太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

鼻毛

2015-05-10 14:26:04 | 日記
鼻毛が出ている人に、「鼻毛が出ていますよ」とあなたは言えるだろうか。

どのぐらい激しく出ているかにもよるかもしれないし、

その人とどの程度の間柄であるかにもよるだろうが、

私はなによりもタイミングがすべてだと思っている。



たとえば、相手が同僚であるとしよう。

その人の顔を見て、1秒以内に「鼻毛、出てるけど」とか

「鼻の横になにかついてるよ」とか言うことができたらOK。

しかし、そのタイミングを逃してしまうと、これがいけない。

既に知っていたのに、なぜ言わなかったか、ということが問題になってくる。

そうなると、指摘するのは難しい。



さらには、

これが鼻毛であるとか、ゴミといった、あとから自分で取り除けるものであった場合と

昨日までなかったアザであるとか、吹き出物といった、自分ではどうしようもないものであった場合では

また違ってくる。



同僚の頬に大きな吹き出物ができていたとする。

「吹き出物ができてるよ」というのはどうかと思う。

そんなことは、本人はとっくに承知の上であり、それを指摘してどうするんだという話である。

「急にこんなのができちゃってさぁ」

と先方から切り出してくれれば楽であるが、そうでない場合、

「その吹き出物、どうしたの?」

と聞くのは、本人が話したくないことであることかもしれず、触れるのははばかられる。




この10日あまり、結膜炎のようなものができて、右目の瞼が腫れている。

今はもう、ほとんどわからないぐらいにはなっているが、10日前にはあきらかに腫れていたと思う。

同僚で、それを指摘した人はいなかった。

私はみずから「こんなことになっちゃってさぁ」というタイプの人間であるから、

私の腫れた目に気づきつつ、誰かに心の葛藤を強いる、ということもないのだけれど、

隣の店で働くAちゃんが、フラリと店にやってきて、

私をみつけるなり、即座に言った。



「あらぁ、どうしたぁーー、その目!」



そういうとき、私は思うのだ。

私はめんどくさすぎる。

Aちゃんには、私のようなめんどくさい葛藤がない。

だからいつもシンプルで、直球で、それでいてまったく嫌味がない。

私は、考えをこねくりまわしすぎて、ほどけない毛糸玉をこしらえて、

それを無理やり伸ばそうとする。

Aちゃんほどに自然体でいられたらいいのに、と思うのだ。

Aちゃんだったらきっと、

「鼻毛が出てるよぉ」

と指摘してくれるに違いない。

それも、他の人が聞こえないように、という配慮もつけて。



なにかにつけ、めんどくさい私が、人一倍めんどくさがりだというのも、

なんだか矛盾するような納得するようなおかしな話である。








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