奈良県の建築家が日々思う設計事務所の家づくり日記、住まいの設計や住宅設計、注文住宅、注文建築、暮らしの事、収納の事

住宅の設計・リフォーム、暮らしのデザイン提案を家具や生活習慣まで丁寧に考えています。

空間と家具と人との関係性を環境からも人間工学的にも心地よく過ごす為の設計の付加価値とインテリアと融合する間取り提案を考えています。

2024年06月08日 | 設計の事デザインの事

家具と暮らしの時間、

座っているのに疲れるという

過ごし方にならないように。

 


※インテリア・家具提案ショールーム・モルテー二大阪


何故、座っていても疲れるのか?。

食事、仕事、歓談、余暇の時間。

 

私たちは椅子に座って

様々なことを行い、

多くの時間を過ごしています。

 

座るという行為は

自重を何かに

預けているという状態であり、

立っているよりも

身体的な負担が

軽減されているという

状態です。

 

それにも関わらず、

長時間着座していると

疲れを感じる、

という人は少なくありません。

 

それはなぜか?。

 

立っているより

座っている方が楽なのはなぜか?。

 

まず立っているよりも

座っている方が楽と感じる、

あるいは実際そうであるという

理由を考えてみます。

 

筋肉の活動率の違い。

 

通常人は直立状態を

維持するには骨(靭帯)だけでは難しく、

「抗重力筋」という筋肉が

活動することで

身体のバランスを保っています。

 

端的に言えば、

重力に対抗して

正しく安定した姿勢を

維持しているという事です。

 

座っている状態は

抗重力筋の活動が

抑えられている状態ですから、

立っている状態と比べて

エネルギー消費が低い(状態)と言えます。

 

体内のエネルギーを

消費すると

乳酸と呼ばれる

疲労物質が生成されます。

これが疲れの原因の1つです。

 

よく“乳酸が溜まる”と言われるものです。

 

座っている場合は

筋肉の活動量が少ないので

疲労が溜まりにくい、

すなわち楽な状態だと

考えることができます。

 

もう1点交感神経と

副交感神経の作用

という観点でも違いは明白です。

 

立っている時は

交感神経が優位な状態とされます。

エネルギー代謝量が多いことに加えて

各種神経も興奮している状態です。

 

体内のエネルギーをより使うこと、

つまり疲労に繋がります。

 

一方で座っている場合は

副交感神経が優位な状態です。

 

穏やかな安静状態に

身体をコントロールします。

この2点から

立っているよりも

座っている方が楽だと

結論づけることができるのです。

 

では楽な姿勢をとっているのに

何故疲れてしまうのか?。

あるいは腰や肩に

痛み疲れを感じる事になるのか?。

 

それには以下のような

理由が考えられます。

まず背中のS字ラインの

崩れが考えられます。

 

人の背骨はS字型にカーブした形状です。

正しい姿勢だと

背骨のS字のカーブがしっかりと保たれ、

その姿勢を保つことで

疲労感が抑えられます。

 

しかし、実際には

椅子に座りパソコン作業などを行うと

頭が前傾し背骨のS字のカーブが

崩れてしまいがちです。

 

つまり背中が丸まっている状態です。

皆さんもデスクワーク時に

そのような状態を体験していませんか?。

 

段々と姿勢が崩れてきたり

肘をついてアゴを支えたり。

その状態をしばらく続けていると、

背中や肩の筋肉の張りや

内蔵の圧迫に繋がります。

 

また、前傾姿勢は腰や

椎間板への負担も

大きくなります。

 

S字型のカーブ=理想的な姿勢をサポート

それが出来ない椅子に

座ることが

着座時の疲れの原因に

なってしまうという事です。

 

あるいは椅子のサイズや

テーブル・デスクとの

高さのバランスが

自身の体型に合っていないという

可能性があります。

特に椅子の座面高に関しては

体圧分散を

効率よく行う意味でも

足裏がしっかりと

床に着くような調整が必要。

 

その上でテーブルの高さなども

椅子の座面高に合わせて

適切でないと

姿勢の歪みに繋がり、

疲れやすくなるんです。

 

疲れにくい椅子の条件とは?。

 

では所謂「疲れにくい椅子」とは

どのようなものを指すのか?。

それは背骨のS字カーブを

サポートしてくれて

体圧分散性に優れ

自身の体型に合っているものです。

 

椅子に座った際

自然と腰回りに椅子の背板が

フィットしてくれる椅子が

良いかと思います。

 

また、腰が当たる部分の面積が

広い椅子がお薦めです。

 

デザイン性が高くても

細いアームや背板の椅子は、

身体に当たる部分が狭いため

長時間の座面サポートには

向いていません。

 

人は長く座っていると

どうしても体を左右に動かし、

可動させながら

楽な体勢を整えます。

 

その際、

腰回りは可動させる程の

サポートの幅が無ければ

自然と体を動かすことができません。

 

フィット感が高いと

共に適度な可動幅があることで

疲れが出にくい椅子となります。

 

次に体圧分散とは

その名のとおり、

身体に掛かる圧力(=体圧)を

一か所ではなくできるだけ

複数の箇所や広い部分に散らして

身体の負担を和らげることを言います。

 

私たち人間の身体には

必ず曲線があり、

凸凹(でこぼこ)が存在します。

 

例えば平らな床に仰向けに

寝転んだ場合、

身体の中でも出っ張った

臀部・後頭部・肩甲骨など

床に触れる部分には

体圧がかかりやすくなります。

 

接地面に触れる面積を

多くすることは、

通常では接地しないような

身体のへこんでいる部分も

支えることができるので、

身体全体の負担を

減らすことが出来るという事です。

 

家具のデザインにも

間の体型を考えた曲線は

美しさを持って

座り心地の究極を表現しています。

 

実際に家具ショールーム等では

体感を味わいながら

心地良さを試すことが大切です。

 

同時に足裏が

床にしっかり設置する事も

この体圧分散においては

重要です。

 

僕がいつも間取りを考える際に

住まい手さん

家具ショールームへ

ご案内させていただくのは

空間との構成や相性も

大切にしつつ

椅子とテーブルのバランスや

心身との心地の具合を

イメージする為。

 

椅子に座っていて

疲れを感じる仕組みと

それを防ぐための

椅子の選び方について。

 

椅子を選ぶような時には

いくつもの候補から「これが良い」と

選定する時間も

丁寧に考えています。

 

暮らしと間取りと

インテリアから考える心地に

健康な暮らしという

観点からも「椅子」の事も

暮らしと共にイメージできるようにと思います。
 
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