旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

メトロに乗って 雷鳴轟く午後に 副都心線を完乗!

2020-07-25 | 呑み鉄放浪記 地下鉄編

鉄道5事業者が相互乗り入れする副都心線には多彩な顔ぶれが集まる。
始発の和光市駅3番線で出発を待つのは BAYSTARS TRAIN、横浜高速鉄道の車両だ。

今日も35度を超える東京、発雷予報も出ているし、なんとか夕立ち前に呑み潰したい。

Fライナーっていうのが優れもの、和光市を発つと小竹向原、池袋、新宿三丁目、
明治神宮前だけに停車して渋谷に急ぐ、地下鉄線内の速達運転て希少じゃないだろうか。
副都心線の起点小竹向原で見送った元町・中華街行きは東急電鉄の車両だね。

副都心線の池袋駅は少し西にずれていて、地上に出ると立教通りの入口辺り。

池袋の街を彷徨ううちに、空は俄かに暗くなり、遠くで雷鳴が轟きはじめた。
然らば今日は早めの一杯、降り出した大粒の雨を避けて蔵元居酒屋「清龍」に転がり込む。

この店、蓮田市の清龍酒造の直営店、でも先ずは生ビールを。汗が吹いているからね。
アテは本日のおすすめから "マグロ刺身" を注文する。
盆の故郷で親戚が集まったら、こんな刺身を抓んで一杯やるんだろうな。今夏はNG。

純米辛口 "伝" は旨味のある辛口の酒、涼冷えくらいでいただくのが良い食中酒。
二皿目は "旨辛とうふサラダ"、さっぱりとトマトと奴を抓む。窓の外は滝のような雨だ。 

"油揚げ厚焼き" の上でおかかが踊っている。生姜と刻みネギをたっぷりのせて美味しい。
繊細でフルーティーな "大吟醸" は雪冷えくらいが良い、すっと喉を通り過ぎていく酒だ。
清龍と云えば歌舞伎町店が閉まるそうだ。学生の頃、あの店ではずいぶん過ぎた酒を
強いられた気がする。まぁ時代だったからね。今では微笑ましい記憶ではある。

池袋の一つ先は雑司ヶ谷まで各駅停車に乗る。
今度の8両編成はブラウンのライン、これぞ営団の車両は有楽町線からの転線組だそうだ。

長いエスカレーターを乗り継ぎ、雨上がりのサンシャイン60を見上げる地上に這い出る。
都電荒川線(さくらトラム)がモーターの唸りを上げてのぞき坂を登って来た。

羽衣をつけ、吉祥果を持ち幼児を抱いた美しい鬼子母神を祀る雑司が谷鬼子母神堂、
安産と子育の神様として広く信仰を集める。当然にカップルや女性、子連れの参詣が多い。

雑司が谷から北参道まで乗車した東急電鉄の新型車両はグリーンのフェイス、
東横線開業90周年を記念した「青ガエル」塗装車両と思われる。沿線の方には懐かしい?

明治通りの地中深く走る副都心線、どの駅も地上に這い出るのに時間がかかる。
北参道の鳥居を潜る、さすがに杜の中の参道はいくぶんの涼しさが期待できる。

深い杜、世の中の雑音が届かない静けさの中に明治神宮はある。夫婦楠が見事だ。

明治神宮前から渋谷までのアンカーは、飯能から走って来た西武鉄道の10両編成。
渋谷は終点とは云え、ほぼ全ての列車は乗客の大半を入替え、東横線に乗り込んでいく。
明治通りの地下深くから、長いエスカレーターを継いで、渋谷の谷底まで這い上がる。
副都心線の旅の終わりは、東京メトロ、総延長195.1kmの旅の終わりでもあるのだ。

東京地下鉄・副都心線 小竹向原~渋谷 11.9km 完乗

RYDEEN / YELLOW MAGIC ORCHESTRA 1980