太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

オタスケマン

2017-06-12 14:35:08 | 日記
近所のスーパーまで片栗粉を買いに行った夫が、意気揚々と帰ってきた。

スーパーで、日本人のグループに会ったのだという。

ワイキキならいざ知らず、こんな辺鄙な田舎のスーパーに、どういうわけで日本人旅行客がいたんだろう。

彼らが、歯磨きのチューブを一つ持って列に並んでいたので、

品物10点以内の買い物客だけが並べるエキスプレスのレジがあるよと教えてあげた。

「へえ、日本語で?」

「そりゃそうさ。コッチコッチ エキスプレス ドウゾって言ったんだ」

「それでわかったんだ?」

「わかったよ。それで一緒に並んで、どこから来たのか聞いたんだ」

「へえ、日本語で?」

「そうだよ。ドコカラ キマシタカ でしょ?そしたらジャパンっていうから、ニホン ドコデスカと聞いた」

東京の人もいるし、大阪の人もいた。

日本語が上手だと褒められたので、

「ワタシノ カナイハ ニホンジン デス。ワタシハ シズオカ二 スンデ イマシタ と言ったんだ」

「すごいじゃん、日本語忘れてないじゃん!!」

そのうちの一人が、夫が持っている片栗粉を見て、何を作るのか聞いた。

「カラアゲ シマス」

うわー、おいしそうーと皆が言って、買い物が済んで外に出た。

まだ外は明るいけれど、もう7時近くだ。これから彼らはどこに行くつもりなのか心配になった。

「イマ ドコ イキマスカって聞いたら、口々に、わかんなーい、というんだよ。

そうしたら、ガイドの人がいて、ワイキキに戻るっていうから安心して帰ってきたんだ」


日本人と話したことが、相当嬉しかったとみえて、夕食のときもその話だった。


「ああ、日本人、好きだなあ」

夫は無類の日本人好きで、日本人が困っているのを見ようものなら、オタスケマンに変身する。

私と夫が出会う、まったく最初のキッカケも、ワイキキで道に迷った日本人を助けてあげたことなのだ。

15年も前のことだ。


私も、今になって、夫の気持ちがわかる。

日本で、日本人に囲まれていたときにはわからなかった。

他の民族も、いいところはたくさんあるけれど、

おっとりとして、穏やかで、育ちの良さがにじみでている日本人はいいなあと思う。

職場で、日本から来た旅行者に会うと、話しかけたくてウズウズするときがある。





休日のランチに、NICO’Sに行った。



旅行者のためのトロリーが止まるようになって、日本人が増えた。

携帯電話で自分の写真を撮ろうとしている日本人を見つけた夫は、

「写真撮りますよって何て言うんだっけ?」

と私をつつき、何べんも練習してから話しかけて、断られていた。




断られても負けないオタスケマン









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