温かな汁に削り節が踊っている。名古屋らしく立派な海老天が2本、まんまるお月様が浮かぶ。
大胆に箸を突っ込んで、モチモチのきしめんをズズっと啜る。いやぁ美味いなぁ。
いい感じに汁を吸った1本目の海老天を味わったら箸で玉子を割る。っと味はマイルドに激変する。
麺に溶いた玉子を絡めながら後半戦を楽しむ。時折シャキシャキと刻みネギの食感がいい。
大事に温存していた2本目の海老天を口に運ぶと、至福の朝食タイムはそろそろ終わりに近づく。
予定より2本前の “のぞみ” に飛び乗った。これで18分のアドバンテージ、っで名古屋で途中下車。
めざす「きしめん 住よし」は4〜5号車のあたり、ホームに降り立つなり出汁の匂いがしてきたなぁ。
手早く券売機で “海老天(玉子入り)きしめん” を択んだら、新幹線を眺めながらの朝食タイム。
玉子を溶いてマイルドになった汁を最後まで楽しんだ頃、のぞみ207号の侵入を告げる構内放送。
本来のシートに身を委ねたら、新大阪まではあと50分だ。
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三枚の写真 / 石川ひとみ 1981