長い間山に登ってきた。その間重大な事故は起こさなかったがそれでも思い出すと冷や汗が出るようなことが何度かあった。事故に結びつく最大の原因は転んで滑落することである。そんな経験が3度ほどある。
その1
南アルプスの三伏峠から塩見岳を往復したときのこと。三伏峠から何度も登ったり下ったりの繰り返しででなかなかしんどかったが、ようやく頂上へ着いた。きれいな富士山の眺めを堪能し引き返すため岩場を下っていたのだが、足を置いた場所が悪かったのかバランスを崩し転倒、そのまま転げたが幸い少し下の平らになったところで止まった。転がった途中、頭の位置に岩がなかったので無傷で済んだが一つ間違えば大変なことになっていたと今思っても冷や汗が出る。これ以来岩場では必ずヘルメットを被るようになった。
塩見岳西峰からの富士山
その2
中央線笹子駅から笹子雁ヶ腹摺山に登った時のこと。頂上からは期待した富士山の眺めもなく、下りにかかった。雪の積もった樹林帯を下ったのだが足元の雪が崩れたような感覚があって転倒、2、3回転して木に頭をぶつけ止まった。衝撃はそれほどでもなかったのですぐに起き上がったが雪の地面にぽたりぽたりと鮮血が垂れているのを見て動転。落ち着けと言い聞かせ、少し下って足元が安定するところで救急セットをだし応急措置ができた。下山後念のため外科で治療してもらったが、翌日目の周りは腫れあがりすっかり糸目になってしまった。このときはアイゼン、ヘルメット、ストックなども持ってはいたが樹林帯なので木を頼りに下りて行けば大丈夫と思いどれも身につけていなかった。油断大敵、過信禁物、万全の装備を心掛けなければと反省しきり。
笹子雁ヶ腹摺山頂上
その3
ツアーに参加して明神平へ行ったとこのこと。明神平の霧氷を期待して行ったが残念ながら無氷だった帰りの下り、雪があったり途切れたりしていてアイゼンを外したかったのだが、ツアー行動なので指示のとおり付けたまま歩いていてスパッツに引っかけ転倒。ツアーのメンバーに見られてかっこ悪。アイゼン歩行の基本中の基本と十分承知していての転倒だっただけに心が折れた。
霧氷のない明神平
山登りをしようとするのだから比較的健脚のはずなのだがそれでもこけるときはこける。油断、慢心、過信、注意散漫だったなどと弁解してみるが転んだという事実は重い。一つ間違えば命に係わる。ただただ細心の注意と準備をすることぐらいしか妙案は浮かばない。
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