旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

休日はローカル線で 郡上八幡城と元文と鶏ちゃん

2013-09-14 | にいがた単身赴任始末記

 始発列車に揺られて2時間10分の北濃駅は静かな終着駅だ。
西側の尾根にトンネルを穿てば、僅かな距離で過日完乗した越美北線の終点九頭竜湖駅だ。
時代はこの路線の完成を必要とせず越美南線は第3セクターの長良川鉄道になった。
鵜飼で有名な清流長良川もここでは源流に近い。

折り返しの08:52発で美濃太田をめざす。
停車中のひと時、運転手と鉄道マニア達に談笑の輪ができる。
定刻、列車は北濃駅を出発する。かなりの下り勾配を長良川と絡みながら走っていく。

単行気動車に揺られて30分、清流と名水の城下町は「郡上おどり」で有名な城下町。
早速シンボルの郡上八幡城に登る、生憎天守閣は雨に煙っていた。

八幡山を下りて「日本名水百選」宗祇水を訪ねる。
その名は室町時代に訪れた連歌の宗匠・飯尾宗祇に因む。

郡上八幡の旨いものと言ったらやはり鮎か。町中の川でも鮎釣り人の姿を見かける。
古い町並みの所々で塩焼きの香ばしい匂いが漂っている。

この地方の郷土料理である鶏ちゃんは、タレに漬け込んだ一口サイズの
鶏肉をキャベツ、タマネギ、ニンジンなどの野菜と鉄板で焼いたもの。
郡上の地酒「元文」とともに美味しくいただいた。

郡上八幡駅に戻って旅を続ける、お供は相変わらず長良川の急流だ。
雨天にもかかわらず、沢山のカラフルなラフティングボートが飛沫を上げて下っていく。
ワインレッドの気動車は80分をかけて美濃太田駅に滑り込み長良川鉄道の旅は終わる。