夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
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認知症「早期」治療ルポ 健常でも継続するべき「7つの習慣」、76歳の私は学び、微苦笑を重ねて・・。

2021-08-10 15:19:33 | ささやかな古稀からの思い
先程、ヤフージャパンより配信されたニュース見ている中、
『 認知症「早期」治療ルポ 
               健常でも継続するべき「7つの習慣」 』、
と題された見出しを見たりした。

私は東京の調布市に住む年金生活の76歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、たった2人だけ家庭であり、
そして私より5歳若い家内と共に、古ぼけた戸建てに住み、ささやかに過ごしている。
 
こうした中、もとより健康でなければ、自身の日頃のささやかな願いも叶わないので、
歩くことが何より健康体の源(みなもと)と思い、そして適度な熟睡する睡眠、或いは程ほどの食事が、
セカンドライフの私なりの健康体の三種の神器として思い、年金生活を丸16年半を過ごしてきた。



こうした中、私は過ぎし6年前の70歳を過ぎた頃から
齢を重ねるたびに、物忘れが多くなった、と改めて気付き、
独り微苦笑する時もある・・。

たとえば家内とテレビの旅番組を共に視聴したりしている時など、
あそこも行ったよねぇ、と私は家内に言ったりした時、
その地の情景などは鮮やかに重ねることができても、
肝心の地域名が言葉に出来ないことが、もどかしさを感じることがある。


しかしながら、私の幼年期のことなどは、何故かしら鮮明に思いだせるのである。

たとえば農家の祖父と父が健在だった頃、

所有していた田畑、雑木林、竹林、田んぼの中で流れていた小川などの情景、
或いは初めて観た映画作品は、小学校に入学する前年の1950年(昭和25年)の夏、
『長崎の鐘』を母に連れられて鑑賞したこと、今でも心の片隅に残っている・・。


   

そして昨今でも、新聞、ネットのニュースなどを読んだり、テレビでニュースを視聴したりすると、
やがて数日後には、忘れてしまうこともあり、溜息ばかり重ねたりしている。

私が恐れていることは、いつの日にか認知症になってしまったら、
自身の意志が伝わらず、ささやかな日常生活に困苦するので
《・・健常でも継続するべき「7つの習慣」・・』って、
どのようなことですか、と思いながら真摯に記事を精読してしまった。

この記事は、フリー記者・山本朋史さんが実体験に基づいた寄稿文であり、
『週刊朝日』の2021年8月13日号
掲載され、
関連の公式サイトの【 AERA dot. (アエラドット) 】に8月10日に配信され、
無断ながら、記事を転載させて頂く。



《・・ 軽度認知障害(MCI)から、リバーター(元の健常な状態に戻った人)となった、
と3年前に朝田隆医師から言われたぼく(フリー記者・山本朋史)は、
いまも認知症早期治療を続けている。通算7年半になる。

リバーターへのキーワードは、「継続」だ。
しかし、これは簡単なことではない。
5年ぶりの掲載となった実体験ルポ「ボケてたまるか!」第4弾<下>は、「継続のコツ」について。

【この記事の写真の続きはこちら】
専門医によると、もの忘れ外来で受診した人たちの対応は、大きく次の3パターンに分かれる。

 (1)早期発見→早期絶望
 (2)認知症の疑いを完全否認する
 (3)認知症との徹底抗戦

ぼくの場合は(3)と主治医の朝田隆医師はいう。
「徹底抗戦」などという勇ましい意識は、みじんもなかった。

でもガンバロウ、と心に決めていた。
誰もができる簡単なことが、リハビリにつながるのだ。
それを黙々と続けた結果が効果を生んだのではないか。


朝田医師によると、デイケアに通い始めても、数カ月でやめてしまう方も多いそうだ。
ぼくだって最初は、

「こんなので、効果があるのか」
と疑問に思って、途中で何度もやめようかと思っただけに、気持ちはよくわかる。

しかし、継続が大切だ、とそのたびに忠告された。


認知症のリスクを減らすトレーニングに、即効性はない。
半年とか1年続けてこそ、それも少しずつ効果が認識できる種類のものだ。

ホウレン草を食べたポパイが、急に強くなって乱暴者を懲らしめるのは漫画の世界で、
青魚をはじめ認知症防止に有効とされる食品があるけれど、即効を期待するべきじゃない。

