太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

ピンクの履歴書

2014-10-28 07:46:19 | 日記
ハワイに住む友人が、同じ職場にいる、少し変わった同僚のことで愚痴をこぼしていた。

話を聞けば、その同僚は、一般的な社会生活をしていく上で、感覚が少しずれているというか、

一昔前なら、「天然」とかいわれたのかもしれない。

友人は、その人と関わることで学ぶことがあるから出会っているのだとわかっていて

他人の領域に踏み込みすぎる自分を反省したりするけれど、それとストレスはまた別。

そして友人は言った。



「シロちゃんも、彼女に近いところ、あるよね。」




ああ、やはりそうなのだ。

私という人間を知れば、人は気づくのだ。


「あ、悪い意味じゃなくてさ、四角四面じゃないっていうか、自由っていうか」

とあわてて付け加えた。

「でも、枠にはまった部分は彼女よりはずーーーーっとたくさんあるよ?」

それもそうかもしれない。




東京にあるアートセラピストになるための学校に通っていたことがある。

今の夫と結婚していたから、6,7年も前のことだろうか。

卒業も近くなってきた頃、校長が、仕事を紹介できるから履歴書を書いてくださいといって

履歴書用紙を配った。

休憩時間に記入したそれを集めた校長が、私の書いた履歴書を見て「ギョッ!!」とした顔をした。



「シ、シロさん、これ・・・・」


「は、何か?」


「私、長いこと生きてきたけど、履歴書をピンクのペンで書いた人を見るのは初めてよ・・・」



もし黒いペンを持っていたら、黒で書いたろう。

ピンクしか持っていなくて、でもピンクではダメだとは思いもよらなかった。



それまでの人生で、私はほとんど履歴書を書いたことがなかった。

テレビ局に入社したときも、美術部に欠員があって急いでいて、しかも父の知人の紹介もあって、

ほぼ面接だけで入社が決まったようなもの。

一応履歴書は書いたと思うが、記憶がない。

そのあとは父が経営する零細企業に勤めたから、履歴書は必要なかった。

そうにしたって、普通の人ならそんなことはわかるはず。

これが十代ならまだしも、40もいいとこ過ぎた人間がやるのだから、呆れたものである。



私は一般社会で、普通にみんなと同じようにやっていけると思っている。

それでも、時々、自分でもびっくりするようなことを、私はやる。

注意されて、気がついて、ものすごく反省して、もう2度と繰り返すまいと心に誓う。

そんなところは、私の四角四面な部分でもあって、

友人の同僚のように、言われても言われてもこたえてないし、直す努力もしない上に、

言われたことも忘れてしまう、というわけではない。



それでもまた、ひょっこりと何かとんちんかんなことをやる。



履歴書も書かずに世間をわたってこれた私の運の良さに改めて感謝する一方で

進歩のない自分が残念に思うのである。






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