太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

旅は道連れ

2013-01-24 09:04:56 | 日記
仕事を終えての帰り道、信号待ちをしていると

車のフロントガラスにコオロギに似た虫が止まった。




コオロギもどきは走り出しても、しっかりくっついたままで離れない。

フリーウェイではどうなることかと思ったが、混んでいて、それほどスピードが出せなかったのが幸いした。

ホノルルを離れ、景色はどんどん田舎になってゆく。

トンネルを抜けても、コオロギもどきは風に羽をひらひらさせて、まるで景色を楽しんでいるかのようだ。

ここまで来ると、なんとか飛ばされないように私も必死になる。




とうとう家まで、コオロギもどきはついてきた。

車で40分の距離を、コオロギもどきはどのぐらいの時間で飛ぶのだろう。

コオロギもどきは、車を停めると、それを待っていたかのように飛び立って、庭のジャングルの上のほうに舞い上がった。



出先でアリが荷物のどこかに紛れこんで、家でそれを見つけた時、

「このアリは仲間から離れてしまって、どうやって生きていくんだろう」

としきりに心配していた人がいた。

彼は孤独を背中に貼り付けて生きているような人だった。

コオロギもどきは、群や家族で生きているのだろうか。

はぐれたアリのことを心配していたあの人は、幸せになっただろうか。








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虹のふもとには

2013-01-23 18:43:51 | ハワイの自然
ハワイの冬は雨が多くて、観光に来た人たちには気の毒な天気が多いのだけれど、

そのかわり夏よりも虹がたくさん見られる。

今日は虹を何度も見た。レインボウ デーだ。




アーチ状にならない虹もある。











虹のふもとにはキツネが住んでいる、といったのは黒澤明の映画「夢」の中。


アメリカでは、虹のふもとにはゴールドが埋まっていると言われていて、

掘りに行く人々がいたという。


実際には、虹は数分で姿を消してしまうから、ふもとを探し出すのは困難だ。

だけど多くの人たちが、

大空にのびのびと弧を描く虹を見て、あの下には何かいいことがありそうだと思いたくなる気持ちはとてもよくわかる。






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守護

2013-01-22 08:01:08 | 日記
銀行に行ったときのことだ。

駐車場に車を止め、車の鍵をバッグに入れながら入り口に向かって歩き出した時に、

車の鍵が足元に落ちた。

それを拾おうとしゃがんだ途端、目の前に車が飛び出してきて、風圧で髪が揺れた。


その車は、駐車スペースからバックで出てきたのだが、

私の存在に気づかなかったのだろう。

助けられた、と思う。

人は誰でも、4人以上の存在に守られているのだという。

ただ、寿命じゃないのに命の危険にさらされたとき以外には、私たちが頼まなければ、その守護する存在たちは手出しができないらしい。


ALWAYS という映画がある(晩年のオードリー・ヘプバーンが素敵だった)。

その映画の冒頭で、主人公は事故で死んでしまうのだが、死んだあとに、誰かの守護に付く。

守護している人間に向かって、彼はあれこれアドバイスをするものの、必死でヤイヤイ言って、時たまその人間が「!」とひらめいたようにキャッチすることがあるだけで、その殆どは気づかれない。