食事だったら結果が出るのは、数年後が当たり前だ。


高齢者の4人に1人が、認知症または軽度認知障害(MCI)と言われ、
国内の患者数は合わせて、800万人以上と推定される。

しかもコロナ禍が続き、自宅にこもって生活する高齢者も増えた。
認知症リスクは、さらに増大している。



ぼくが週1で通うメモリークリニックお茶の水のデイケアでも、
外出自粛のために、一時期デイケアに来られなくなった人が急増した。
そのため外部講師のプログラムも、休止せざるを得ない時期も続いた。

人との接点を奪う外出自粛は、軽度認知障害(MCI)の人にとっての危機である。

朝田医師はコロナ禍対策として、デイケアに直接来られなくても、
ネットで自宅からでも参加できる「どこでもデイケア」を昨年春から配信している。

1回40分ほどのプログラムで、ぼくの好きな本山式筋トレや音楽サロンなどもある。


ぼくはデイケアとは別に、通い始めたスポーツクラブが休館の間も、
自宅でネット動画を見ながら、ピラティスやヨガをやるなど運動を継続。

並行して「どこでもデイケア」で、脳に刺激を与え続けた。
画面を見ながら、一人で硬い身体を動かしたり下手な歌を歌ったりすることには、
最初は抵抗感もあった。

でも慣れてしまうと、便利でもある。
ただ、やはり配信は、一方通行なだけにもの足りない。
仲間と触れ合えるデイケアの場は不可欠だ。


ぼくは7年半に及ぶデイケア通いの効果を確信している。

フィジカルトレーニングばかりでなく、生活全体を見直す契機をもらっている。
食事も偏ったものから、野菜中心のバランス重視へ、アルコールも控えめになった。
体調は、現役の記者当時より、断然いい。

クリニックで半年に1回行われる認知機能テスト(心理テストも含む)の成績は
回を追うごとにアップし、最近は、ほぼ満点の状態が続いている。
これもリハビリを継続した結果だ、と朝田医師からは言われた。



ぼくは65歳で、会社人間を卒業するときに、朝田医師に相談した。
男性の場合、女性より社会になじむのが苦手で、
退職後に認知症を発症したり、症状が進行したりするケースが多い
と聞いていたからだ。

そのときに朝田医師から、これまでのリハビリを継続するためにも、

「良い習慣づくり」が大切だと言われた。
会社に通勤するという毎日の習慣がなくなって、自宅でテレビを見て過ごすケースが多いという。


退職後のぼくは、決まった時間に決めたことを、
短時間でもいいから、必ず行うよう自分に義務付けている。

ぼくなりの生活スタイルを決めて、「テレビのボーッと見」だけは、
避けようと言い聞かせてきた。



(1)運動

散歩は、早朝に20分。
うちの犬チャイは、グズでゆっくりしか歩けないので、
一人で、できるだけ歩幅を広げて早足で、を心がけている。


ぼくの場合、60歳を過ぎてから毎日同じ時刻に自宅を出ているのに、
乗ると決めた定刻の電車に間に合わないことが続いた。

東京都荒川区にある自宅から、駅までの距離は1キロメートル弱。
それまで12分あれば十分だったのに、1分遅れ2分遅れ、
軽度認知障害(MCI)と診断されたころは、16分以上もかかっていた。
おまけに、ときどきつまずいたりする。


認知症予防のトレーニング指導に長年携わっているトレーナーの本山輝幸さんに助言を請うと、
「年を取ると、歩幅がだんだん狭くなってきます。
前に出す足を1センチか2センチ遠くに放り出すようにして、歩いてみてください。
かかとから、足が地面につく。

