ずっと、そう思っていた。
柏市の馬糧倉庫跡と考えられていた施設の正体はそうではなかったことだ。
柏市教育委員会が中心になって調査をした結果、
「旧陸軍高射砲第二連隊照空予習室」として使われていたことが分かった。
現在マップにも、そう表示されている。
昨日訪れた、旧吉田家住宅の休憩場の書庫にあった本を紹介する。
照空予習室は当時としては大変ハイテクな施設である。
柏:千葉県柏市根戸…現存(高射砲第2連隊)
加古川:兵庫県加古川市野口町水足…現存(高射砲第3連隊)
千葉:千葉県千葉市稲毛区小中台…1972年解体(陸軍防空学校)
浜松:静岡県浜松市中区城北…1964年解体(高射砲第1連隊)
甘木:福岡県朝倉市一木・屋永…1970年代末解体(高射砲第4連隊)
会寧:朝鮮咸鏡北道会寧群碧城面五鳳洞…不明(高射砲第5連隊)
平壌:朝鮮平安南道平壌府平川里・九井里…不明(高射砲第6連隊)
立川:東京都村山市学園…1960年台中ごろ解体(高射砲第7連隊)
屏東:台湾屏東氏宗蘭…不明(高射砲第8連隊)
何の施設か?
まだ十分に資料に目を通してはいないが、「高射砲を打ち上げる際には、飛行機の位置と進む速度について得られた情報を機械式計算機にかけて、砲弾が適切な位置とタイミングで空中で破裂するように指揮が下す・・・」ために作られた施設のようだ。
柏市西部消防署根戸分署として現役の頃の写真
ゆきたんく撮影 2005.10.22
グーグルマップで、現存するもう一つの建物を確認した。 → Map
現ハリマ化成株式会社の工場の敷地ないで倉庫して使われているそうである。
丈夫な建物なので、このまま残ると思われる。
柏市のものも、戦争遺跡として歴史の証人として保存の方向だ。
最近千葉県で解体された、川光倉庫(旧陸軍気球連隊格納庫)は実に惜しかった。
しかし、保存に十分な資金を援助できる訳でもないので大きなことは言えない。
地方自治体が、歴史の証人として残してくれることを期待するばかりである。