5月15日(土) ザ・シンフォニーホールで芦屋交響楽団第73回定期演奏会
曲目は―
F.メンデルスゾーン◆序曲「フィンガルの洞窟」
平野一郎◆鱗宮(イロコノミヤ)交響曲
芦屋交響楽団委嘱作品・初演
R.シューマン◆交響曲第2番
指揮/山下一史さん
半年に1度、完成度の高い演奏を披露してくれる芦屋交響楽団の定期演奏会です。聴く方ですら、半年はアッという間に過ぎるというのに、アマチュアオーケストラが他に仕事をもちながら、ここまで仕上げるとは・・・。
団員のみなさんは日々をどういうスケジュールでこなしているんでしょうね。
しかも今回のプログラムは「委嘱作品の初演」と、創設43年目にして、初めて演奏するという「シューマンの作品」を取り上げているのです。
委嘱作品は今年36歳の平野一郎さんの作曲。
プロフィールを読むと、その作品と活動で国内外で数々の受賞歴をお持ちです。
輝かしい経歴とは似つかわしくない朴訥で温かい雰囲気の方でした。
実は初演を客席で聴いていた作曲者平野さん、私の隣りに座っていらしたのです。
私はこの日ホールにギリギリに着いて、オットが早めに引き換えてくれていた座席に座りました。
開演前、プログラムやチラシを読んだり、連れの方とおしゃべりしている人が多い中、1人すでに舞台に気持ちを集中させている方がいました。
桂吉弥さんにちょっと似てるなー^^と思いつつ、その人の前をぬけて、隣りの席に座りました。ざっとプログラムを読むと、どうも左隣りの方は平野さんのようです。
2曲目「鱗宮(イロコノミヤ)交響曲」の演奏が終わって、指揮者の山下さんが平野さんを舞台に呼びました。
万雷の拍手を受けて、汗をふきふき、また隣りの席にもどってきて、知り合いの方とあいさつを交わしたり、サインをしたり、質問に丁寧に答えたりしていました。
現代音楽というと、不協和音とか、突然の大音声^^とかをすぐイメージしてしまいます。日本音楽コンクールの作曲部門の作品や今まで聴いた数少ない^^現代音楽の刷り込みがあるからでしょうか?
でも、平野さんの曲、ご本人の書いたプログラムノーツの解説の助けもあってか、海や水の流れや祭りの景色が音の連なりの中から垣間見えてくるのです。
とても聴きやすいのです。
平野さんは1996年から各地の祭礼とその音楽を巡るフィールドワークを続けています。
聴きやすいのは、インスパイアされた懐かしい日本の音が曲の中から聞こえてくるからなのかもしれませんね。
もう一度聴けるチャンスがあれば聴いてみたいです。
なかなかチャンスはないでしょうけど・・・。