夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

『おひとりさま』の生活が延長戦となり、独り寂しく私は、生家の8月1日の『お盆の日』に・・。

2015-08-01 13:21:43 | ささやかな古稀からの思い
私は東京の調布市に住む年金生活の老ボーイの70歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
家内は独り住まいの家内の母宅に、過ぎし7月28日から3泊4日予定で行っている。

家内の母が、膝から腰にかけて痛みが増し、少し遠方の大学病院で改めて検査を受ける為に、
家内は不安げな家内の母に付き添う為に、家内の母宅に駐在している。

一昨日の30日の夕方、家内より電話連絡があり、
『31日に帰る予定であったけれど・・お母さんの様態が悪く、
悪いけれど、もう一泊して1日に帰ることにしたわ。
お盆の日、お義兄(にい)さんの宅、独りで行って下さいね・・』
このような意味合いの言葉を私は聴いたりした。

『了解、それよりもお義母(かあ)さんの痛み・・どう?』
と私はいつもように明るく言ったりした。


やがて私は、家内が我が家に帰宅する予定1日が延び、
私の我が家で『おひとりさま』の生活が、サッカーとかブロ野球と同じように、延長戦かょ、
と微苦笑したりした。

私の住んでいる処は世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅の地域であり、
生家に近く、古来より8月1日のこの日は『お盆の日』となっている。
          

私が2004年〈平成16年〉の秋に定年後になると、
翌年の8月1日の『お盆の日』からは、家内と共に朝の9時半前に、生家の実家となる長兄宅に行っている。

そして簡略となった盆棚でお線香を上げ、長兄夫婦と談笑した後、
この後に来宅された親戚の叔父、叔母たちに、私の少年期まで何かとお世話になったので、
この当時の頃の話を、私は話題にしたりすることが多く、私が知らなかったことが多々あり、
私は微苦笑しながらも教示を受けたりしている。

このようなことが今日まで続いている・・。
              

この後、私たち夫婦は長兄宅を辞した後、お墓参りに向う為に、
自宅に戻り、お線香、お米を持ち、途中で花屋に寄り、生前の母が好きだったお花を買い求めたりしている。

やがてお寺に着くと、境内は広く、大きな樹木が数多くある上、平日の日が多いので一層に静寂となる。
そして外気は、暑さを樹木の枝葉がさえぎっているので、幾分涼しげとなる・・。
ときおり、蝉(セミ)の声が境内と墓地の間の大きな樹木から聞こえるのが、
毎年の習性のような情景となる。

私は少なくともお墓参りは、生者の慰めと知っているが、
亡くなった父と母、そして祖父に守られ、こうして私は生きてこられてきたのは、
まぎれないことであるので、私は感謝の一心で、お墓参りをしている。

家内と母との長き25年近い歳月、ある程度の遠慮がお互いにあった上、
何かと心身の波長が合い、私は今でも家内と母に秘かに感謝している。

お墓に行き、墓石を水で清め、お花を挿して、お米を備える。
そして、お線香を奉げる。
私はお参りをするたびに、母のおもかげがよぎる。
               
私の場合は、父が私の小学校の2年の時、
その一年後に祖父も死去されたので、何かと母の存在が多かった。
このためか、ときたま生前の母のわずかなしぐさ、言葉づかいが想いだされる。
お線香の煙が芳香を残して、空中を彷徨(さまよ)うように立ち昇りながら、やがて消える・・。

その後、水屋の周辺の大木の樹木の中、
蝉(セミ)の鳴き声が響きかせながら、盛大に聴こえることが多いのである・・。

このように私たち夫婦は、旧来からのこの日の『お盆の日』を迎えてきた。
              

今回は、家内が本日の夕方に帰宅する予定となり、私は独り寂しく生家に行った。

私たち夫婦は結婚して39年生であり、8月1日の『お盆の日』には、
私が現役サラリーマン時代の平日の時は、家内は我が家の代表として行ってきたので、
家内からすると、無欠勤であった。

私からすれば、独りで生家の長兄宅に『お盆の日』に訪れるは、
結婚以来、初めてだよなぁ、と微苦笑したりした。

そして私は、亡き母から素直に血筋を受け継いだ為か、男の癖におしゃべりであるので、
いつものように公明盛大に、明るく少し大きな声で、長兄夫妻などと談笑したりした。

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