter)でフォローしている方から本書の紹介があったので、読んでみました。
「外国語」というとまず思い浮かべるのは英語ですが、著者には英語以外にも習得している言語(主にヨーロッパ地方)があり、他の言語についても触れられています。語学で食べていく職業として翻訳、通訳、教師などがありますが、どれも相当な語学力が必要なのはもちろんですし、その国の文化を知ることも母国語である日本語も大切。やりがいはあるでしょうが、どの職業も大変ですね。
語学を学ぶのにネイティブスピーカーから習うのがいちばんと考えている人も多くないですけれども、本書にあるように日本語もしっかりしている教師がいいかと。それと帰国子女だからって語学が優れているとは限らないし、かえってインフォーマルな言葉ばかりを知っていてビジネスでは通用できないし、母国語がきちんとしていないという話です。最近では話すことに重きが置かれていますが、単語を並べただけでは相手に通じないし、文法も馬鹿にできないと思います。
どういう目的で外国語を学ぶかによっても学び方が全く異なってきますし、学生時代の外国語の成績によってもスタートの方法が違うともいいます。いずれにしても、集中して勉強するとか、毎日少しでも外国語に触れるなどが大事になってきます。
著者はTOEICや英検の試験をほとんど受けてこなかったそうですが、「これだけの実力があります」という証明として挑戦するのはありだと私は思います。試験を受けることで目標が立てやすくなりますし、申し込んだ後は嫌でも勉強せざるを得なくなります。私も20代に英検準1級を早めに取っておいて良かったと思っています。
別に語学のスペシャリストにまでならなくても、ちょっとでも語学の勉強に興味を持っているなら、この本はお勧めです。



Amelia定例トライアル(テクニカル・IT)の締切が近づいています。少しずつ下訳の見直しをしていますが、誤訳や不自然な訳がどんどん出てきて冷や冷やしています。短時間で終わらせるのも大事ですが、それよりも今は和訳の質を高めた方がいいかもしれません。

面白くて眠れなくなる日本語学

2023-11-23 13:37:47 | 本-言語関連
図書館から借りた『面白くて眠れなくなる日本語学』を読了。本書を寝る前に読んだ日もありましたが、バッチリ眠れました(笑)。
本書は昔の日本語とか蘊蓄など、分かりやすく書かれた1冊。もうちょっと深く突っ込んでも良かった部分もありましたが、こういう本を初めて読む人にはピッタリかもしれません。
昔と今とは発音が異なっていた話とか、様々な方言の話は楽しく読めました。一時は方言を共通語に改めることが徹底されていたこともあったそうですが、各地の文化を残すためにも方言も残すことも大切なのではと思います。
そういえば母が子どものころ、祖母(つまり母から見たら母親)から語尾に「じゃん」を付けるのはダメだと言われていたそうです。戦後、方言を話したら罰として「方言札」をぶら下げないといけない学校もあったと聞きますが、相当方言に対する圧力があったようですね。



ところで今日(23日)の午前中、自宅近くのユニクロへ。妹からコラボ商品「ANYA HINDMARCH」のニットとソックスを頼まれたのですが、整理券を配っていたらしく、すぐに売り場を見ることができませんでした。それから30分くらい経ってやっとその売り場へ行ったのですが、ニットが殆ど売り切れていて、希望のサイズが買えませんでした。それでもソックスを3足購入。オンラインショップへ何度もアクセスしようとしてもずっと集中していました。「ユニクロ感謝祭」の初日とあってレジも並んだし、とにかく疲れました…。
下の写真が買ったソックス↓ 何気に可愛いですよね。

