太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

「劇場」

2019-09-28 08:05:56 | 本とか
又吉直樹氏の「劇場」を読んでいる。
氏が「火花」で芥川賞をとったとき、ハワイの本屋で働いていたから
名前も知っていたし、その本も表紙は見たことがあったけれど、
中身を読んだことはなかった。
又吉氏はなんとかというお笑いの芸人さんであるという。
彼の芸人としての姿を見たことはないが、
私の中の、芸能人が書いた本を避ける傾向が、本を手に取らなかった理由だと思う。

先日、日本に行ったときに、空港の本屋で、ふと「劇場」を買った。
古い本ならまだしも、新刊などハワイでは買えないのだし、
食わず嫌いをやめて、新規開拓もしてみたかった。

なんというのだろう。
おもしろいかおもしろくないか、わからない。
重いローラーを、ゆっくりゆっくり引っ張ってゆく、そんな感じ。
きっと誰の中にもある、人には隠しておきたい、
できれば自分も気が付かないふりをしておきたい部分を、繰り返し見せられているような、
倉本聰氏の作品に感じるのと、似たようなもの。
等身大すぎて、ときにいたたまれなくなる。

かといって、読むのをやめないのだから不思議。

本の帯に、本が映画化(ドラマ化だったかも?)すると書いてあった。
映画は、みないだろうなあ。
これは、彼の文章があるから、いいのだと思う。