新潟県上越市出身の酒博士・坂口謹一郎氏(1897~1994)が昭和39年(1964)に出された「日本の酒」という本の中で、「日本の酒はどこへ行くか」という問題に、機械化や技術向上が進むことで酒質の均一化と、貯蔵期間を短くしても貯蔵したようなさわりなく飲める味わいの方向に向かっていると書いておられます。
そして、その結果は「十分に調熟したような効果をそなえて、さわりなく飲めるが、本もののような深みは要求されない。というよりはむしろ、本もののよさがおいおい忘れられがちとなる。」とも。
ネガティブな発言に聞こえなくもないですが、愛する日本酒が道を踏み外さないようにとの親心から出た言葉だと思います。実際その心配が的中した部分もありますからね。
そのような流れを経験したからこそ、こうした展開が求められたのかも知れませんね。私などが言うのは大変おこがましいことですけど。
日本酒の未来は明るいですよ。
NIIGATA×Sakeology“日本酒学”で、未来を描こう!
日本の酒のいろいろの性格を、それではどうして鑑定するか
それにはよき環境と、よき「さかな」とで、ただ酒を飲んでみればよろしい
(坂口謹一郎 著「日本の酒」より)
では、飲みましょう。
本日も日本酒で乾杯!