甑(こしき)・・・
酒造りでお米を蒸すときにつかう大型の蒸し器のことをそう呼びます。
蒸した米に含まれている成分を麹や酵母などが共同作業でおいしいお酒にしてくれるように人間が誘導する行為が酒造りで、この「米を蒸す」~「酒が出来る」の工程をひと冬に何回も行います。
春が近づき「これが最後の蒸米だよ。」と蒸しあげると甑の役目は終わり。まだ仕込みは続きますが今期の酒造りも目処がたったと蔵元が祝の宴席を設けることを「甑倒し(こしきたおし)」といい、この席では、「みなさんお疲れさまでしたね。」との意味を込めて杜氏率いる蔵人が上座、社長は下座になります。甑を洗浄するために横向きに倒すことからそう呼ばれるようになった行事だそうで。
下の赤矢印で指したのが甑です。江戸時代からあったんですね。
蒸している最中はこんな感じで ↓
前振りが長くなってしまいましたが、明日は金鶴の「甑倒し」、蔵人のみなさんおつかれさまでした。ゆっくりとくつろいで下さいませ。
「甑倒し(こしきたおし)」の席で挨拶する「金鶴」先代社長。20年前の写真ですので色があせ気味ですわ。
このころとはお酒の質がかなり変わりました。
私は私で、今期の「金鶴」の向上を祈って日本酒で乾杯といきますよ。では、本日はこれにて失礼を。