「あなたのセーター袖口掴んで うつむくだけの私 そばにいたいの その一言が言えない・・・」そんな歌詞を思い出している。親指と人差し指でそっと掴んだセーター。
抱きしめられたその腕の中にずっといたい・・・。「あと1分」。というコインランドリーの洗濯終わりまでの時間。観た人にしかわからないでしょうが、コインランドリーが舞台のにくい演出。1分すぎると現実に帰って照れてしまう。照れながらも今までとは違う二人・・・。
「ねぇ‥」としか言えない。いや、「ねぇ」とも言えず袖口もつかめず後ろを見ないで歩いて、そっと振り向いたら、あなたも振り向いていた。それでもまた歩き出した。それはやはりロマンだった。若者のあいも大人のあいももどろっかしいことがある。それが「ロマン」なのかもしれない。
昨日親友に、亡くなられたSさんとの思い出が一緒に食事をしたことばかり出てくる話をした。思い出すシーンを話したら、それは私がとても幸せなことなのだという。ニコニコして食事している3人を思い出して幸せと感じることは、それは私の今の心情だという。
「あの世に持って行けるものは『想いで』だけよと言っていたけど、『想いで』すら持って行けない。目の前にあるこのもやもやとした自分の感情だけよ」と親友は言った。もやもやふわふわしたこのしあわせ。そういうしあわせで包まれていけたらと思う