旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

京町家のtrattoriaで

2022-06-01 | 日記・エッセイ・コラム

 紅がらの壁に黒い格子、温もりのある提灯がさがった京町家のtrattoriaを見つけた。
厨房の様子が窺えるゆったりしたカウンターに座って、今宵イタリアンワインを愉しみたい。

とはいえ、素直にワインから入れないボクは、そうはいっても一杯目は生ビールを呷る。
前菜の盛り合わせが華やかにシルバーの皿を彩る。小さなボウルに盛られた “大根のムース” が絶品だ。

“鰯のレモンオイル煮” を択ぶ、オイルサーディンが大好きなのだ。トマトとパプリカが赤を添えて美しい。
となれば白ワイン、でも呑み人はワインは分からない、奨められるままに “Tramonti“ のフリウラーノ。

♡のエチケットが可愛らしいサーモンピンクは “クオール ロゼ トスカーナ”、熟したリンゴの香りだって、
言われてみればそんな気もする。パスタは自家製パンチェッタと玉葱のトマトソース “アマトリチャーナ”。

ピッツァはオーナーシェフにお任せ。目の前で生地をのばして、出始めたトウモロコシを散らしてくれた。
甘酸っぱいトマトソースに甘味たっぷりのトウモロコシの一枚が美味しい。
三杯目は “シャルドネ  フリウリ コッリ オリエンターリ”、最後はしっかり目の辛口のシャルドネで〆る。
坪庭に面した掘りごたつ席には向日葵が生けられて、夏に向かう演出たっぷりの烏丸のtrattoriaなのだ。

雨のウェンズデイ / 大瀧詠一 1982