すると認知症リスクも減るのです。
散歩の習慣はお勧めですが、ダラダラ歩いていても、予防効果はない。
少し息が荒くなるくらいの早足で」
と言われた。

忠実に実践して、少しスピードは戻った。



筋トレは、午前7時45分から15分。
デイケアでのトレーニングなどとは、別の本山メニューだ。

床にヨガマットを敷いて、腹筋と背筋を鍛える運動(10回ずつ)、
それから曜日によって、上半身(主に腕立て伏せ)と
下半身(足を前後に開いて股関節を曲げ伸ばしするランジとスクワット)を交互に鍛える。

もちろん、鍛える筋肉に意識を集中して「痛み」を感じるように、
ゆっくりやることが大切だ。
15分でもゆっくりやると、汗が噴き出てくる。



(2)料理

料理は、朝と昼。
炊飯器のスイッチを入れて、玄米が炊き上がる30分の間に、効率よく副菜を作る。
野菜を中心に、肉魚を組み合わせる。

スーパーに材料を買い物に行くところから、料理の段取りは始まる。
難しい料理は無理なので、便利な餃子など冷凍食品も活用している。

時にはフライパンでやけどするなど失敗もあるが、
自分で調理すれば、楽しいし節約できる。
少々まずい料理でも、完食できる。




(3)音楽

音楽は、弦楽器のプサルテリーを時間を見つけて15分ほど弾く。
月に1回は指導を受けている音楽家の折山もと子さんが開く楽器練習会に必ず参加、
デイケア仲間と楽しむ。

ウクレレも最初に比べると、格段に上達している。

プサルテリーをやり始めたころ、
TBSラジオの番組、永六輔さんの「六輔七転八倒九十分」に生出演した。
2016年1月のことだ。

軽度認知障害(MCI)と診断されてから、どんなトレーニングをしたか、
問われるまましゃべった。

そのときにどんな音がするのかと聞かれ、
「上を向いて歩こう」(中村八大作曲、永六輔作詞)のさわりを弾いた。

すると、
「選曲がいいね」
と車椅子の永さんは、にっこり。

生番組で間違えたらどうしようと思ったが、平静でいられた。
30年以上のお付き合いがあった永六輔さんが、亡くなる半年前だった。


音楽は「継続」に欠かせないアイテムだ、と最近特に感じている。
スポーツクラブでは音楽に合わせて、身体を動かすズンバを始めた。

最初は動きが音楽に遅れて
「横や正面の鏡を見ると、タコ踊りにしか見えない」と自分で思ったし、
周りの女性に笑われている気がしてヒケた。

でも、トレーナーから「自分流に身体を動かせばいいのです」と言われて
構わずに続けるうちおもしろくなった。


折山さんから習った「わからないときは、ごまかす技術」は、だいぶ向上した。

音楽に合わせて身体を動かすと、ドーパミンという神経伝達物質が出て
気分を良くすると言われている。
運動や美術も音楽を聴きながらやると、楽しい気分になるのはそのせいだ。


スポーツクラブでは、パラリンピックの正式種目であるボッチャも始めた。
白のボールの近くに2チームが、赤と青のボールを近づける競技。
氷上のカーリングに似た部分もある。

力を加減して、ボールを投げるのがコツだ。
仲間同士で作戦を練る必要もある。

本山さんにそのことを話すと、

「ボッチャは、私も認知症リスクを減らすには、有効なゲームだと思っています。
認知症の症状が進むと、力加減ができないケースが多い。

力加減をして、ボールを思った所に投げるには、感覚神経が大切です。
それがゲームで養われる。
仲間との会話も生まれるし、どんどんやったほうがいいですよ」




(4)絵画

絵画は、タイミングのいい時間を見つけては、スケッチをする。
絵が好きだったぼくは、デイケアの美術療法プログラムは得意で、毎回プログラムに集中できた。

ぼくは軽度認知障害(MCI)と診断されたことを
誰よりも先にスケッチに何度も同行した画家の安野光雅さんに報告した。

集中力を養うために行っている美術療法をめぐりスケッチが
本当に有効なのか、と安野さんに聞いたことがある。


「凝視という言葉があるでしょう。
じーっと対象物の花を集中して見続けると、他のものが見えなくなる。

例えば、この店のメニューのアラカルトという文字の『ル』を集中して、
5分間凝視してごらん。
『ル』が浮き上がって、他の文字が見えなくなる。
絵を描くのには、集中力が必要になってくる」


