私は東京の調布市に住む年金生活の73歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭である。
そして雑木の多い小庭の中で、古ぼけた一軒屋に住み、
私たち夫婦はお互いに厚生年金、そしてわずかながらの企業年金を頂だいた上、
程ほどの貯金を取り崩して、ささやかな年金生活を過ごして、早や14年目となっている。
こうした中、過ぎし一週間前、私は自治会の回覧板を回すため、ご近所のお宅を訪ねた。
そして私は恥ずかしながら男の癖におしゃべりな男で、こうした時で談笑する時が多い。
この時は、ご主人が西洋文化史を長年大学で講師されていた御方である。
そして私より12歳ご年配の人であり、長年奥様共々談笑をしている中で、
私が読書好きのことも、見抜かれてしまったりしてきた。
そしてこの時は、ご主人が応対される中、
イギリスの作家でギッシングの書かれた『ヘンリ・ライクロフトの私記』が未読であったなら、
あなたにお薦(すす)めの本ですよ、と私は進言された。
帰宅後、私はネットで検索すると、「ヘンリ・ライクロフトの私記」 ギッシング著、
平井正穂・訳、 1903年刊行 岩波文庫、本体720円+税、
このように表示された。
まもなく駅前に買い物に出かけた時、本屋に立ち寄ったが在庫がなく、
やむなく取り寄せの注文依頼をした。
私は本は、原則として本屋で買い求めたりしている。
しかしながら昨今は、ときおりコンビニで雑誌の月刊誌、週刊誌を購入する時もあるが、
街の本屋の衰退に嘆いているので、せめてと思いながらも、
アマゾン、楽天などネット購入は天敵と思いながら、利用したことない稀(まれ)な人となっている。
昨夕、ご注文下さいました本が届きました、と私は本屋さんより、
電話連絡を受けて、本日私は本屋に向かった・・。
私は本屋で、新刊本、新書本、文庫本、雑誌コーナーを見て廻るのが、高校生より好きで、
今回も新刊本コーナーを見たりした。
こうした中で、ひとつの本に瞬時に魅了されて、手に取ったりした。
『人生は、いくつになっても、素晴らしい』と表示されたタイトルであった。
そして私はパラパラと目次を読んだりした中、
私は初めて知るダフネ・セルフさんが著作されていて、何かしら90歳の現役ファッションモデルであり、
人生、まだまだ素敵なことばかり・・この一句に私は強く心を揺さぶられた・・。
そして何よりも
《 人生、うまくいくこと ばかりありません。
大切なのは、与えられた環境の中で、
良いときも悪いときも、いかに幸せを自分で探しているか、だと思います。》
私はこの言葉で、人生の師にめぐり逢えた、と瞬時に強く感じ、購読することにした。
私は中小業の民間会社に35年近く奮闘して2004年(平成16年)の秋に定年退職となり、
多々の理由で年金生活を始めた中で、単行本、新書本、文庫本の書籍に於いては、
定年後からは特に塩野七生、阿川弘之、佐野真一、藤原正彦、嵐山光三郎、曽野綾子、三浦朱門、
高峰秀子、松山善三、櫻井よしこ、徳岡孝夫、中西輝政の各氏の作品を中核に購読している・・。
こうした中で、私は小学2年の時に父が病死された為か、
特に今は亡き阿川弘之さん、三浦朱門さんには、慈父のような感じながら、
人生のありかたを書物の上から、多々学んだりしてきた。
そして人生の師として、阿川弘之さん、三浦朱門さん、曽野綾子さんの著作された
数多くの本より学び、そうでしたか・・と幾たびに教示されている。
詳細は、私は幾たびも投稿文で記してきたので、今回は省略する。
今回、未知のダフネ・セルフさんを初めてめぐり逢えて、良き人生の師が増えた、
と私は微笑みながら、読み始めている。