旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

非情城市・九份へ

2017-01-19 | 日記・エッセイ・コラム

 基隆から東へ10kmほど入った山間の小さな町九份。19世紀末に金の採掘がされたことにより発展し、1970年代に金鉱が閉山したことにより衰退したそうです。中華圏の町並みに、日本統治時代の雰囲気が残る独特な町並みが魅力です。

 寂れた炭鉱の町が再び脚光を浴びるのは、1989年に公開された台湾映画「非情城市」の舞台となったことによります。スタジオジブリの大ヒット作「千と千尋の神隠し」のモデルになった町並みでは、なんて語られたりもします。

 九份へは、オプショナルツアーが組まれていたり、台北からの直通バスもありますが、台湾鉄道に瑞芳まで乗車して路線バスに乗り継ぐのがお奨めです。交通費の安さもさることながら、「ちょっと遠くまで来た」感を演出してくれるからです。

 九份を訪ねるのは午後がいいですね。(台北への復路の混雑を覚悟すればですが)日が暮れるにつれて紅い提灯が点灯していく、昼間とは違ったレトロな美しさが増していきます。なるほど「千と千尋の神隠し」の世界に浸ることができそうです。