ロッコさんの散歩

街を歩く。近くの山に登る。店に入って安くておいしいものを食べる。掘り出し物を見つける。それが散歩の醍醐味。

ホキ美術館名品展

2012年12月14日 | その他

千葉市にある写実派の作品ばかりを集めているホキ美術館に以前から興味があったのだが、今回新装なった梅田の阪急デパートでその巡回展をしているとのことで観にいった。展示されていた作品はみなスーパーリアルである。

近づいて見ると確かに油絵なのだが、1Mほど後に下がってみれば写真にしか見えない。というよりある意味、写真よりリアルかもしれない。油絵といっても絵の具を盛り上げる技法ではなく薄く薄く塗った技法で描かれている。肌の質感、しわ、浮かび上がった血管、髪の毛、衣服の襞、自然の光、水面の波紋など、とても描いたものとは思えないほど美しく見えるが、写真とも違った感じがして、なんだか不思議な気持ちにさせられる。

キャンバスに丸を描いただけ、みたいな抽象画の画家に爪の垢でも飲ませたいほどの精緻な作品ばかりである。それにしても一口に「絵を描く」といっても実にいろいろな表現方法、技法があるものだと感心してしまう。今回のような超写実のものから写実でも明らかに絵とわかるもの、少しデフォルメしたもの、かなりデフォルメしたもの、全く何かわからないもの等々。今回観た作品のその繊細さに圧倒されるものがあるが、同時にその整いすぎた美には少し息苦しさも感じたりもするのだった。

このチラシのなかで、写真はどれでしょうか?

 正解:一番最後の横長の美術館の建物のものだけです

観終わって茶屋町の丸善に行ったら絵本作家の長谷川義史の原画を展示しているコーナーがあった。さっきの作品を観た後だけになんだかホッとするなぁ、この緩さ。

                                

 

 

 

 

 

 

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