GHQの見たニッポン
このところ仕事術ばかりの話なので目先を変えてみる。私は時間がある時には本屋に行って一通り周って見る。まあ、アダルトコーナーへは足を向けない。心の栄養には成り得ないと思うからだ。先日、古本屋へ行って、「GHQの見たニッポン」という未公開の写真を掲載した写真集を手に入れた。表紙には米陸軍病院として接収された、東京築地の聖露加国際病院の屋上で撮られた写真が使われている。GHQ(/SCAP)とはGeneral Headquarters/Superme Commander for the Allied Powersの略で連合国最高司令官総司令部のことだそうだ。最も日本名にしても何だか訳が分からない。 とにかく戦後の日本の様子が見たくて手に入れた。戦後の復興の様子が占領軍という権力者側からの目で見た、いわば占領下の日本の素顔ともいえるものだ。たくさんの写真の中で、個人的に目を引いたのはトントン葺きの屋根の家である。今西祐行氏の「ひとつの花」に出てくる、戦争で父親を亡くしたゆみ子とその母親が生活している家の様子がダブッたのである。けして住みやすいはずのないみすぼらしい家が、やっと訪れた平和の中で生活している健気な母と娘にとって安住の地になっていること。父親から渡された一輪のコスモスがその家を包むようにさいていること。幸せとは相対的なものだということを知らされるのだ。 しかし、その相対を無視しているサイト「幸たんく」を管理している私が言うには矛盾しているか…。