毎年単行本100冊読了を目標としながら、ここ10年はとてもその数字に到達することはありませんでした。
今年ももちろん、目標には程遠いけれど昨年よりは少し増えました。
その中で万城目学さんの『八月の御所グラウンド』は私の今年のベスト1かもしれません。
関西の野球ファン――もちろん一くくりにするのは間違ってますが――をハッピーな気持ちにさせてくれた関西の2球団、阪神とオリックス。オリックスの山本由伸投手は今年の投手4冠と3年連続沢村賞という栄冠を両手と肩に^^メジャー挑戦です。
沢村賞は、その年の日本プロ野球界で最も活躍した完投型先発投手を対象として贈られる特別賞です。
沢村栄治は日本のプロ野球黎明期に伝説的な活躍を見せた大投手。巨人の初代エースとして現代の世で登板したとしても活躍できる力を持っていました。
ところが3度の応召で肩を痛め、その威力は失われます。しかも、第2次世界大戦の終戦前に戦死します。
戦争はなんとむごい。沢村は27歳でした。
真夏の京都御所グラウンドでの草野球大会に主人公・朽木のチームにえーちゃんが助っ人として参加します。
えーちゃんが過去から現れた沢村栄治だと決めることはできません。
「100人いれば100通りのとらえ方があるのが戦争。意味づけはしたくなかった」「でも一番手前には全員が素直にうなずけるラインがあるはず。今回なら『もっと野球、やりたかったやろな』とか。そこに立って書こうと思いました」
と万城目さんはインタビューに答えていました。
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