峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

介護保険制度

2008年10月03日 | 民生児童委員
一昨日、町からの配布物を各班長さん宅へ届けている途中、仕事帰りの浜田さん(仮名)と出会った。
浜田さんのお宅は、お父様が重度の障害をお持ちだが、お母様と浜田さんがお父様を支え、3人仲睦【むつ】まじくお暮らしだった。
ところが、先日お母様が体調を崩され入院なさった。そのことで浜田さんの負担が増えた。それまで朝食だけはお母様に作ってもらっていたのがご自分とお父様の食事の用意をすべて浜田さんがしなければならなくなったのだ。

しかし、浜田さんの不安はその先にある。
間もなく、お母様が退院されることになっているが、なにぶんご高齢のお身体、ずいぶんと体力が落ちておられるとのことだ。
そこで浜田さんは介護サービスを利用することを思い立ち介護認定を受けた。ところが、浜田さんの予想に反して要支援という判定が下された。要支援では浜田さんの望む日常生活の家事の援助の時間に大きな制約があるのだ。

浜田さんはこの認定に大きな不満を抱えておられる。実は、お母様は認知症の症状が出ておられるのだが、彼らはその大変さが分かっていない。このままでは自分がつぶれてしまうのではないかと恐れておられるのだ。
私も、民生意委員になって以来ずっとお母様とお付き合いさせていただいてきたが、その症状が進んできていることを感じていただけに浜田さんの不安・憤【いきどお】りがよく分かる。
一通り、お話を伺い、私の方からも包括支援センターの担当職員の方とよくお話をさせていただきますからと別れた。

早速、昨日の午前中、包括支援センターに電話をしたが、あいにく担当者が休みだった。電話口に出られた方に用向きを話し、翌日再び電話することにしていた。
そして、きょう今しがた電話を終えたばかりのところだ。

昨日の午前中、企画財政課の課長と2時間ほど意見交換をした。お互いに1度ゆっくり話しましょうと約束していたのだが、彼が飲まないものだから、なかなかその機会がなかった。
話し合いは、たいへん有意義なものだった。その最後に一つお願いしたことがあった。それは制度の運営に当たっては、個別に丁寧【ていねい】に柔軟に対応していただきたいということだ。ややもすると、役所の仕事は単に数値的なものだけで画一的に切り捨てる傾向がある。それは両者にとって極めて不幸なことだ。
同じことを浜田さんの担当者にもお願いした。

介護保険制度は、高齢化や核家族化が進む中で介護を必要とされる人を社会全体で支えていこうという崇高な理念の下に2004年に始まった。
しかし、私の知る限り浜田さんの例のようにその実態はお寒い。これは、決して現場の問題だけではない。

政治の責任は重い。
コメント
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