朝8時、市長の放送が市内に流れる。えっ!と最初は思ったが、緊急事態宣言時、不要不急の外出は控えてくださいという内容だ。録音で流されているのだろうが、なにか新鮮なものがあった。でも、この田舎で敬老の日とお月見とお彼岸がトリプルでくれば、出かけないわけがない。
今日は萩の花を見に行くことにしていたが、行きたかったお寺は「緊急事態宣言のため閉門」で、京都へ足を伸ばすにはややお疲れモード。彦根の天寧寺へ出かけた。「萩は昔の人を思い出されるそうです」と言われた。「昔の人」??まぁ、だれが出るか行ってみようか。
萩は2分咲くらいだ。だからではないが、だれも思い出さない。もうそういう人はいないのだろう。ざわざわする心を落ち着けるにはお寺がいい。ここには五百羅漢がある。誰もいないのでお堂に座っていた。気分もすっきりして、早めに帰宅することにした。車窓から琵琶湖の碧がうつくしい!
「残ったものは自由だけよ」と親友はいった。確かに、自由な時間はたっぷりある。でも、それも残り少なくなった。やがて思うように歩けなくなり、自由が減っていくだろう。それでも心は軽いほうがいい。思い出す人もなく、ただいま大事なものを胸に抱いて生きている。
ワンちゃんもご機嫌で泳いだ。