《・・ 加齢とともに、耳が聞こえづらいと感じていませんか。
いつまでも、友人たちと食事に出かけて、おしゃべりを楽しみたいもの。
ただ難聴といっても、さまざまな種類がある。
なかにはアルツハイマーの要因になるものも。
そのメカニズムを専門家が解説する。
☆コロナ禍以降『耳が聞こえづらい』人が急増
「久しぶりに参加した同窓会だったのに、不完全燃焼のまま終わりました。
立食パーティーだったから、大人数で輪になって話していたんですが、
同級生たちの声が全然聞き取れない。
父が晩年、大音量でテレビを流していたことや、
『え?』と何度も聞き返す姿が、脳裏をよぎって不安になりました」
主婦の村田陽子さん(仮名・60代)は、そう言って肩を落とす。
目と耳の治療院『日本リバース』院長で、整体師の今野清志さんによれば、
最近、村田さんのように難聴に悩む人が増えているという。
「コロナ禍以降、『耳が聞こえづらい』と訴えて来院する人の数が、
1・5倍以上に増えています。
自粛生活に伴うストレスによる自律神経の乱れや、
マスク生活での酸素不足、運動不足による血流の低下によって、
耳まわりの筋肉がこわばっていることが、大きな理由だと考えられます。
加えてイヤホンやヘッドホンを日常的に装着する習慣が、
一般化したことも耳に負担をかけている。
実際、WHOの発表によれば、
難聴の患者数はこの5年で50万人も増加しているのです」(今野さん)
●難聴の原因は、鼓膜の前と後ろで大まかに分かれる
![耳の器官](https://kaigo-postseven.com/wp-content/uploads/2023/07/pixta_-ear_illust.jpg)
☆聴力は脳の機能と大きく関係
一口に難聴と言っても、その原因は多岐にわたるが、
大まかには「伝音難聴」と「感音難聴」、両者の合併する「混合性難聴」に分けられる。
伝音難聴は、中耳炎や外耳炎など、耳の入り口から鼓膜までの部分に
障害が生じることで引き起こされるが、症状に応じた治療をすれば、
多くの場合はもとの聴力に戻る。
一方の感音難聴は、内耳(ないじ)から脳までの間の一部に
問題が起こることで発症するもので、加齢による難聴は後者だ。
筑波大学医学医療系耳鼻咽喉科教授の田渕経司さんが解説する。
「内耳には『蝸牛(かぎゅう)』というカタツムリのような形をした器官があり、
入ってきた音を振動として感知し、電気信号に変えて、脳に伝えています。
しかし老化に伴い、蝸牛にある『有毛細胞』の機能が低下して、
音の振動を察知しにくくなるのです。
また、電気信号を認識する脳の神経細胞が衰えることも
難聴を悪化させるといわれています」(田渕さん)
つまり、聴力は、脳の機能とも大きく関係しているのだ。
☆アルツハイマーの原因の約1割は難聴
川越耳科学クリニック院長の坂田英明さんが言う。
「私たちが、ほかの人の話し声を『言葉』として理解できているのは、
耳で音を聞くだけでなく、脳が音を言葉として、認識しているためです。
大脳を中心に海馬などと連携しているのです。
『音は聞こえるが、何を言っているのか、理解できなくなった』、
『複数人が同時に話すと理解できない』という人は、
耳だけではなく、脳の機能が落ちている可能性が高い」
さらに恐ろしいのは、その“聞こえづらい”状態を放置すると、
認知症になるリスクが上がることだ。
「難聴になったことがきっかけで、認知機能が低下し、
アルツハイマー型認知症を発症するケースは少なくありません。
実際、アルツハイマー型認知症の約1割は、
難聴が原因だという研究データもある。
耳が聞こえづらくなることで、人づきあいも減り、
外出がおっくうになって、家にこもりがちになり、
筋肉が落ちて、フレイルの状態になるケースも少なくありません。
そのまま、寝たきりになる可能性すらあるのです」(坂田さん・以下同)・・ 》
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。
恥ずかしながら聴力と難聴に関して、初めて学んだりした。
《・・伝音難聴は、中耳炎や外耳炎など、耳の入り口から鼓膜までの部分に
障害が生じることで引き起こされるが、症状に応じた治療をすれば、
多くの場合はもとの聴力に戻る。
一方の感音難聴は、内耳(ないじ)から脳までの間の一部に
問題が起こることで発症するもので、加齢による難聴は後者だ。・・》
私は懇親会、冠婚葬祭などの会合で、
亡き母の遺伝を素直に受け継いだ為か、男の癖におしゃべりで、
積極的に談話したりしているが、こうした時は相手方の会話は十二分に聴き取れ、
不自由したことはない。
ただ家で、ぼんやりとテレビを視聴している時は、
齢を重ねてきた私は、無念ながら聴力が衰えてきた・・。
今回、ドキ・・としたことは、いつの日にか、
《・・難聴になったことがきっかけで、認知機能が低下し、
アルツハイマー型認知症を発症するケースは少なくありません・・》
こうしたことに注意して、過ごそうと思ったりした・・。
体力の衰えを感じている私でも、その時に応じて溌剌とふるまったりしている。