剣ではなくそろばんで生きる、今なら県庁の会計係とでも言えるサラリーマン武士のお話。代々可もなく不可もなく勤めてきたのだが、くそ真面目な主人公の代になってみたら家計が借金まみれであることが判明。余分な家財を始末し、節約生活に努め、ついには借金を返済し終わるのだが、その過程での家族の耐乏生活がほほえましく描かれる。原作は、著者が古本屋で手に入れた金沢藩士の出納帳を読み解いた新潮選書の同名の本である。
古文書を読み解いた原作ということで思った。人類が文字を得てから長い間、その記録媒体は紙と筆、ペンだったわけだが、コンピュータの出現でその媒体がこの何年かで目まぐるしく変わっていることにあらためて驚く。100年後の子孫たちはどうやって記録を発見し読み解くのか興味深い。
膨大な借金に気づき、真面目にその返済に追われる主人公がもし現代に現れ、今の日本の財政状況を知ったらなんというだろうか。誰も真剣にその返済を考えていないのにはあきれるばかりだろうな・・・。
ということで、映画を見終わり街に出るとクリスマスムードいっぱい。夕方になるとルミナリエ目当ての人が湧いてくるので早々に退散する。