読み書きの日本史

2023-11-13 14:36:29 | 本-言語関連
図書館から借りた『読み書きの日本史』を読了。
一般的に日本人の識字率は昔から高いと言われていますが、実際はほんの100年ほど前までは身分や地域、性別などによって偏りがかなりあったようです。しかも「識字率」と言っても自分の名前だけ書けたり、平仮名だけ読めたりと様々。それが明治以降は急激に識字率が伸びるのですから、相当政府が読み書きを徹底させたしるしですね。
「往来物(おうらいもの)」という言葉は本書で初めて知りました。つまり実際にやり取りされた手紙のことで、それが寺子屋などでのテキストにもなったそうです。中には「こんな内容を子ども用のテキストにしてもいいのだろうか?」と思われるものもあったそうなのですが、随分大胆ですね。
引用すると非常に長くなるので割愛しますが、勉強について考えさせられた文章があったのです(本書184、185ページ)。本来勉強は「学ぶ」ためにあるものですが、今は単なる入試のための道具になってしまっています。「テストに出ないものは覚えなくていい」などと考えている学生や受験生も少なくありません。果たして単なる「知識の詰め込み」だけでいいのだろうかと非常に考えさせられました。物事をじっくり考えたり、豊かな教養を身に付けるのも大切な気がします。
本書の最初から気付いていましたが、参考文献が随分多いこと。本書にもカッコ内に記されていますし、巻末にも9ページにわたるリストがあります。本書を書く際に実に多くの本を参考にしてじっくり研究したのですね。



ところでどうでもいい話になりますが、先日、某激安スーパーに行った時のことです。
最近そこのスーパーが新たに支払機を導入しました。その機械で支払いを済ませ、カートを引きながら商品を詰める台の空きを探し、やっと見つけたところ…

「あれっ、かごと商品がない!」

と気付いたのです。
結局商品は支払機のすぐ隣に置いたままにしてあったのですが、何も盗られていなくて安心しました。皆さんもお気を付けください(汗)。

日本語が消滅する

2023-08-08 13:27:56 | 本-言語関連
Kindle本『日本語が消滅する』を読了。
タイトルを見て「まさかね…」と思いましたが、本書を読む限り100%そうならないとも言い切れなさそうです。たとえば戦争などで敵国の支配や天災によって急に消滅してしまった言語も少なくないそうです。日本語は日本以外ではあまり話されていませんし、もし日本列島全体が災害などに遭ったら、日本語は消えてしまう可能性もあるとのことです。
言語がなくなるということは、そこでの文化までなくなってしまうということ。もし日本語が消えてしまったら、日本の文化や伝統がなくなってしまうし寂しいですよね。共通語である英語を習うこともいいですが、英語だと細かいニュアンスまで伝わらないしやはり母語は大事だと思うのです。
見る限り、日本の文化や日本語に誇りを持てない人が多く感じます。昔から漢字や平仮名を上手く使い分け、また様々な表現ができる日本語をもっといい意味で考え直してみたいですね。


書聖 王羲之: その謎を解く

2023-07-26 13:58:50 | 本-言語関連
図書館から借りた『書聖 王羲之: その謎を解く』を読了。
正直、本書は漢字も文章もとにかく難しくて、読むのにけっこう苦労してしまいました。1行か2行に1文字は常用漢字外の漢字が出てくる感じです。
「王羲之」と来ればまず出てくるのが「蘭亭序」かと思うのですが、本書にはその全文とその和訳が書かれていまして、読みながら「ほうほうこういう意味なのか」と頷いていました。
最初は歴史の授業のように王羲之をめぐる中国の歴史が、そのあとは王羲之と書に関する話が書かれています。まだ彼自身が書いた書は1枚も発見されていないのですが、それに近い書はたくさんあるようです。それだけ彼の影響は強かったということでしょうが、そのうち原書が出てくればいいのですけれどね。
意外と知られていませんが、楷書、行書、草書って、年代順では草書→行書→楷書なのです。学校の書道の授業でも初めは楷書から習うので、てっきり楷書から出来たと思いますよね。ちなみに草書は隷書を崩した形で出来たものです。


やさしく極める“書聖”王羲之

2023-07-10 14:15:42 | 本-言語関連
図書館から借りた『やさしく極める“書聖”王羲之』を読了。
今から約1700年前に生まれた王羲之。残念ながら彼自身が書いた書はまだ見つかっていませんが、それらを写し取った書は幾つか発見されています。
カラーページが豊富で、ビジュアル的に素敵。本文より写真の方がページ数において圧倒的に多いです。スマホのロック画面や待ち受け画面に使おうと、何枚か写真まで撮ってしまいました。また、王羲之のことだけでなく、漢字や書の歴史まで改めて学べたのも良かったです。