先日のブログ夜景で熱海へ旅行したことを記した。新幹線を使うと、東京熱海間の90kmを50分で結んでしまうのだ。速くなったし便利になったと思う。今回は旅行2日目の朝に所用があったゆきたんくは、始発(6:34)の新幹線に乗って帰京する予定であった。こんな時は便利に早くなったことはとても有難いのである。
帰京の朝は6:00にタクシーを呼んでおいた。切符も割引乗車券をホテルのカウンターで購入することができた。あわてて券売機に走ることもない。
タクシーに乗り込み、熱海駅に着くまでの間、運転手さんとざっかけない話をした。40年ぶりの熱海来訪であること、そして夜景が綺麗だったこと。
ホテル後楽園の窓からの夜景
運「熱海の夜景もねぇ、昔はもっと明るくて、もっと綺麗だったんですよぉ。」
ゆ「昨日ので十分に綺麗だと思いました。それよりも綺麗だったなんて…」
運「お客さんも言ってらしたけれど、新幹線のおかげで熱海がちかくなっちゃったん だよねぇ。それでさ、旅行するありがたみがなくなっちゃったんだよ。それでホテルが何軒も潰れて、灯りが減ったんですよ。」
ゆ「昨日来る途中に、基礎が打ってあって建築中の様子が見えたけれど、新たにホテルができるのではないですか?」
建物の基礎
運「あれはね、ワンルームのリゾートホテルなんですよ。今じゃ東京でも売れなくなってきているのに、ここじゃあ売れないかもしれない。定年後の第二の人生を歩もうとする方が対象のようだねぇ。」
ゆ「ということは、観光地ではなくなってゆくんですね。」
運「そうだねぇ、お客さんの言う通りだね。」
こんな話をしたと思う。帰りの新幹線の中で熱海のことを考えてみた。
昔から湯治の地であり、海から熱い湯が湧き出ていたことから「熱海」と呼ばれるようになったという。現在のJR東海道本線開通以降、首都圏からの保養客が押し寄せ一大保養地になった。かつては新婚旅行や職場旅行の定番(行き先)であり市の中心地東海岸町などには大型ホテル・旅館が数多ひしめいていた。バブル崩壊後、社員旅行の衰退と大型宿泊施設を敬遠するムードから斜陽化し転業も多いのが行保養地から遠ざかっている原因だと思われる。
ホテルとリゾートマンション
熱海港にはフェリーも発着する。
網代漁港
漁業も昔からの産業である。
アジ、タイ、ブリ、イワシ、ソウダカツオが獲れる。
良く考えてみると、新幹線で旅行先が近くなり有り難味が減っただけの問題ではなかった。様々な要素がからんで、かつての保養地が消えようとしているのである。話をした、タクシーの運転手さんも60歳以上の方であり、地元を憂っているのだ。