旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

いま、ふたたびの奈良へ 関西本線を完乗!

2017-08-07 | 呑み鉄放浪記

「いま、ふたたびの奈良へ」JR東海のCMは魅かれるものがありますね。
この夏、呑み人も、ふたたびの奈良へ。

 

 大垣行きの快速に乗ってやって来た早朝の名古屋駅。
高層ビルがにょきにょきと生えて、経済堅調な東海地方を象徴している。
これから関西本線に乗って奈良、そして難波に抜けようと思う。 

関西本線の起点であることを示す0キロポストを確認したら3両編成に乗車する。
13番線、06:11発の亀山行きがこの旅のトップランナーだ。 

濃尾平野を西進する電車は木曽、長良、揖斐と3つの大河を渡って三重県へと抜ける。 

関西本線のボトルネックは亀山から加茂の区間。
加太越えと呼ばれる25‰の急勾配、さらに単線・非電化なのだ。
2両編成のレールバスがディーゼルエンジンを唸らせてこの急勾配を越えて行く。
その代わりに車窓には鈴鹿川、越えて木津川が美しい風景を見せてくれる。

 

単線、非電化、急勾配を抜けた加茂には、大阪から7両編成の快速電車が迎えに来ている。
奈良までは15~20分、大阪までは70分で駆け抜ける俊足ランナーなのだ。

 初めて奈良を訪れたのは中学の修学旅行、どこをどう巡ったか記憶は曖昧だ。
Km観光のガイドさんの隣でご満悦な南大門前の写真から、東大寺を訪ねたのは間違いない。
確か「いとしのエリー」が流行っていたっけ。

改めて目の当たりにする大仏殿、圧倒的に大きい。 
創建から2度にわたって焼失した大仏殿、現存するのは江戸期に再建したもの。
現在でも世界最大級の木造建築である。

 

本尊盧舎那仏像の四方の守りを固めるのが四天王。
大仏殿には広目天が北西の隅を、多聞天が北東の隅を守るのみで2体しかない。

 
   

 古き良き日本の生活風景を残す奈良町に「春鹿」の今西清兵衛商店がある。
白壁に黒い格子の店構えは、奈良町にあってもひと際目を惹く。
底に鹿をあしらったガラスの酒器を求めると5種が利き酒できる。
純米超辛口、純米吟醸生酒、本醸造極味、純米生原酒木桶造り、大吟醸しろみき。
なみなみと注がれた自慢の酒に、利き酒と云いながらほろ酔いだ。

 

 奈良町から三条通りへと抜けるアーケード街に赤ちょうちんが開いていた。
洒落たcafeよりこんな店がいいね。生ビールを呷ってから「春鹿・超辛口」を呑む。
カウンターの大将が切り出したお造り、揚げたての天ぷらで昼間の一杯が愉しい。 

 奈良駅から大和路快速に乗って大阪をめざす。
やはり修学旅行で訪ねた法隆寺は、2つ先の法隆寺駅から路線バスで8分ほど。
でもあまりの暑さと酒が効きすぎているのでパス、快適に冷えた車両で先を急ぐ。 

大和路快速は大阪環状線に乗り入れて大阪駅にむかうので、天王寺で各駅停車に乗り換える。
首都圏では見かけなくなった国鉄時代の通勤電車が大阪では健在だ。 

いつの間にか地下駅になっていた関西本線の終着駅・難波。
地上はOCAT大阪エアシティターミナルになっていた。
階段を上って地上に出た正面の千日前通りを渡ると直ぐに道頓堀川が見えてくる。 

 

道頓堀はおもちゃ箱をひっくり返した様な世界だ。通りそのものがテーマパークの様にも思える。
そこら中の店から旨そうな匂いが漂ってくるのだけど、酒は夜までいいかなって感じだ。
いつか南海線か近鉄線で呑むときに道頓堀を堪能しよう。

関西本線 名古屋~JR難波 174.9km 完乗

 
 

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