秋の山旅は終了したはずだったのだが、以前から行きたかった徳本(とくごう)峠越えを残してしまったのが気になって、また松本に舞い戻ってしまった
今は上高地に入るには松本から松本電鉄で新島々へ行きそこからバスを乗り継いで行くのが普通だが、この道ができる前は島々から標高差約1400Mの徳本(とくごう)峠を歩いて越える行く道しかなかった。文明の利器で行けるところをわざわざ歩くのだから今は訪れる人は少ないのだが、先人たちが歩いたそんな道を歩いてみたい。
新島々から上高地へ向かうバスはほぼ満員。そんななか、途中の島々で降りたのは私一人。ここが徳本峠の入り口となる。ここで標高724M、峠は2162M。登りがいのある道だ
0730時出発。このルートは傾斜の緩いダラダラ歩きが大半。特に二俣までは林道をひたすら歩くことになる。1時間半ほどで二俣到着。ここからやっと山道になるのだが、沢沿いの道の傾斜は相変わらず緩い。
途中炭焼き窯があったり
滝があったり
橋を何度も渡り
1040時岩魚留小屋到着。以前は営業していたが最近はほとんど開けてないようだ。小屋の脇には大きなカヤの木(多分)があってなかなかいい雰囲気のところである。ここまではほとんど陽が射さない沢筋の道だったので日当たりのいい小屋の縁側を借りて一休み
二俣からここまでのコースタイムは3時間とあるが実際は1時間40分ほどだった。コースタイムがずいぶん甘めのような気がする。ただ島々から登った高度は600Mほどにしかならない。傾斜が緩い分、山登りとしては効率が悪いが、峠越えの道としてはこの方が歩きやすいのかもしれない。ただ、沢沿いの道は部分的に狭いところもあって沢に落ちないよう要注意だ。ルートのわかりにくいところにはテープが付けられているが、途中一度だけ沢に入りこんで道を見失った。少し戻るとテープがあったが、結ばれていた木が倒れていて見逃していた。
緩かった道も少しずつ傾斜が出てきてまもなく「ちから水」到着。ちから水というわりには水の出は細く、ほんとうに力がわくのかなと半信半疑だったが、飲んでみると冷たくてうまい!ここからが胸突き八丁なので絶妙なところに出ている。
ここからやっと登りがいのあるジグザグの急坂となり、1340時徳本峠小屋到着。いきなり穂高岳の全貌が目に飛び込んでくる。峠としてこのロケーションはたまらない。
拡大すると
右のトンガリが前穂、その左に明神の1,2峰、さらに左のなだらかなところが奥穂、その左にはジャンダルムも見える。高さでは奥穂の方が高いのだが形としては前穂がかっこいい
コースタイムよりかなり早く着いてしまったのでこのまま明神まで下り、上高地のバスセンターまで行ってもバスの時間に余裕で間に合い、松本までなら日帰りも可能だが、小屋を予約していたのでここで泊まって明日下りることにしてゆっくり眺めを楽しむ
今日このルートで出会った登山者は紅葉シーズンの土曜日だというのに上りも下りも3名ずつだった。それでも小屋はほぼ満員。上高地側から登ってくる人が多いが全ルートを歩く人はやはり少ないようだ
夕飯はハンバーグ
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