■ストーリ
ハルオと立人と私。恋人でもなく家族でもない三人が
始めた共同生活。この生活の唯一の禁止事項は「同居人
同士の不純異性行為」―本当の家族が壊れてしまった
私にとって、ここでの生活は奇妙に温かくて幸せなもの
だった。いつまでも、この居心地いい空間に浸っていたかったのに…。
表題作「幸福な遊戯」他「無愁天使」「銭湯」全三篇。
■感想 ☆☆
私は幸せな家庭で愛されて育った。
平凡だけれども満たされた毎日を送っている。
幸せをわざわざ実感することもないほど、幸せに囲まれて
日々の生活を送っている。そういったことを目の前に
突きつけられるような作品。
作品の中で、主人公たちは自分の居場所を探してもがき
あがいている。今とは違うところを求めて、平穏を求めて
じたばたしているのに、一生懸命進んだ場所はやはり
沼地で身動きがとれないでいる。
その痛々しさに私まで窒息しそうになる。もがいてもがいて
それでも彼女たちは、人に助けを求めようとしない。
自分ひとりで現実を受け止める。
いや、違う。彼女たちはもがいて苦しんではいるけれども
それは「現実を乗り越えるため」ではなく「現実から
逃避するため」のもがきなのだ。だからもがいても
もがいても、次にたどり着く場所は今までとたいして
変わらない場所なのだろう。どの作品も、彼女たちが
ようやく現実を真正面から受け止めるところで終わりを迎える。
圧倒的な痛々しさとほんの少しの希望。
甘えを許さない姿勢に息苦しくてたまらない時間を味わった。
ハルオと立人と私。恋人でもなく家族でもない三人が
始めた共同生活。この生活の唯一の禁止事項は「同居人
同士の不純異性行為」―本当の家族が壊れてしまった
私にとって、ここでの生活は奇妙に温かくて幸せなもの
だった。いつまでも、この居心地いい空間に浸っていたかったのに…。
表題作「幸福な遊戯」他「無愁天使」「銭湯」全三篇。
■感想 ☆☆
私は幸せな家庭で愛されて育った。
平凡だけれども満たされた毎日を送っている。
幸せをわざわざ実感することもないほど、幸せに囲まれて
日々の生活を送っている。そういったことを目の前に
突きつけられるような作品。
作品の中で、主人公たちは自分の居場所を探してもがき
あがいている。今とは違うところを求めて、平穏を求めて
じたばたしているのに、一生懸命進んだ場所はやはり
沼地で身動きがとれないでいる。
その痛々しさに私まで窒息しそうになる。もがいてもがいて
それでも彼女たちは、人に助けを求めようとしない。
自分ひとりで現実を受け止める。
いや、違う。彼女たちはもがいて苦しんではいるけれども
それは「現実を乗り越えるため」ではなく「現実から
逃避するため」のもがきなのだ。だからもがいても
もがいても、次にたどり着く場所は今までとたいして
変わらない場所なのだろう。どの作品も、彼女たちが
ようやく現実を真正面から受け止めるところで終わりを迎える。
圧倒的な痛々しさとほんの少しの希望。
甘えを許さない姿勢に息苦しくてたまらない時間を味わった。