こんにちは、このブログにみにの「連れ」として時々登場している寝太郎です。
某日は、ちょっと調子が悪いというみにの代打で、ランチをリポートすることになりました。
グルメでもなんでもないおっさんがひとりで飯を食う。
ただそれだけの記録なので、どうかご覚悟を。
向かった先は、蒲田の「大三元」(ダイサンゲン)。
昔ながらの街の中華料理店そのものの外観。
いちおう地元なので場所は覚えていたものの、入るのはこれがはじめて。
食べログで知ったのだが、どうやら人気店らしい。
不明を恥じつつ、11時の開店と同時に暖簾をくぐった。
細長い造りの店で、手前にカウンター。奥にひとつだけテーブル席が見える。
カウンターの奥がやはり細長い厨房で、年配のご夫婦とおぼしきおふたりが
背後の棚を背負うようにして立ち働いている。
奥にいる男性がご主人、手前の女性が奥さんだろう。
ここへは目当ての料理があって来た。
カレーだ。これもネットで知ったのだが、この店の名物なのだという。
カレーが名物の中華屋さん。
いいじゃないか。家庭的で、あったかい料理を期待できそうだ。話の種に一度食べてみよう。
名物のカレーは、毎日メニューに並ぶわけではない。水曜日から土曜日までだけだ。
店先のこの張り紙を確認してあったので、満を持してご主人にカレーを注文し、
セルフサービスの水を汲んで、待つ。
みにに倣って、テーブル上にセッティングされたものを記しておくと――
醤油、酢、ラー油、胡椒、七味唐辛子、爪楊枝。割り箸はまとめて割り箸立てに。
右手を見ると、ぎっしり漫画が詰まった棚があった。気取らない、まさしく街の中華屋だ。
開店したばかりだが、カウンターにはわたしを入れて三人の客。
厨房を眺めていると、奥さんが他のお客さんが注文したラーメンの麺を茹ではじめた。
造りつけとおぼしき背後の木製の棚には食器が整然と並んでいたが、
腰の高さに引き出しがあって、そこから麺の玉を取り出すと、
湯の沸いた寸胴にほぐし入れたのだ。
引き出し入りの麺に風情を感じた。
同時に、奥さんは小鉢にスープの準備もしている。
レードルでタレを注ぐとネギを入れ、すくったスープを平ざるで漉してたっぷり注ぐ。
わたしと、もうひとりカレーを注文した客に、熱々のスープを渡した。
カレーライス(並)@700
ほどなくカレーも完成。盛りつけたのはご主人だ。
うん、いいね。ライスはこんもり、ルーはもってり、肉はごろりと。
福神漬けの食紅がいいアクセントになっている。そんなに食べているわけではないが、
傍らのスープと相まって、「中華屋さんのカレー」かくあるべし、といういでたちだと思った。
ぺらっとしたスプーンも、これでなくてはという感じで、なんというか、チープなところが好もしい。
お供に連れてきたノブローとレンタローもご機嫌そうだ。
カレーはサイズを選べる。(小)と(大)もあったが、今回は並。
しかし、見るからにボリュームがあるな。ひと口すくって食べる。
ルーはこってりしてコクがあり、ブラックペッパーが効いている。
思ったとおり、日本的、家庭的なカレーで、安心感がある。謳っているほどには辛くなく、
スパイスがもっと効いていてもいいかもしれない。
ライスももうちょっと固めに炊いたほうが自分の好みなのだが、
「こういうカレー」として物足りなさは感じない。
大きく切られ、歯ごたえを残した豚バラ肉も充分な量だろう。
中華スープはみにの言う「正しい醤油味」。
昭和生まれの人間の郷愁をかき立てる味わいだ。
わたしは、ご飯に対して消費するルーの比率が高い人間なので、足りなくならないよう
途中からは調節しながら食べたが、ルーの量もたっぷりしていると思う。
そんなことを考えながらも、スプーンを止めずに、きれいに平らげてしまった。
ちなみに、米は国産米だそう。
東京都米穀小売商業組合加盟店の納品米であることを示す張り紙があった。
日常の延長にある飾らない味だが、個人店の、その店ならではの
ぬくもりを感じさせるカレーで、満足感と満腹感をしっかり得た。
食べたばかりなのに、もう懐かしくなっている。そんな味だ。
大三元(ダイサンゲン)
東京都大田区西蒲田7-33-11
TEL 03-3739-3937
営業時間/ 月~金 11:00~14:30、17:00~20:00 土 11:00~15:00、16:30~19:30
定休日 日曜、月曜、祝日 -店舗情報「食べログ」より-