市川沙央さんの『ハンチバック』は第169回芥川賞受賞作です。
「作品を読んだ父からは、破廉恥だと怒られました」とインタビューに答えています。たしかに描写は超過激です。
市川さんは1979年生まれ。筋疾患先天性ミオパチーによって、症候性側彎症であり、人工呼吸器、電動車椅子を使って生活しています。
芥川賞受賞後の取材映像で、日々の暮らしの困難さを知ると同時に、容易に人に頼ることをしない意志の強さを感じました。
中学生のころから外出が困難になりましたが、その代わりジャンルを問わず本を読み、20歳を過ぎてライトノベルを書き始めたそうです。長いこと鳴かず飛ばずでしたが、その後の執筆のエネルギーとして蓄積されたのは間違いありません。
彼女しか書けない世界が展開されています。
これからは
「障がいをテーマにしたものと、そうでないものを半々くらいで書いていきたい」
と、市川さんは言います。
両方とも同じくらい読者に受けるだろうと予想がつく、力のある作者です。
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