なるほど。
集中力の高まりが、作品を描くたびに感じられた。
どんどんうまくなっているような錯覚にも陥って、あるとき、

「ぼくの作品です。進歩したでしょう」
と不遜にも安野さんに数点見せたことがある。

すると、安野さんは直接の評はさけて、

「知り合いに有名なテレビ記者がいてね。
絵を描くのが好きで、誰にでも作品を見せたがる。
人を集めて画廊で展覧会までした。あまりうまくもないのに」

やんわりと自宅で楽しみなさい、とアドバイスされたのだろう。

それでもぼくは、デイケアで教わったことを進化させて、
紙粘土を使ったアートフラワーや人形を作ったり会った人の似顔絵など描いたりして、
ささやかにアピールしてもいる。


作品をデイケア仲間や隣人にあげると、お世辞でも喜んでもらえることが張り合いになって、
また脳を刺激するみたいなのだ。
カバンには絵の具や筆、4Bの鉛筆(最近は紙粘土も)を常備、喫茶店で絵を描くことも。




(5)昼寝 

不眠症に悩んで、睡眠導入剤を服用していたがやめた。
時々、昼寝。30分ほどウトウトするとスッキリ。
それ以上は、夜眠れなくなるので注意。


(6)歯磨き 

歯磨きセットを携帯、人と会う前には必ず磨く。
1日5、6回は、磨いているはずだ。
一定時間磨かないと気持ちが悪い。


(7)脳トレ 

脳トレは、朝起きてすぐ5時20分から15分、
iPadでアメリカで開発された認知機能アップゲーム「ブレインHQ」を開く。


不定期に入ってくる取材や原稿書きの仕事をこなし、
スポーツクラブにも通っているので、結構タイトな日々だ。
そのなかで「七つの習慣」をできる限り続けている。


デイケア仲間は、毎日そんなにいろんなことが、できるはずがないと言う。
でも1項目につき所要時間は、15分から20分ほど。

もちろん楽しいから続くのだ。
楽しむことは、継続のもう一つのキーワードだと思う。
ストレスになるなら逆効果。

筋トレがつらければ、ラジオ体操でもいい。演奏を歌に変えてもいい。
自分だけのオリジナルの習慣を作ってみては。

楽しいと思えることを見つけて、一つか二つだけでいいから
習慣化することができるといいと、ぼくはそう話している。(フリー記者・山本朋史)・・ 》

注)記事の原文に、あえて改行を多くした。

 
今回、フリー記者・山本朋史さんの寄稿文に導かれて、
《・・健常でも継続するべき「7つの習慣」・・》多々教示され、微苦笑したりした。

(1)運動に関しては、
殆ど毎日のように自宅の周辺にある遊歩道、公園を散策しているが、
デジカメを持つことが多く、ともすれば忘れてしまう情景もあり、
魅せられた情景を一期一会ねぇ・・、と記憶のかたみと撮ったりしている。

こうした関連で、立ち止まったりして、この後は早足で歩いているが、
実情となっている。

(2)料理に関しては、
家内が家内の母を介護に行っている時は、私は『おひとりさま』になったので、
程々の若葉マークの初心者として、実行してきた程度である。

(3)音楽に関しては、
私は楽器も弾けず、楽譜も読めない身であるが、
聴くことは大好きなひとりである。

(4)絵画に関しては、
私は小学生の時、写生などでリンゴを描いても、
美味しそうに描く意欲ばかりで、結果的には通信簿『2』の劣等生となっていた。

(5)昼寝に関しては、
このサイトで、幾たびも記載してきたので、省略する。

(6)歯磨きに関しては、
タバコを喫っていた一昨年の初春まで、一日に数回を磨いていたが、
禁煙後の今は、朝と寝る前に、丁重に磨いている程度である。

(7)脳トレに関しては、
特に行っていないが、好奇心を失くしたら、この世は終わりだ、
と信条を重ね、何ごとも好奇心が衰えず、過ごしている。



このような私は、これといった特技もなく、年金生活16年半を享受して、
こうして過ごせるのは安楽だよねぇ・・と思い深めたりしている。
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