太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

言い訳

2014-10-22 10:53:00 | 日記
ハワイに来て間もないとき、

私は慣れない環境で宙ぶらりんだった。

家の掃除は、ハウスキーパーが来るのでやらなくてもいい。

私がやることといえば、夕食の用意をするぐらい。

車の免許もなかったし、もちろん自分の車もなかったから、どこかに出かけることもままならず。



割と順応しやすい私は好きな絵を描いて、その宙ぶらりんにも、それなりに慣れていったけれど

ホノルル美術館が主催する、アートのクラスに入ろうと思った。

だいたい3ヶ月から半年の期間で、週に1日か2日。

でも興味があっても、クラスが夜だけだったり、夕方にかかってしまったりで、

バスでホノルルまで行くことを思うと、時間的に無理がある。



アートが無理そうだとなれば、次はESLという、英語が第2言語の人達のためのクラスに入ろうと思った。

いつか仕事をしたいとなれば、言葉の壁は深刻だ。

比較的近くにある大学にそれはあって、でも調べてみると予算の関係で休講中。

いつ再開するかは未定。



そんなこんなをしながら、私は心の底からアートのクラスを受けたかったり、

ESLに入りたいのではないということに気づいていた。





私は何か正当な言い訳が欲しかっただけなのだ。


宙ぶらりんではないのだという、言い訳が。


何者にもならなくていい、という言い訳。





学校で学んでいるときはラクだ。

学ぶという目的があって、ひたすらそこで学べばいい。

しかし学校を出てしまったら、あとは自分にかかっている。

パスすべき試験もなく、成績をつけられることもない。

自分の目的は自分で探し、自分のやり方でそれをこなしていくことが

スバラシイ!と感じる人と、その自由さに怖気づく人といると思う。

私は後者だ。自由が好きなのに、自由が怖い、めんどくさいタイプ。



だから、何か学ぶことを探していたのだと思う。



そもそも、

英語が話せないのにガイジンと結婚してしまった私が、

英語が話せるようになったら仕事をしよう、だなんて思うはずがないではないか。




つい最近、職場仲間になった日本人女性は、ご主人の仕事でハワイに来たのだけれど

ハワイが嫌で仕方がないという。

何につけても日本のほうがよくて、日本に戻りたくてたまらない。

彼女は彼女のやりかたで、宙ぶらりんの中にいるのだろうけれど、

1年半も宙ぶらりんだった私に比べて、数ヶ月で仕事を始めた彼女はスゴイと思う。

ご主人の任期は2,3年だというから、ここで永住するわけでもなし、

ハワイでしか体験できないことを楽しめばいいのに、と思うのは、私が宙ぶらりんを超えたからであろう。





あの時期も、今となっては懐かしい。





にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村