旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

JY07 山手線立ち呑み事情 やなか純米や@日暮里

2022-07-02 | 大人のたしなみ

青緑の美しいラベルは新政 ”ヴィリジアン”、秋田最高級酒米 ”美郷錦” で醸した爽やかな甘みのある酒だ。
アテはというと “冷やしトマトの土佐酢マリネ”、大葉とかつお節を散らして、さっぱり爽やかに美味しい。

山手線を立ち呑みで巡る7回目は日暮里駅に途中下車、北改札を抜けたら西日差す御殿坂を登ってみる。
昭和の面影が色濃く残る「谷中ぎんざ」は、昔懐かしい町並みに古い木造の商店やレトロなカフェが点在する。
この商店街に週末だけ灯をつける「やなか純米や」は、ちょっと洒落た立ち呑み屋なのだ。

さて日本酒は「本日のラインナップ」から辛口を択ぼうと思う。先ずは “黒龍 大吟醸 CRYSTAL DRAGON”、
「五百万⽯」と「さかほまれ」で仕込んだ大吟醸は、飲食店流通に限定、深い味わいの辛口の酒だ。
“燻製ベーコンのポテトサラダ” はちょっと酸味が効いている。薫るベーコンにカリカリのオニオンがいい。

ほとんどのメニューは550円、券売機で550円×4枚の食券を2,000円で求める。チェックした注文票と一緒に
カウンターに持参すると、酒類はその場で注いでくれる。アテはテーブルに届けてくれるシステムになる。
アテはちょっと高めだけど、一品一品がひと工夫もふた工夫もあって、満足のいくそれこそ逸品揃いだ。

“しっとり焼豚 葱とパクチーのせ” は八角や生姜の下味がついて、しっとり柔らかに焼き上がったひと皿。
辛口の二杯目は “篠峯 夏凛 雄町”、フレッシュで爽やかな純米吟醸無濾過生原酒は、まさに凛とした夏酒だ。
三陸産を出汁醤油に漬け込んで、さっと揚げた “鯖の竜田揚げ”、このアツアツも辛口の酒に合うなぁ。 

ネーミングに釣られて〆のひと皿は “谷中の焼き立てジューシー本格下町餃子”、なっ長い。
でも偽りなく、ニンニクが効いた粗挽きの豚肉がとってもジューシーでもちもちの餃子はなかなか美味い。
そして高知の “南 純米大吟醸 五百万石” で流す。酸味とキレがバランス良く両立した酒の味と香りが楽しい。

それにしてもこの小洒落た空間は女子飲みやカップルが多い、ご同輩の皆さま、間違っても独りで、あるいは
連れ立って足を踏み込むことなきよう。間違いなく浮き上がります。それでは次回は西日暮里で。

<40年前に街で流れたJ-POP>
渚のバルコニー / 松田聖子 1982