クリント・イーストウッドが大リーグの選手のスカウト、ガスを演じている。パソコン上のデータで判断する昨今のスカウト連中とは違い、実際に球場に足を運び、目と耳で得た情報を元に金の卵を探す昔気質の老スカウトである。球団からの契約更改も怪しくなり、自分でも最近目が悪くなっていることを自覚して揺れ動くなかドラフト指名会議の時期が近づいてくる。
彼には妻に死に別れた後親戚に預けたり、寄宿舎に入れたりしてあまりマメに子育てはしてこなかった1人娘ミッキーがいて今はバリバリのキャリアウーマンになっている。そんな娘が父親を心配して訪ねてくるがなんとなくギクシャクしてまともに話ができない。
1人の高校生の有望な選手を指名するかどうかで球団内で議論になり、ガスは弱点を見抜いて指名しない方がいいと進言するが、結局データ重視の幹部たちに押し切られその選手は指名される。しかしその後思わぬ方向に話が進み、彼の判断が正しかったことが証明される。
最後はなんだか都合がよすぎる話にも思えるが、物語としてはおもしろかった。「老いたり!イーストウッド」だが、それがそのまま味になっているところが憎い。