私も普段はまさにその状態なんだろうと思う。



「助けてくれてありがとう」

銀行に入る前に、声に出して言ってみた。

声にしなくてもわかってくれるけれど、やっぱり大きな声で言ったほうが伝わると思うから。







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「運命が見える女たち」

2013-01-20 08:56:07 | 本とか
昔、姉が占い鮨屋に行った話を書いたが(参照記事「うらない鮨屋」)、占いとは不思議なものだ。


この本は、著者が知人から、占いブームをさぐる目的で依頼された仕事として、3人の占い師に潜入取材するというもの。

依頼した知人は行方をくらまし、取材目的で始めたはずの仕事は、いつしか彼女にとってなくてはならぬものとなり、

それは2年以上も続く。



大昔、私は1度だけ、人の紹介ではるばる大阪まで占い師を訪ねたことがある。

どうしていいのかわからなくて、もし未来が見えたなら、すぐに決断できるのにと思った。

こぎれいな雑居ビルの狭い階段をあがってゆくと、何の変哲もない茶色いドアがあった。

政治家や芸能人も顧客にいると聞いていたから、細木和子さんのような風貌を想像していたが、迎えてくれたのは

垢抜けた感じのにこやかな女性だった。

私は聞きたいことをズバリを聞き、彼女はズバリと答えた。

それを聞いた時に、私は初めて自分が、「期待している答えがあった」ことに気づいた。

悩みつくしたはずなのに、やっぱりこうなってほしいという気持ちが、まだ私にはあったのだ。



彼女は私が期待した答えとは裏腹なことを言った。

彼女が会ったこともない人々の心情を、ありありと語り、それはまるで舞台の袖から自分の人生劇をみているようだった。

ショックだったけれど、それでも私は、私が望んでいないほうの決断をした。

彼女を信じたからというよりも、悩むことに疲れ、なんでもいいから決断をする大きなキッカケが欲しかった。



現実は、彼女の言ったとおりにならなかった。

しかし、望まないほうの決断をしたはずが、結果的には私が望む結果になった。


「あの占い師は当たらなかった」とも言えるし、

「ああ言ってくれたからこそ、今がある」とも言える。

なぜなら、私があそこで別の決断をしていたなら、きっと望む結果にはならなかったと思うからだ。


まあ、その「望む結果」が、私の人生を大きくメンドクサクしたというのはまた別の話・・・・・




この本の中で、一人の占い師が言う台詞がある。

「人間はね、考え抜いた結論を持って事に当たっても、ろくなことはできないものなのよ。仕事も恋も何も考えないほうがうまくいくケースが圧倒的に多い。

必死で先を読んでそうならないように立ち回ることは、時には状況を悪くする。もしあなたが運命を変えることができるとするなら、それは何も考えないで、ただあなたが無心に動く、そんな瞬間を積み重ねるしかないの」



これは真実だろうと思う。

こうならないように、と思って動く時よりも

こうなろう、と思って動く時のほうがずっとスムーズに行くのは確かなことだ。



出版社を経営している著者は、先回りして人の心を読むことで、さまざまなことに対処してきたと思っていた。

だから、占い師なしではいられなくなる。

だけどそれは本当に自分にとって良いことなんだろうか。



自分がこの先どうなるかがわかったら、望まないことは避けて、楽しいことだけ体験できるんだろうか。

人の心が読めたら、人に嫌われることもなく、人の態度に悩むこともなく満足だろうか。

もしそうだとすれば、楽しいことだけ、すてきな人ばかりの毎日は、それはそれでやっぱりつまらないと感じたりしないだろうか。

美味しいものだけを食べていたら飽きるように。

毎日が休みだったら、休みのありがたさがなくなるように。




私はこういう特殊な能力をもった人たちを、まったく否定しない。

いかにも怪しい占いとか、威圧的にコントロールしようとするのとはかかわりたくはないけれど。

人の心や、私の未来を見ようとしたのは、後にも先にもこれ1度きりで、

15年あまり後、私は今度は自分自身をみつけるために、特殊な能力を持った人と出会うことになる。

その話はまたいつか。





「運命が見える女たち」

井形慶子  ポプラ文庫







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ローズ ウォーター

2013-01-18 19:29:41 | 日記


ヒマラヤン マーケットというお店に、スパイス類を買いに行って、

ついでにローズ ウォーターなるものを買った。

19センチぐらいの大きさのボトルに入って、2ドル25セント(200円ぐらい?)。


以前、アロマにはまっていた時に、フローラル ウォーターも使ったことがあったけれど、

どれも3000円以上はして、貴重なローズともなれば、もっと高かったように思う。

それが2ドル25セント?

もしかしてこれは、ローズ ウォーターという名前だけれど、私が思うようなものとは全然違うのではと

ビンを引っくり返して、よくよく読んでみるものの、

原材料は蒸留水とバラだけ。


念のため、お店の人に、何に使うのか聞いてみた。

みるからにインド人といった、彫りの深いエキゾチックな風貌の女性は、

ヤル気のなさそうなけだるい調子で

「顔を洗ったり・・・・お料理に使ったり・・・」

と言った。


「顔を?これで顔を洗うの?」

「ソープに、混ぜて、てのひらで・・・」

「で、食べられるの?どんな料理に?」

「なんでも」

聞いても聞いても、ふわーーりとしか返ってこないので、ええい!試しに買ってしまえということになったのだ。



家に戻って、ネットで使い方を調べてみると、お風呂に入れたり、エキゾチック女性が言ったように洗顔に混ぜたり、

洗った髪につけたり、洗顔後にコットンに含ませて肌を拭いたり、

デザートに風味付けに使ったり。


蓋を開けてみると、えもいわれぬバラの甘い香りがする。

思ったよりもずっと自然で、いい香りだ。

洗顔に混ぜて、洗顔後にもコットンに含ませて肌を拭いてみた。

化粧水のあとにも、かるく手にとってパッティング。

とにかく香りが素敵。

吹き出物になりそうな、少し赤味を帯びて軽い痛みのある箇所が、翌日にはきれいに消えていた。

心なしか、肌が柔らかい。

洗い髪につけて乾かすと、バラの香りがほんのりとして、すごくいい。




これはひょっとしてお買い得品かも????





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