旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

SUSHI × Bourgogne

2023-03-01 | 日記・エッセイ・コラム

エントリーは “葡萄海老” の握り、「幻の海老」と呼ばれて高級すし店でもなかなかお目にかかれない。
なるほど、風味は濃厚で甘みがあって美味しい。

グラスに煌めくゴールドは “シャンパーニュ・ダヴィド・フェーヴル”、酸味と果実味が絶妙な味わいは
確かに白身の魚に相性がいい。以前家呑みしたことがあるな、珍しく覚えているぞ。

今宵、五反田で「寿司とブルゴーニュ」のイベントを愉しんでいる。無論ボクの趣味ではない。お供なのだ。
だいいちワインのことはさっぱり分からない。かと言って日本酒のことが分かる訳ではないのだけれど、
美味しいものを美味しくいただく素直で謙虚な味覚は持っている。そして今 “温野菜” の甘味と旨味を感じてる。

“イカ” それに “アジ” と握りが出てきた。赤酢で握ったシャリがなかなか良い。
注がれた辛口の白は “シャブリ2020”、んっと Tasting List に載っていない。ちょっとしたアトラクションか?
出てくるボトルのエチケットは皆同じデザインで、とサインがあるから、
今回はこの醸造家(作り手)さんのワインを楽しむ趣向らしい。きっと呆れられるから、今更連れには聞けない。

天麩羅は “ナメタカレイ” と “ふきのとう”、春の苦味が口の中にふわぁっと広がるね。焼き物は “桜鱒” だって。

 5杯目からは赤に代わって “ショレ・レ・ボーヌ” は、果実の旨みが溢れるピノノワール。
握りは “金目”、“サヨリ”、“赤貝” と続いて、すでに寿司とブルゴーニュワインはボクの中ではマリアージュ。

“鰤大根” は日本酒に味醂ではなくて、もちろんワインで煮ている。葡萄色にしみた “ブリ” の甘みが絶品。
隣でレシピを聞いているから、そのうち食卓に載るだろうか。

さて、握りの方は “毛蟹”、“赤身”、“中トロ”、“穴子” と好みのネタがラインナップされて至福。
最後の8杯目は “ボーヌ(ヴィエイユ・ヴィーニュ)2019”、果実の甘さと酸味がバランス良いピノノワール。

ここまで来ると呑み人的には思考の整理がつかない。美味しいか、まあまあか、好みか、今一つか、って位だ。
「このピノノワール、出汁をしっかりとった和食に合うんですよ」とインポーターの彼女が囁く。
そう言われるとそうかなぁ、いや絶対に合うなこれ。なんて、たまにはこんな席に着いてみるのも愉しいのだ。

<40年前に街で流れたfusion>
Dazzling / CASIOPEA 1983