漢字が多くて文章が硬い、テーマが重くて、難しいなんていう先入観で、私は読むことが少なくなった芥川賞受賞作。
この『東京都同情塔』は第170回の芥川賞受賞作です。たまたま近くの図書館で早めに読めることになったのと、九段理江さんが会見で「全体の5%くらいは生成AIの文章をそのまま使っている」と発表したのに興味を持ったからでした。
実際は主人公の問いにAIが答える場面に、適宜改変を加え、単行本の1ページにも満たない使用量だったそうで、5%ほど使ったは少し「盛り過ぎ発言」だったようです。
東京オリンピックは2020年にザハ・ハディド設計のままに建設された新国立競技場で敢行されたことになっていて、東京都同情塔は新しい形の犯罪者収容施設(刑務所)でその10年後に建てられたという設定です。
近未来小説ということですが、さほど未来感はありません。10年前の小説が古めかしいと感じないのといっしょですね。
九段さんは1冊の物語を書くときに、資料を100冊ほどは読むそうです。
東京都同情塔の少し前に執筆した『しをかくうま』は200冊ほど資料を読んだそう。
生成AI小説家^^はあっという間に資料を集め、分析するでしょうが、ベストセラー作家になるのは難しいでしょうね。
今夜(4/24)、横浜スタジアムでの阪神・DeNA戦は試合開始から終了まで中断をはさんでずっと雨が降っていました。阪神の敗戦を覚悟した9回表、山崎を攻略して、驚異の粘りを見せ、5-3で阪神が勝ちました。